平岡滴宝著「四柱推命の秘則 新訳滴天髄」( 地支論 )

  (子平学 四柱推命 運命学)

 この書を編纂したのは、明の太祖朱元璋を助けた劉伯温と言う人で、

時代は1311年より1374年の間、元末期より明の初期洪武の時代に生きた人です。 

初めて五行の生尅のみを重視し従来の神殺看法を除きました。しかし 

明代にこの書の註釈した書物がない為 この書の意義が認められるように

なったのは今から約三百八十年位前頃ではないでしょうか。

 

( 滴天髄の訳本や註釈本で、新訳滴天髄の参考文献の一部 )

清代の初め  陳素庵氏  「嫡天隋輯要」(註釈本)

その後    任鉄焦氏  「滴天髄徴義」(訳本)

近世     徐樂吾氏  滴天髄徴義を更に①註釈や②補註を書物に

近世     袁樹珊氏  「專闡微」滴天髄徴義を更に註釈

 

※日本においても数人の方達がこの書を訳されています。

※私は陳素庵氏の概要の目録に従いました。素庵氏は言っています。

この書は干支の情、陰陽の変を言い、格局にこだわらず神殺をもちいず、云々と。

 

< 地支論より >

 陽支は動いてかつ強く、速達に災祥を現し、陰支は静かでかつもっぱら否泰

つねに年をへる。

 生方は動くを恐れ、庫開くによろしく、敗地冲に逢えば仔細にさばき、

支神は只冲を重きとなし、刑と害は動いて動かず。

 暗冲暗会最も喜びとなすは、彼が我を沖するや皆冲起こり、旺の者達を

冲すれば旺の者抜け、衰の者旺を冲すれば旺の神放つ。

 

( 訳 )

陽支とは、子寅辰午申戌を言い、陰支とは、丑卯巳未酉亥を言います。

動くとは冲等によって変動がある時を指し、陽支の場合は早速に災祥が

出ますし、陰支の場合はじっくりとその現象が見られます。

 生方とは、(四生とは寅申 巳亥。四敗とは子午 卯酉。

四庫とは辰戌 丑未。)夫々の冲を現しています。冲によって変動が起る時は、

地支が天干の持分の仕事をサボりますから、喜の天干の変動を恐れ、忌の天干の

変動は反って都合が良いことになります。四庫は各々三つの持分がありますから、

命式をよく調べてからでないと良い悪いは結論出来ません。但し忌の戊や己にだけ

働く命式は冲となった方がよろしい。

 地支同志の変動には古来より冲や支合の他に刑や害もあげられていますが、

任氏や楽吾氏等も、刑害は害があるとばかりは言えず、有用な時もかなりあると

古書の例を引用し説明さえています。伯温氏は、はっきりそれを指摘されたと

言えるでしょう。即ち運命的な変化までは至らないと言うことです。

 暗冲、暗会を地支蔵干中のかくれた部分の、気同志の冲を指して説明された

書があった様に思いますが、参考五書共、彼とは行運、我とは命式と説明されて

おり、命式上だけでなく、行運の地支と命式の地支とでもそうしたことが起り、

命式の地支が支えている天干が、旺じていても又弱くても変動があるとし、

忌の干を弱める方の冲は喜んで良いと言っています。

 

( 解説 )

十二支については、素庵氏、楽吾氏等は、複雑で簡単に説明しにくいと

言っています。それは 地支は干の気を夫々内臓しているものが多く複雑となる

からです。地支の働きとの主なものとしては、月支にかかる旺衰、通根説による

強弱それに冲支合、刑害等があげられます。

 

( 追補 )

 陰陽支の動きについては、天干が陰支に支えられているよりも、陽支の方が

強いと見ている為で、冲で抜けた時の変動の大きさを言ったもの考えられます。

 暗冲暗会は、命式と行運のとの冲会を指すのは前述の通りです。

又暗会の会とは三合会局のことで、例えば命式に寅午戌の火局を形成し、

忌の丙又は丁が透干している場合、行運に子がめぐって午を冲し三合が解け

丙丁の力が弱る状態を最も喜びとなすと言い。反対に、命式に子申があって

天干に忌の壬が透干している場合、行運で辰がめぐって水局すれば

困ったことで、喜べない状態もおこります。

 

  

< 和珞、地支についての余談 >                       

〇比劫敗の透干がなく、日干1干がしっかりした根を持てば 冲支合で根が

抜けた場合喜忌に関係なくその調候は気をつけた方が良い事が多くあります。

例えば日干庚に通根1支だけの申は、陽支でしっかりした性格の事が多い様ですが、

行運の寅や巳の冲合で抜けた場合は気弱になります。このような人は気性にむらが

出がちですが、申が時支で害の関係の亥が年か月にあれば、冲支合の関係は起らず

申は助かり それが原因の気性のむらと言った性格は出にくくなります。

この様に害は申を助け悪いとばかりは言えない一つの例です。     

〇地支には巳や亥の様に陰支でありながら 巳は丙庚、亥は壬甲と陽干を

より強め「体陰用陽」と言った地支もあり、その反対に子は陽支でありながら

癸の陰干をより強め「体陽用陰」と言われる地支があります。

そう言った意味での配慮が推命上必要な場合もあります。現実的には、

現在の師や占術仲間は言います。

「刑害破は馬鹿にならんよ」と そして「宿命」の言葉を耳にします。

私自身も無恩の刑もちで、身近な人達との関係が突然降って湧いた様に

上手くいかなくなる事があり、子供達との関係は良好を保ちたくて干渉は

慎重を心掛けています。  

〇地支の蔵干での暗合は 現在の師から使い方を教わり、

頻繁に使い推命上重宝しています。又ブログなどでも書いています。       

子丑亥が揃えば、酒の三刑や三酒の刑などと呼ばれますが。

昔は飲む・打つ・買うなどと言って、酒だけの話ではなく

異性問題と酒と賭け事の三点が揃っての身を持ち崩す話も聞き

「宿命」としか言い様のない事が多くあります。また3支の内 

命式に2支あり行運で3支揃う時期は注意が必要です。   

〇刑害破の組み合わせ、象意は平岡滴宝訳 神峰干支体象詩にも書いています。

又ブログでも書いて行きたいと思っていますが

、師は言います「地支同志の 蔵干の愛称を見る事が一番大事」と。                 

( 滴天髄、劉伯温氏による通根説、通根表 )                                         

                           

甲乙(木)=寅 卯 辰 亥 未                    

丙丁(火)=巳 午 未 寅 戌                    

戊己(土)=辰 戌 丑 未                      

庚辛(金)=申 酉 戌 巳 丑                    

壬癸(水)=亥 子 丑 申 辰                    

 

   

土は、辰丑、戌未と冲にならない順

にならび揃っていれば四位純全となる。この様に伯温氏の通根説は局気の地支を

重要視しています。暗会の説明での「三合会局」ですが、「方局」も会局と

同じく推命上2支の場合と3支が揃って局をなす場合と強さ的には相当違いがあり、

会局と同じ様に考えていま

す。局が揃った場合は3支でも4で計算 冲・支合で局でなくなった場合は

地支の数で計算しています。                          

 土の地支辰 戌 丑 未には二気説と三気説がありますが、季節を重視する二気説を

採用しています。辰は春 未は夏 戌は秋 丑は冬 月令は節日(節日を入れて)

から12日までは 辰は乙 未は丁 戌は辛 丑は癸。13日目から次の節日前日

までは 辰は戊 未は己 戌は戊 丑は己になり「土用」と

呼ばれる頃(季節代わり)にあたります。

辰戌、丑未の四庫は、辰は乙戊癸 戌は戊丁辛と三気の中でもこれらの

蔵干をより強め、丑は己辛癸を 未は己乙丁を蔵干をより強め、冲や支合に

ならない場合 側支や同じ干を支える場合は、相性の良くない蔵干が

あればそれを推命に活かす必要があります。    

※これはあくまでも一つの論です。滴天髄には数多くの論があり一つの

論にだけ固執、拘れば推命に間違いが生じやすく、それを防ぐ為に多くの

知識を身につける必要性を感じています。私は「子平学は、疑う学問」と

考えながら、演繹で満足の答えが出尽くす推命を心掛けています。          

滴宝先生は著書の中で仰っています。

「子平学は、色々考えさせられる学問」と。

 

参考文献  平岡滴宝著 「新訳・滴天髄」 

      平岡滴宝訳 「神峰通考 干支対象詩」 

 

( 子峰院 占い人・和珞 2019/04/21 )

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子峰院 和珞の鑑定例No72

     子平・四柱推命 運命学

 ある若手占術者から持ち込まれた人です。「江睴相映」の命式で賢いはずが、

現実には「心の病」らしいです。と・・・

「江睴相映」とは、丙(太陽)と壬(湖や海)の関係。湖に太陽は映り輝きは増し、

映っった太陽も湖も良く見え、調候は、通変星のどちらかが忌であっても

通変星の意味が良く出る。日干なら見栄えが良く賢い等と言われたりします。

滴宝流では、加え日干が丙の場合、鏡(壬-湖)に映れば自身のやっている事が

見え、丙の大らかさと合わせて、落ち着きあって失敗の少ない人。

命式次第では先見の目があるなどと判断する事もあります。

しかし、この命式ではどうでしょうか・・・私は次の様に推命いたしました。

 

< 命式・男性 >

時 日 月 年

官   殺 傷    巳申―支合

癸キ 丙ィ壬キ 己ィ   丙1干0支    (1)

巳ィ申キ 申キ 卯ィ   己1干0支    (1)

丙 庚 庚キ 乙    壬癸2干申1支  (3)

 

Aとは、日干を強めるグループ=印日干比敗

Bとは、日干を弱めるグループ=食傷財官

A(日干)1 対 B(傷官殺)4  癸は雨、天上は雨雲 癸は丙(太陽)の光を弱め、

丙は1マイナスα よってBはAの4倍以上で Bの外格

用神取法は専旺法  格名は外格 (ぎりぎり外格)弱従殺格 

※Bが干合・冲・合で1以上弱まったり Aが同じく1以上強まる時は

外格破格となり要注意 

 

( 干の喜忌は )

Bの外格は、B が喜 Aは忌となる筈だが、己は傷官でB、

しかし喜の壬を尅す(濁壬)ため忌、行運の食戊は時干喜の癸を合去で忌、よって

喜の干=庚辛壬癸   忌の干=甲乙丙丁戊己 となる 

 

< 命式は >

〇格名は、外格従殺、推命は体干を殺の壬と日干丙と両方で見た方が見やすく、

両方を体干として、交合で見てみました。

〇己1干0支と壬に尅されて弱く、傷官の性格は殆ど出ない

この命では壬己は相尅(壬は己に汚され、己は壬に飲み込まれている。)

〇日干丙(太陽)は1干0支と弱く、癸(雲)は眼下にあり、暖や輝きを地上に届ける

目的を邪魔され、太陽の役目を果たせない程弱った丙であるため、

気弱で決断力が乏しいが、内心不満(癸への)を抱えている

〇丙(太陽・日干・本人)は、月干壬(湖)を鏡代わりにして、自身の輝かしさを映し

見たいが、壬は側干(年干)の己で汚れて(濁壬)光は僅かしか見えず、

時干の癸(雨雲)はそれすら見る事を邪魔します。

丙(1干0支癸と濁壬によりよわめられて弱く)は、例え癸がはれても濁壬では

映し見る事が出来ず、己の汚れがなくなっても雨雲で見えず、

誰も弱い自分を助けてくれないと思っている

〇月干(社会環境)壬と日干丙は「江睴相映」の関係で社会に出たいと考えるが、

月干壬は濁壬で成果を挙げられず評価が低く、酷い下積み生活を強いられる

ため、決断力の弱さから世に出辛くなっている状態で、

内気で大人しく表現力の乏しさから不満や不安を溜め込みすぎている

19歳「心の病」と診断された。この様な人は、第一に精神的な面から、

次に環境的な面での推命が重要となります。

※大運は、全ての行運の拡大、人は年月日時の全ての行運で 大運と同じ様な

流れの影響を受け人生を送っている。

この方の「下積み感覚」は命式からと行運によって受けている。

 

 < 大運・男性・2年運 >

92 82 72 62   52 42  32 22 12 2

〇 〇 ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ 〇 〇                 →(年運)辛壬癸甲乙

壬 癸 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛

殺 官 倒 印 比 敗 食 傷 才 財               ←大運天干の通変星

戌 亥 子 丑 寅 卯 辰 巳 午 未                  →(年運)丙丁戊己庚

〇 ✓ 〇 △ ✓ ✓ △ ✓ ✓ ✓

卯 解     申     申                          ←冲合となる命式中の地支

 

(命式)

時日月年      〇辛・庚の財運は喜運、経済的な環境の良さ、  

官 殺傷   しかし2歳からの辛運は強化三倍、月令計算をすれば天干は、

癸丙壬己   4,5干丙は弱く輝きで負けの意味、喜運であっても気分的には

巳申申卯   面白くない、意味もなく機嫌の悪い幼少期だった可能性。

       庚 

〇12歳からの庚運は、壬庚の地支申は還流によって喜体干壬を生じ 

喜財によって地位が守られたて人生で一番良い時期(財による環境の良さ)

喜財庚は沈金(洩気)気味、出費の可能性。

※命式から見る家庭環境は、母親は(年支の卯は木の専支で蔵干は乙〈印綬〉)は、

一途で教育熱心、日干(本人)丙に対し期待や欲求は強いが期待はずれの感 

側支申の蔵干庚とは暗合で暗尅と弱められ、父親(年干-己)との関係は

「乙、己土をよく尅し」だが弱められた乙では力及ばず、己(父)は壬水を汚し

本人や母親との関係は悪く 又己は壬から流されて苦労は多く家庭を顧みる

余裕はない、両親夫々は家庭的・精神的に問題を抱えており、

家庭環境は本人にとって居心地の良い場所とは言えない。 

〇大運は17歳からの午運は日干丙を強め、19歳年運は戊戌、戊は、

時干(将来性)喜の癸を合去、戌は年支卯を支合した歳に「心の病」と診断された。

〇大運22歳からは土を強めたり 火を強めたり 水を弱めたりと忌運が続き、

環境の変化や症状の悪化が考えられる。

〇辰・丑運は、壬癸と己を強め△ですが、割合的には濁壬の汚れを強め

精神的には優れず。生涯精神的に癒される時期が少ない。

 

< 五気と丙癸の関係 >

金2    木1     

   土1      

水3    火1    

五気では精神力 包括力共に弱く、精神力は尅にあい尚弱っている。

五気での精神力の弱さ 加えて包括力の弱さで、精神力の弱さに拍車が

かかっている状態。体力は強いが、日干が弱いために全ての思いを

表現できずにいるが 忌の日干が強められる時期は、

表現方法は体力に頼る傾向、又 丙と癸は激で干関係が悪く調候は反発や

怒り等で、体力表現は厳しいものになると推命しました。

体質的には、命式中 土は水に尅されて1と弱く胃・腰に弱点があり、

火と水の問題は命中では、距離があり体質的な問題は少ないと見た。

 

( 生きる目的は )

本来は社会に進出、倍増の立派な自分で活躍 そして他人に認めて貰う事と

書きたいのですが、年支卯の蔵干乙の印綬・思考力は暗合で弱り、

命式の状態を加えてそれを望む余裕はなく

「環境に恵まれ、精神的に楽な日を1日でも多く過す事」

雲ひとつ無い日に、山の中腹などから、海や湖を見渡す事ができれば、

この方は、ひと時でも精神的に安らげるのではないかと、

推命しながら思いました。

 

< 子平学の基本 >

     ↓

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 参考文献  平岡滴宝著 「新訳・滴天髄」 「神峰干支体象詩」

「子平学・四柱推命法深書」 「秘本 子平廣論」

 

(  子峰院 占い人・和珞 2019/05/13 )

 

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平岡滴宝著 新訳滴天髄より 天干論 ( 癸 )

 ( 子平学 四柱推命 運命学 )                  

     

      天干論  ( 癸 )                           

癸水は至って弱く、天津において達し、竜は徳でしかしてはこび、

功この神と化し、火土を恐れず庚辛を論ぜず、

戊と合し火を見れば、火の根即ち真

       ( 訳 )                              

癸の水は、地上にある時は湿気で例えられます様に、その性質はいたって

静かですが、たとえば子亥丑等の根がある人は

そんなに弱いとばかりは言えません。中でも辰の水は春月の

暖を持っていますから、根の中でも色々の効用が生まれます

命式上火が強くても、ある程度強さの癸があれば土を湿らせる効果をもち、

バランスがとりやすく相乗効果となることが多いので、

そう気にすることはありません。ただ庚辛からの生助は期待することが出来ず

多くの註釈書では、金多ければ反ってにごると言い、反尅があるとしています。 

戊と干合した場合、月令が丙か丁となる時は火の化格となります。    

   

   ( 追補 )                              

干の癸が辰の根を持つ時は、天津(遂語訳天の川)即ち天からの雨露(神峯論)の

様なもので、命式によっては慈雨から洪水まで色々ありますから、

詳細に調べなければならないと各書は言っています。

以上この(滴天髄)天干論は、日干とか体干とかに限らず、

それ以前の考え方と言えます。

即ち天干の特性であり天地自然の妙であります。                                   

 

 ( 和珞による追補 )                              

癸は、霧、霜、雪、雨や、強さなどで他の干に与える影響を見て、

他の干の状態をも知る事ができ、それによって詳細な推命を可能にします。

壬癸、両方の透干あれば癸は雨 壬は海や湖。又地支に亥申があれば癸は雨、

子・丑は霜 辰は霧から雨雲 戊の側干の癸は雲と、おおよそ分ける事が

できるが他の干や地支によって異なる事があり注意を要します。

亥子丑や子申辰の水の方局や会局が揃う時はかなり強い雨となります。

癸は本来弱く大人しくが、基本ですが強くなれば、当然それとは異なる推命

なります。己土との関係は、作物育つ土壌となるか、そうでないかを

見る事が可能。金(庚辛)は癸水を生じません、庚辛との関係は

錆び(洩気)関係ですが、庚辛が強く癸水が弱ければ反尅になり、

更に弱る状態(金多ければ反って濁る)。       

  

     ( 癸についての余談 )                       

癸は、上記の様に辰との関係が一番興味深く、その上天干に丙(太陽)が透干、

辰を根に持つ癸は霧ですが蔵干中土は戊をより強め 辰の蔵干戊土は湿を多く

含んでいる為、天干の丙に温められれば水蒸気として天に昇り 

天干の癸は雨雲になり、

その動きは命式を立体的に見れば、前後左右上下そして斜めと、

あの孫悟空が乗る觔斗雲のような雲に、特に月支が辰の場合は

その可能性は大きいと言えます。その活動力は距離的にも

時間的(昼夜お構いなし)にも相当なもので推命には考慮が必要です。

この様な命式で、日干癸が辰1支だけに支えられた場合の問題点は、

辰が冲合で抜けた時や、丙が合去で抜けた時、癸が天干や地支で強められた

時です。要は気性の起伏が激しく、行運によって人に迷惑をかけたり、

精神疾患を患ったりと見極めがとても大切な人の可能性があります。

又、癸と丙は干関係が悪く激の関係です。癸日の丙は正財にあたりますが、

双方1干1支以上で 平均が取れたり癸がやや弱い場合でも、

反発心が現れ偏官(殺)の様な出方をする事があります。

  

            ※無断転載禁ず

 

   ( 子峰院の出版物 及び ブログの参考文献 )

平岡滴宝訳  「改訂版 新訳・滴天髄」 「改訂版 神峰通考干支体象詩」

平岡滴宝著    「改訂版 あなたの運命のすべて」

          「改訂版 子平学・四柱推命法深書」

          「改訂版 秘本・子平廣論」 

 

( 子峰院 占い人・和珞 2019/05/06 )

 

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子峰院 和珞の鑑定例No71

       子平学 四柱推命 運命学

  私の場合依頼者の殆どが親戚・知人・その方達による紹介者が主です。

そうした方達とのお付き合いは長くなる為、過去の鑑定書は保存、再鑑定の依頼に

備えております。この方は子供関係の知り合いです。本人10歳の頃のお母様から

依頼で結果御家族全員の鑑定となりました。

現在でも毎年年賀状で御家族の近況を知らせて頂いております。

 

< 命式・男性 >    本年46歳

印   才 才

丙ィ己ィ癸キ 癸キ    干合、冲、支合なし

寅ィ未ィ亥キ 丑△   己1干丑未2支 (3)

甲 己 壬 己    丙1干未寅2支 (3)

           癸2干(月令陰干1,5倍)3干丑亥2支 (5)

A(日干印)6 対 B(偏財)5  用神取法は扶抑法 格名 内格偏財

BよりAがやや強く  弱身旺 

調候用神―丙

 

よってA (日干比劫印)は忌 B(食傷財官)は喜となるが、AとBの差は1喜忌変遷運

には要注意 味方の振りした養虎もいます。これは元機には使えず。

木気が多く甲乙は喜忌変遷運で忌運。

忌の干=戊己丙丁甲乙辛(化水)

喜の干=壬癸庚  

 

< 命式と性格など >                      

〇格名は内格偏財格、日干・印綬は確りした強さで財干強く、

財欲や干渉心は強く時に謀をめぐらす

〇生月は11月の冬 癸に通根の地支 亥の蔵干は壬、丑は癸 2支共冷たいが

時干の丙は冬の夕方の太陽、源流・還流の関係から癸はみぞれ。この様な人は、

左の耳・目・肩・足などの症状が冷えてる側に、片寄る傾向と経験者達より聞く。

何故向かって側かは謎?

〇日干の強さより、喜財癸は強く財に恵まれている。癸財はみぞれで丙の透干

あって使い方はケチで慎重 財干は年月に透干し 年支月支に通根し月令に

旺じられ財源は 両親(年柱) 社会環境(月干)である。

真面目に人生を送れば降り続くみぞれの如く財には絶え間なく恵まれる。

〇年柱両親は、天干癸と丑の蔵干中の癸は意思疎通が出来ている人達。

(年支・母親)は冷たく 側支の亥にも冷やされ冷たく頑なでケチ、

しかし日干に通根 喜で本人には惜しみなく援助する

〇母親は年支であるが、印綬()も母を意味し時干に透干日干の側干であり未と

還流して縁は深く、元亨利貞60歳(本人)以降の時干で長生きの可能性。

癸丙は天上から一方的で、絶え間ないく愛情を注いでくれ湿りすぎの己土を乾

かす、財源と己土を整える役目、人生上これ以上都合の良い人はおらずマザコン

よって母親の側から離れ辛く結婚は到底無理な人で 

今年は46歳となるが未婚、結婚の意思はないらしい。

〇社会環境(月柱)による喜癸財は、月令に強められて強く降り続く霙は真面目に

働けば楽に稼げる事を意味し、真面目で働き者

〇日干の己は、命式右半分は冷たく凍土から左へ丙未の関係で凍土は溶けて湿土

へと変わり、日干己土は、頑なと柔軟な態度や考えであれこれと迷うが、

1干2支強過ぎ弱過ぎでもなく 通根の地支は天干より強く、戊の劫財は無いため

一途で頑固で不器用で苦労人、財や印には受身で何事もなければ大人し

く落ち着きがあり悩んだ末に決めた事は断固して

やり遂げようとする人。言い訳け(上手)や説得・交渉の場合は饒舌になる。

〇丙も癸も強く一方的で再現なく、己土も粘りがあり目立つのは押しの強さと

しつこさ、交渉の仕方は手練手管。丙印の名誉心は財、お金持ちを装うが慎重

〇癸(雲・偏財)は丙を制し(太陽の光を妨げ)、丙(太陽・印綬)は癸を制し(雨雲の力を

弱め)て、全ての天干、地支は還流・源流で関係し合っているため、

不器用であっても、日干はしっかりして財星、印星を使う事が出来る人

(行動的な仕事や事務職)である。

交渉術に長けた人であるが、残念な事に社会でそれを生かせるチャンスの運に

恵まれていません。世の中ではこの程度の人は多く

形影的には、ごく普通の人と見ました

※苦労は、日干忌の目的を決めるまでの試行錯誤。

※ストレスは、忌の印星母親からの干渉、

財欲からその干渉から逃れられないところにあり。

※生きる目的は 財のお宝をまずは守り 次は財を増やす為のチャンスを

逃さない様に待つ事。又、その為には人生は穏かがモットー と推命した。

 

< 大運・逆行 >

 

※15歳辛運は、月令は壬(水)で時干丙と化水丙は壬 辛は癸に変わる。

 

95  85   75 65 55  45 35 25   15  5

〇 × ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ 〇  ✓ 〇

癸  乙 丙 丁 戊 己 庚  壬    →(年運)戊己庚癸壬

才 官 殺 印 倒 劫 比 傷 才 財    ←大運干の通変星

丑 寅 卯 辰 巳 午 未 申 酉 戌    →(年運)己甲乙丙丁

〇 ✓ ✓ △ ✓ △ △ 〇 △ ✓

未 亥     亥 未 丑 寅        ←冲合する命式中の地支

 

〇幼少期5歳の壬運は、年干喜の癸を強め喜運、父親は上級公務員で恵まれた

家庭に育つ。10歳の戌運は忌の日干を強め忌運、我が強く勉強に身が入らず。

学校や野球活動以外のプライベートの時間は外出を嫌がる本人を見て、

両親は将来を心配しての依頼。忌の壬運なら「幼少に厄づく」になり大変な

時期となるが喜運に救われた。しかし水は冷たく(元亨利貞は年柱)

本人にとっては辛い時期であった筈、

また大運を十年運で見れば10歳の戌運(丙に通根・暖)にも救われた

可能性がある。必要以上の行動を避けたのは、

自身を守る為には最善な行動で喜運ならでの行動

〇10歳の依頼では、日干に地支が多く言葉数は少ないが腹の据わった人で、 

悩んだ末に自分の事は自分で決めるタイプ、人生の荒波に対しても

抵抗力があり そっと見守る事がベストと伝えたが、

15歳からの化水時期は変動が大きく、

高校選びは目標をランクを下げる事を勧めた

(変化後の命式)

時日月年  大運癸

壬己癸癸  己1干2支 (3)

寅未亥丑  壬癸3干(令)5干2支(7)大運の癸を1プラス(8)

     日干3 対 財8 BはAより強くなり忌変遷運で忌運

日干は喜 財は忌となりかなりの出費。

出費は免れないが必ずチャンスは訪れるはずと伝える。二度ほど軽い登校拒否

になるが学校の配慮で簡単に解決 軟式野球部にも入部し無事高校卒業。

大学現役合格を果たすが気に入らず。

〇20歳酉の歳、流年で目的の大学へ入学を叶え、

卒業後は就職 職場を変える事無く現在に至る。

〇20歳から64歳の間の働き盛り、例え忌運であっても1か2の変化で大きくなく

月柱(社会環境)天干・地支とも喜で問題は少ない。

65歳からの丙運以降、亥未寅の木気は行運の甲乙に通根 己を弱め喜忌変遷や

年齢を考慮すれば体調は崩れ、日干と強化の干合甲運は、

命の問題がでてきそうです。

 

※水気や火気の強さのバランスがほどほど取れていれば「中庸」

の推命を見かけますが果たしてそうでしょうか?命式を絵に立体的にみれば、

この命式も陽のあたり方によっては雪とみぞれに 大地の己土も陽が当たって

みぞれが落ちてもそのままのところあり 溶けた場所ありと

「中庸」にはどうしても納得できませんでした。

よって「中庸」でない推命となりました。

 

 子平学の基本

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参考文献  平岡滴宝著 「新訳・滴天髄」 「神峰干支体象詩」

「子平学・四柱推命法深書」 「秘本 子平廣論」

 

( 子峰院 占い人・和珞 2019/05/01)

 

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平岡滴宝著 新訳滴天髄から 天干論 ( 壬 )

( 子平学 四柱推命 運命学 )           

 滴天髄は明の時代、劉伯温氏が編纂され、その後多くの人達の手により、  

註釈や訳本が世に送り出されています。

ここでの天干論はあくまで滴天髄による天干論です。            

                     

天干論 ( 壬 )                                           

 壬水は汪洋(おうよう)よく金を洩らし、剛中の徳で周流して止まらず。

通根して癸透れば、天を冲して地を走り、化すれば即ち有情、

従すれば相済(あいさい)す。                            

( 解説 )                                               

  他書では通河となっていますが、汪洋は神峯氏の体象壬水の表現の

応用と思われます。                            

 ( 訳 )                                 

 壬は大河や海のようなもので、金を洩気させる作用があります。

見かけは柔らかいようですがその性質は剛であり、その力は馬鹿になりません。

強金を弱める作用は徳と言えますが、ポイントは何と言っても金の月令にあたる

申といえます。申は金の通用門と言っても良いでしょう。        

 砂漠の様な所にある河には縁(ふち)がありませんし、天地をめぐって止まる

ことがありません。たとえば子申辰の地支を持つ強い壬に、

癸が加わればその勢いは非常に激しく強いものになります。          

壬丁の化の干合に良い命式になる時があり、又命式に壬癸あって強い時は、

従旺格になった方が良い場合が多いものです。

 

< 和珞の追加解説 >

〇見かけは柔らかで内剛の性格は、壬日生まれの人は、静かで穏かで他人との

論争などは好まない様に見えるが、人の意見を聞かず自身の思うままの

行動性で自由を束縛される事を嫌がる、その行動性は複雑極まりないものと

なる事が多く、日干強い人では一端翻せば、他の干の人と比べて怖い相手と

なる可能性があります。

〇壬庚は申を還流すれば、庚は壬を強め壬は庚を沈金作用によって力を削ぐ。

その場合、強すぎる庚が忌なら良い結果となります。(申は壬庚の門戸)

〇壬に戊の透干は岸壁(ふち)のようなもので 強さ的にバランスが

取れていれば内剛の性格は軽減され、気持の調節の取れた人となります。

〇壬に癸で、天地を巡るのは何故子申辰の三合なのか(冲天奔地)、

三合なら雨と海の関係。亥子丑の会局は寒く冷たく氷と雪の関係で、

雪と氷は一体化(別々の物)する事がなく、雪は氷を強めず天地を巡る

事はないから。しかし三合でも、子が月支(12月生まれ)の場合は壬癸の

関係は氷と雪の関係になり、命式によって違いがあります。

〇壬癸が強すぎ忌となる時は、複雑な行動性や剛情と言った性格面から、

日干壬の場合、月干か時干が丁で月令が甲乙(木)で化木となった方が性格的に

良い場合が多くありますし、内格で日干比敗が強く忌になるよりも 

外格従旺となって日干比敗が喜となる場合も、同じ事が言えます。

 

< 壬についての余談 >                      

〇冬以外は壬は海 癸は雨 雨が降って海を強めるが、その反対は

決してない。陽干兄 陰干は弟の様なもので、兄は弟に取って頼りになるのが

普通ですが、壬と癸の関係は頼りになるのは弟である。

(この関係を思う時、関西の人気漫才師にそんなグループが、

いたな等といらぬ事を考えてしまう。)

〇日干が壬で月干に癸の透干あれば、他人の考えを取り込む事が上手な

人となります。

〇日干壬が喜の場合、運で癸が巡る時期は気のあった協力者を得られ

可能性がありますが、忌の場合は調子の乗り過ぎで、

身の破滅となる様な悪い事をしてしまったり、

無理のし過ぎで体調を壊したり 事故を起こす可能性あります。

日干が強い場合の喜忌の違いは、実行力・統率力・判断力・

表現力に違いがあり、運にもよりますが人気や理解の得られ方等に

違いがでます。又、日干類が強く忌の場合、強まって忌運での調候は

自身の勢いの強さで、自身だけでなく他人にも影響を及ぼし迷惑をかけるなど、

酷い状況となる事が多くても、日干が強く喜の場合は、

弱まって気力の衰えなどでの忌運の状況は、それ程ではない事が多いものです。

 

参考文献  平岡滴宝著 「新訳・滴天髄」 

 

( 子峰院 占い人・和珞 2019/04/25 )

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子峰院  和珞の鑑定例No70

( 子平学 四柱推命 運命学 )

この方は若い頃お勤めに行かず、家で好きな手芸ばかりしている御本人を案じて

御両親が平岡滴宝先生に依頼した人です。現在では御本人から御家族全員の

依頼を頂いております。「官星が無く、絶対に結婚できませんよ。

例え出来ても日支と時支の冲で結果は離婚ですよ」と、どの占術者にも指摘され、

滴宝先生の噂を聞いての依頼でした。

滴宝先生は勿論、結婚も可、離婚なしの結果を出しました。

それは大きな財の行方に有りました。今なら私もこれを読み解く事ができます。

 

( 命式・女性 )

倒   財 印    辛日の生まれPM11時過ぎで次の日を取る

庚ィ壬キ 丁キ 辛ィ    卯酉―冲   午子―冲 

子キ 午キ 酉ィ卯キ      壬1干0支 (1)

癸 丁  辛ィ乙     庚辛(月令・陰干)4,5干0支  (4,5)

            丁(強化の干合三倍)3干0支  (3)

  (A)日干・印5,5 対 (B)財3   丁=元機の干

 

用神取法は扶抑法( 内格 )印星は日干の4倍以上で「内格、忌の印星格」

※忌の印星格は基本、喜忌の付け方は印星と印星を強める官星が忌 

その他の通変星は喜となります。

喜の干=壬 癸 甲 丙(忌の辛を合去) 丁

忌の干=戊 己 庚 辛 乙(化金)

となりますが、良い時期であっても悪い事が、悪い時期がであっても

良い事があり、滴宝流では、それを依頼者にキチンと伝える事を

重要視しています。それには 細心な見極めが必要となり、

この命式での大運は下記の通りとなります。

 

< 命式での性格 >

日干壬は見た目鷹揚、行運でが忌で強まる事多く(下記説明)競争心は普通。

敗財が無く協調性や妥協性は弱い、忌の印星強く(依頼心強)他人を、

損得勘定(丁財)で上手く利用しようとする(自己中心型)

基本的考え方は、丁は庚辛を尅し名誉心()より財欲()が勝り現実派

晩年時干庚(倒食)は、その反対の可能性があるが大運は次の通りで

生涯財志向は変わらず。丁強く普段は朗らかだが、自身が不利になりそうな

時は、全ての干に地支の通根なく、後先考えず丁や庚を使っての感情表現。

その為人間関係がスムーズにいかず疎外感でプライドは傷つき、

食傷は無く他の人と比べ人間嫌いな面が多い人。庚は洗金、庚辛汚れなく、

手先は器用だが現在まで社会に出る事を嫌い、

それを生かす事は殆ど有りませんでした。

忌の印星の強い人は、批判心も強くなります。

 

< 命式の特徴と喜忌の付け方 >

〇この命式の長所は、月干元機の丁は強化の干合により3倍の喜の財である。

強化の干合は生涯変動が無く、何時までも壬の側で離れる事がない

「生まれた時から死ぬまで一緒!」この命式では、例え行運に変動があっても

喜財が忌財に変わる事はな。よって生涯財がついて回る人

※90歳からの丁運は、再び干合は起らずそのまま作用し丁財が強まり喜運。

〇年干辛が行運丙(大運では80歳)で合去の時期や、壬運(大運40歳)や

癸運(大運50歳)又は解冲解合などや水支運で壬を強める時期、

日干は印星の4分の1以上、忌の印星格ではなくなり命式は内格正財格、

そして印星・日干は忌(A が強く)となり命式の変動で忌運。

日干は忌での強まりは自己主張の表現力のまずさで、身近な人と争い事が

多くなるが依頼心などは軽減され▲の印を入れた。(丙運は別記)

壬水強まる時期は、喜丁財に壬水をかける様な状態で浪費により、

伴侶や両親に口実を見つけては「お金が足りない」と愚痴をこぼす事になる。

〇70歳から乙運は、時干庚と変化の干合(化金) 庚はそのまま、

乙は辛に変化し忌運。この命式では木気は0と弱く 

大運の喜の乙を強い金が尅す形は肝臓疾患の可能が出る

(化金であってもその様に考える)。

60歳以降100歳頃までの間、この時期は目立って悪く用心しなければならない

時期となる。また忌の印星金の強まりで大運木気(精神力)の酷い尅からは

痴呆症の可能性も出る。

木0  火3 

  土0

金3  水1

 〇80歳丙運の調候は、丙(財欲・大財)は年干辛(忌の印綬=印星=思考力・

智的、年干=この命式では両親)を合去。年齢は80歳!例えば、利財・投資

(印財)フッとした事から大財(丙財)を狙い投資を試みる、

その時の財源は辛(年干・親からの遺産残り)を充てるが、

大運は上記の通りで利益は思う程では無かったり、

間違えば損の可能性がある。よってこの時期の投資は避けるべき。

 

90 80  70   60    50 40   30   20   10 0

〇 △ ✓ 〇 ▲ ▲ ✓ ✓ ✓ ✓ 

丁   甲 癸 壬 辛 庚 己 戊     →(年運)壬癸甲辛(化金)丙

財 才 印 食 敗 比 印 倒 官 殺     ←天干の通変星

未 午 巳 辰 卯 寅 丑 子 亥 戌     →(年運)丁戊己庚辛

▲ 〇 △ ▲ △ 〇 ▲ ▲ ▲ △ 

解     解     解     解

 

< その他の大運は >

( 命式 )

倒 財印

庚壬丁辛    

子午酉卯    

  辛

〇0歳と10歳戊己の官運は、忌の印星格では忌運。しかし戊は元機の干丁財を

護丁の役目をして喜財は守られ、経済的には不自由のない家庭に育つ。

高校までの学生生活では成績も良い(洗金)方であったが、修学旅行や運動会には

出席を嫌い両親は学校と交渉して本人の意思を尊重した。

後有名私立大学に入学・卒業

〇25歳からの亥運は、弱い日干を強めた時期、相手に押し切られるかたちで

結婚をした。相手は大手会社若手の課長、一児を儲けた。

〇45歳からの寅運は、丁財を強めた時期親の高額遺産を受け取る。

〇60歳甲(食)運は、洩気で丁財を強め人生では最も良い時期。

〇65歳辰(卯酉解冲解合)運は、壬水を強め弱い土(腰の弱さ)を暗尅し

持病であるを悪化させ数回の手術をした。可動域には多少の問題は

でたが通常の生活には支障はなくなった。

※土気が全くなく体質の弱点で 以後も持病は免れない。

〇彼女は今年68歳、乙運(上記説明)を無事超える事が出来、

丙(上記説明)の心の誘惑を回避すれば、午・丁運は人生最高の運が

再度到来是非手にして欲しいものです。彼女はこうした運を知っています。

現在の医学向上とほんの少しの注意で、手に出来る事は間違いありません。

「人は、運命を知らずして!」

 

子平学・四柱推命の基本

    ↓

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 参考文献  平岡滴宝著 「新訳・滴天髄」 「神峰干支体象詩」

「子平学・四柱推命法深書」 「秘本 子平廣論」

 

( 子峰院 占い人・和珞 2019/04/20 )

 

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平岡滴宝著 新訳滴天髄を読む 天干論 ( 辛 ) 

    ( 子平学 四柱推命 運命学 )

滴天髄は明の時代、劉伯温氏が編纂され、その後多くの人達により、

註釈や訳本が世に送り出される事になった本です。

 

天干論 ( 辛 )

辛金は軟弱、温潤しかして清く、土の重なるを恐れ、

水のあふれるを楽しみ、社稷(しゃしょく)よく助け、生霊よく救い、

熱は即ち母を喜び、寒即ち丁を喜ぶ。

 

( 訳 )                               

辛金は庚の様に硬くはなく柔軟です。冬生まれでなく、丑や申の根を

持っていて、潤んでいる様な状態は壬をもつ命式と共に最も美しいものです。

しかし土が多すぎますと埋金(これは庚にも言えます。)と言って

埋もれたままになりやすく、良さを発揮され難くなりますが、

壬水が強くても、庚の様な沈金となる率は少ないのです。

特にレアメタル現象となる時は楽しみです。壬水が強い時、

戊がありますと壬水を制しながら土も潤い辛は生じられますし、

戊が強い時には、辛は戊を洩らして調節します。

そして丙辛の干合は甲木の枯を助けたりして、総合に良い関係が

生まれるものです。夏生まれの人は、辛は弱くなりがちですから

戊己の印星が良い結果となる様ですし、

冬生まれの人は、丁によるほのかな暖を期待できます。

 

( 追補 )

レアメタルとは、地球上最も産出量の少ない貴重な金属を言います。

簡単な例として、日干辛(1干0支)の官(丙)つき、従傷(壬)格の様なもの

指します。又冬生まれの辛金は気質がクールですから、暖(丙か丁)が

必要と昔から言われています。又レアメタルは己土を恐れません。

辛金は銀か金かがポイントでしょう。

丙戊辛の関係は、火尅金に対する通関神での好配合を意味します。

ちなみ社稷とは土地の神様を指しますから戊己の土を意味し、

生霊とは水の神を意味し、命式上では辛を中心とした壬を指します。   

 

< 和珞の解説 >                          

〇「レアメタルは己土を恐れません」と書いていますが、

己土を恐がらないのは レアメタルとなる辛だけです。

レアメタルとして1例記されていますが、その見極め方とても

難しいことです。普通の辛は基本、己土で汚される事を非常に

嫌います。例えレアメタルの命式であっても、必ずレアメタル

なくなる運が巡ってきます。(見極めるべき行運)         

〇上記では、冬生まれでない、申や丑を地支に持つ辛は、

潤んで美しいとされていますが、辛は申はともかく丑の根を嫌います

何故かと言えば、丑の蔵干は辛・己・癸、冬生まれでない丑の中の

己土は基本凍土ではなく、粘り気のある粘土の様なもの 

命式に己の透干あれば還流で己土はこびりついた状態 

たとえ壬の透干があっても濁壬で辛を洗う様なものだからです。

まして癸(辛のくすみ、そして湿金関係は汚れの付着を招く)の透干では

何の役にも立ちません。行運でも同じ事が言え辛の透干あれば、

丑の地支は命式には無い方が無難な命式になります(辛と丑の関係の悪さ)。

又 冬生まれの丑では、己土は凍土 癸は霜柱 辛は凍土に封じ込められ 

夫々の良さが発揮出来ない様な状態となります。                         

< 辛についての余談 >                      

※これ以降は、私和珞が現在の師に教わった事や、推命時に学んだ事を

主に書きます。

(辛と庚の関係)辛(かのと)は基本軟弱で柔らかいものに例えられ 

汚れる以外に、本来は心強い見方となる筈の「かのえ」兄である堅い庚から

傷つけられる事を恐れます。(側干・還流では、臆病・神経質)

日干辛の側干庚では、月干であれば働き盛りの前半や社会環境から、

時干の庚であれば晩年いじめの被害に合う可能性があります。

又どちらも世に出難い方が多くおられ、大運での庚運では同じ事が言えます。    

(辛と戊の関係) 戊と辛は相性が良く、戊山は辛が産出される場所で

(戊-印綬)は母親、又は家の様なもの、特に柔らかく弱い辛は

戊山に守られる事を好み 日干辛に月干に戊の透干があれば

社会環境に出る事を怖がりません。時干の透干では、月干次第で、

後に戊山が控えた気強さを見せながら社会環境へ出て行く(小さな犬が、

飼い主に連れられて歩いている様な) 家庭では、気に入らない事があれば、

自室に籠ったり、日中でも布団に長い間潜り込んだりするが、

必ず何事もなかった素振りで出てくる。印星の戊としてはもっと面白く

戊印星は知恵袋、辛に取っては大きな知恵袋である為、

何でも知っておく必要があり、特に身近な人達の興味の対象を

同じくする事が多く「雑学」に優れた人で、

(忌の戊や忌運など)に大風呂敷の状態で

間違った知識を提供しても平気な時がある(知ったかぶり)。             

< ちょっと難しいが推命ではとても大切な事 >                      

このブログを書くと同時進行で、平岡滴宝先生の虎の巻を書き写していると、

このブログに書こうかと迷う、また長くなるなと苦笑 

しかし書かなければ忘れる「書こう!」と決めました。                   

(滴宝虎の巻より)                         

「 〇命式は順すなわち吉(成敗より大切)                  

①辛 己 壬  ②辛 壬 己  ③壬 辛 己  

いずれも 汚玉 濁壬。    辛己に壬の行運も汚玉 」 

 

これだけの文面です。三つの並びは、辛が汚れるのか(汚玉) 

壬が汚れるのか(濁壬)見極めなさい、と言っています。

①は汚玉を濁壬で洗う ②は濁壬 

③は汚玉、丑や辰の地支では、還流で汚玉を濁壬で洗う状態になりますが、

丑は上記の如く、辰の場合、は丑の粘土くらべ粘り気がなく落ち易い土ですし

金をよく生じ辛に取っては悪い事ばかりじゃない地支と言える。

辛が日干の時、濁壬(正財)は財的な考えのずるさ。汚玉では、

(己・食神)名声的を落す様な失敗の可能性などを見ます。

己と壬の強さもポイントになりそうです。

同じ辛己壬の透干の命式と比べ、並び方が違えば性格は大きく異なる事や、

命式の元運(元亨利貞)の該当年齢での見極め、そして環境(実家・社会・本人

将来や子供)の見極めの必要性、これだけの少ない文に多くの

意味が託されています。命式は順すなわち吉(成敗より大切) 

この文は 己辛壬の関係は順生が良く 吉凶を見る事より重要と言っています。

③の形も順生ですが、己時 辛日 壬月と並ぶ方が月干壬の社会環境や、

元亨利貞は20歳から40歳の助けが得られる可能性がありますが、

大運順行の場合、30歳代では丙運強化もしくは化水運、40歳代壬と干合の

丁運が巡り働き盛り変動が大きく 逆行運の人が良さそうです。

辛はこの様に 干関係によって辛の状態を把握する事は、

大運で吉凶を見る事以上に見極める必要があると言っています。             

※夫々の干や支には役目があり、大運での変化では、当然ですが変化後の状態を

推命します。

 

参考文献  平岡滴宝著 「新訳・滴天髄」 

 

( 子峰院 占い人・和珞 2019/04/13 )

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