辛日、暖かく湿気あれば曇り

昔から良い・悪い命式のパターンが論じられるが、推命してみない事にはその

良し悪しはわからないと断言、この命式も「良い命式」とは決して言えません。

日干から財星は収入の効率を観る早道で干関係で観れば一目瞭然、

この命式は内格辛は喜 甲は忌になり辛(小刀)で甲(木)を尅さ(切る)

なければなりません。

この方は30代後半の相談、娘さんと二人生きていかなければならず、

辛が硬ければ少しは効率に期待が持てますが、それにも拘ってみました。

辛日に甲財は叶わぬ夢を見がちになり、

よく見極めなければならないと思います。

 

< 命式 女性 >

食   殺 財         辛1干3支 (4)

癸キ 辛キ 丁ィ甲ィ    癸1干1支 (2)

巳△巳△丑キ 寅ィ   甲1干1支 (2)

丙 丙 己キ 甲    丁1干3支 (4)  (月令)己

        日干4 対 食財官8 丁強く格名は、内格・偏官格

よってA(日干劫印)は喜 B(食傷財官)は忌となるが、

食殺の命式で食神より偏官(殺)が強く食神は喜 偏官は忌となる。

又食癸は、日干喜の辛を強い丁からの尅を軽減する役目

をもして干関係上でも喜。行運での喜忌は次の通りとなる

喜の干=庚辛癸壬(壬は忌の丁を合去)

忌の干=甲乙丙丁戊己

(戊は喜の癸を合去で忌 己は甲と化土喜忌変遷で忌)

内格偏官格の性格、偏官は強く忌の干、日干辛と偏官丁は、

数字的にはどちらも強く平均が取れ通常なら反発的な態度が表面的になるが 

地支との還流作用で辛は尅が強く自制心が効いた人で、

きちんとしたい、手掛けた事は長く続けたいが心情。

 

< 命式状態は >

〇寅と丑の関係は、蔵干は寅(甲・丙)と丑(己・辛・癸)は、

寅の丙と丑の辛は暗合。又 寅の甲と丑の己も暗合し、

暗合した蔵干の干を強める作用は弱いと観る。

よって丑の癸だけが残り丑は癸を強める。

結果日干辛は、丑の通根による硬さは期待が持てず、

巳2支の丁と辛の還流作用で辛を尅し弱めているため

柔らかさだけが強調される。

〇日干辛と月干丁の関係は、辛は強い丁に尅されいる為、

辛は1干3支でもかなり柔らかな辛である。そして 

丁火が強まる事への不安心や恐れでいつも心配事が耐えない状。(臆病・慎重)

〇日干辛金(本人)と月干丁火(社会環境)の関係は、丁火(社会環境の人達)は強く

上から目線の干渉をして辛を見下す。

相手は悪気はなくても本人はそう受け取る反発心を表面に表す事

は無いが月令は己の印星(倒食)の記憶力でその扱われ方を忘れる事はない

社会環境(丁火)のから 本人()の利用価値は

丁は明かりで辛は光輝き目立ちたいが心情、しかしこの命の場合

丁火の方が目立ち利用目的は引き立たせ役。(やるせない、むなしい)

虐げられている。 

〇日干辛と年干甲の関係は、柔らかい辛(ハサミや小刀)で、忌財甲寅を尅す

(切ってものにする)能力は、側干の丁火に洩気の甲木であっても低い

(成果を上げるのに苦労や低い報酬など)。又 財の管理能力が弱く

金品の紛失や盗難にあいやすく、統率力や干渉心も弱い人。

年干甲()と月干丁()の関係は 丁は1干3支 甲は1干寅1支 強い丁に、

甲は通根の寅の蔵干は甲丙で洩気(火がつきやす燃えやすい)しやすく、

丁を強めているため4プラスαの丁火はより目立つ

日干辛(本人)と時干癸(食神)の関係は 丑の蔵干は癸、よって時干の癸は

空気中の湿気、命式は暖かくその湿気による作用は、

鏡に息を吹きかけた様な状態で辛は曇る 癸は丁を弱める良い役割もしているが、

辛を曇らせ周り見えなくしたり、見栄えを悪くしたりして、辛の質を落とす

悪い役目をしている。辛が曇る象意は目先が見ない為の失敗と口下手

時干癸と月干丁関係は、癸は丁によって弱められている為、

癸の食神の表現力は弱く日干辛の質の弱さを含め口数が少なく大人しい人。

時干癸と月支丑の蔵干己(月令)の関係 丑は癸に通根し強めている 

又月令己は倒食(印星)記憶力で 弱い表現力で口を開けば記憶に残る

あれこれを語る(愚痴る)

命式の真ん中に線を入れると、月干丁は社会環境の人達の境遇、

丁は甲に強められ境遇に恵まれているが、日干辛本人の境遇は社会環境丁に

虐げられ、時干癸によって曇りり、恵まれている社会の人達に対し

自身は恵まれず「損な境遇」と思いが心の奥底に強くある人。

戊(山)は辛に取っては真干(山に守られる)しかし 行運の戊は喜の癸を合去で

真干として使えず、誰にも助けて貰えないと感じている。 

しかし命式は明るく(根暗ではない)暖かく(情があり優しい)

辛1干3支の強さは人生を乗り切る事ができ、なんとかなる人。

 

  < 大運 >

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

忌 忌 忌 喜 喜 喜 喜 忌 忌 忌

丙 乙 甲 癸 壬 辛 庚 己 戊 丁   甲乙丙丁戊

官 才 財 食 傷 比 劫 倒 印 殺

子 亥 戌 酉 申 未 午 巳 辰 卯   己庚辛壬癸

忌 喜 忌 喜 喜 忌 忌 忌 △ 忌

 

< 地支の喜忌 > 

命式の寅は忌の甲と丁に通根で忌。  丑は喜の辛と癸に通根して喜。

 巳は忌の丁に通根で忌。

〇亥・申=忌の寅と支合・冲で喜  〇子・未=喜の丑と支合・冲で忌

〇戌・巳=丁辛と通根し還流作用で辛を尅す役目で忌

〇酉=喜の辛に通根で喜   〇午=忌の丁に通根で忌 

〇辰=喜の癸と忌の甲に通根し△

(辰には水気が多く含まれ甲を育成、癸を還流作用で弱めないが年運に注意)

〇卯=忌の甲に通根で忌

 

< 大運は >

※癸丑の扱い方が複雑、癸水強まる時丁からの尅が多少軽減され、

日干辛(本人)は精神的に楽になるが 辛は一層曇り(命式上の暖かみで

湿気は辛を曇らせる)目先の利かない失敗が多くなる 

たとえ癸丑のいずれかが干合・支合・冲で無作用になってもどちらかが

作用し何時もスッキリと晴れない状態である。

※甲木や丁火を強める運は 精神的に苦しい時期となる。

〇若い頃は、トラックの運転手の経験あり。

〇大運亥の25歳から29歳の間に結婚、女児に恵まれる

〇大運30歳甲運で離婚、伴侶は干渉心強く時に暴力を受ける事もあり離婚、

しんどい相手だったと。丁の殺は女性に取っては伴侶にあたり当然。

離婚後郷里を離れ大阪へと

〇戌運最後の39歳の年、人間関係の煩わしさから職場を転々とする。

子供さんの世話が少なくなり再度トラックに挑戦しようかとの相談。

自身でもトラックの仕事に一抹の不安を抱えている様子で、

子供さんと2人の暮らしは頼れる身内も親しい人もいないとの事だった。 

〇40歳からは喜運に入るが、40から44歳の癸運は上記の通りで

辛の曇りは強めまる 

〇45から49歳の酉運は 辛に通根で気力の充実

〇50から54歳は壬(印綬)運 丁(殺=偏官)を合去 甲(正財)は日干の側干に 

自身の知恵で財を尅し地位を上げて行く運 丁が合去で精神的に楽になるが

丁の尅がなくなれば辛の切れ味は多少良くなるものの 

甲木も丁の洩気が無くなり丈夫で 仕事の苦労は以前と変わらず

日干喜の辛の人は本来壬運は人生にとって

一番良い時期となるはずですが合去で調候用神として使えず

〇申・辛運は精神的には楽な時期となる。

〇70歳の庚運は喜運であっても、それまでは辛を使っての生き方が

突然劫財の庚を使って(鉈を振り下ろすような)の生き方になり 

事故やケガに要注意の時

〇80歳己運は 年干甲と化土運 年干甲は戊に 大運はそのまま 

印星運で喜忌変遷運月令は己 命式は内格印綬格 土は丁にだけ気が向かい 

護丁で精神的には楽になるが内格印綬格 印綬は忌でお喋りになり

愚痴の多い人となる可能性。

〇90歳からの戊運は 時干癸を合去で体調を壊す恐れ。

 

< 体質は五気で観ました >

木気=甲寅―2   火気=丁寅巳巳―4

    土=丑と月令の己―2                         

金気=辛丑巳巳―4  水気=癸丑―2

五気は平均型で健康的、命式上、金が火に尅され呼吸器がやや弱い程度で

丈夫と言え。命式の良さにあげられる。  

 

< 相談への返事は >

対人関係は 相手の悪気を詮索するよりも受け取り方を180度も変える

必要はないが わずか45度程でも変えられれば自身が楽になり 

又 ヨイショ・ベンチャラは駄目、自身が惨めに思えてくるからと伝える。

(彼女涙ぐみ)辛の曇りと晴れることのない行運によりトラック運転手は

勧められず、又 金銭に係わる仕事も良くないと伝える。

推命内容のそれぞれに心当りがあると色々話してくれた。

子供さんの為にも推命を参考に仕事内容を検討したいと、

この方も占いのはしごをしていたが「それはもうおしまいにします。」との事 

年運の取り方を丁寧に教えて終わりにしました。

子平学は一回限りの推命で充分です。

 

 

( 子峰院 推命士・和珞の鑑定例 No39 2018/05/31 )

 

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