この命式、注意喚起を促す時期は何時?

 平岡滴宝著 子平学、四柱推命法深書より、推命丙日の命式です。

滴宝先生が生前依頼を受けた命式です。

この方は47歳の働き盛り心臓麻痺で命を落としました。家庭では大黒柱、

家族は生活の糧を失ったわけです。突然の事でもありました。

奥様は普段は元気で仕事をこなしていた伴侶の事が信じられないでいました。

滴宝先生の噂を聞き、その謎を解明して次の人生に向かいたいと望んでの

鑑定依頼、滴宝先生は、納得して頂く為の鑑定を果たしました。

 

 < 命式 男性 9年運 >

時 日 月 年

官   財 食    丙1干 寅午巳3支 (4)

癸ィ丙キ 辛ィ戊ィ   戊1干 0支 (1)

巳△午キ 酉ィ寅キ    辛(強化三倍・月令)4,5 酉巳2支   (6,5)

丙 丁 辛ィ甲     癸1干 0支  (1)

 

日干4 対 食財官8,5

 

命式中の干と地支の喜と忌の付け方

用神取得法は、Aグルプ(日干印比劫敗日干を強めるグループ)が4

Bグループ(食傷財官=日干を弱めるグループ)が8,5

外格の範囲でなく 用神取得法は内格扶抑法、辛財が強く 内格・正財格

内格扶抑法とは、AとBのバランスを重要視する方法である。

よって命式ではAが弱く喜 Bが強く忌である、日干は喜 食財官は忌 

寅午は日干(丙)だけに通根で喜 酉は財(辛)に通根で忌 巳は日干(丙)と財(辛)に

通根で△となる。

大運の干の喜と忌の付け方

甲乙丙丁が喜、戊己庚辛壬癸甲乙が忌となるはずが

喜の干=甲乙丙丁癸戊 (癸は忌の戊を合去で喜。戊は忌の癸を合去で喜)

忌の干=己庚辛壬 となる

 

< 大運 >

 9 19 29 39 49 59 69 79 89 99

忌 喜 喜 喜 喜 喜 喜 忌 忌 忌

壬 癸 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛   →年運 丁戊己庚辛

殺 官 倒 印 比 敗 食 傷 才 財

戌 亥 子 丑 寅 卯 辰 巳 午 未   →年運 壬癸甲乙丙

忌 忌 忌 忌 喜 喜 喜 △ 喜 忌

 

大運地支の喜と忌の付け方

戌=辛戊丙に通根し、忌を2、喜を1増やし忌 

寅午=喜の丙に通根し喜  亥=喜の寅と支合で忌  子=忌の癸に通根し忌   丑=忌の戊辛癸に通根で忌  卯辰=忌の酉と冲・支合で喜

巳=忌の辛と喜の丙に通根して△ 未=喜の午と支合で忌

※丑辰未戌は三気を受け持ち、よく見分ける事が大事となる。

 

< 性格・私の虎の巻きより >

〇丙(日干)喜で強く=一見は落ち着きがあり平和的、一途で自己顕示欲、

自尊心が強い 敗財が無く協調性や融通性に欠ける。

〇丙辛(忌の正財で強い)=干渉心強く、負けず嫌いで諦めが悪く無理をしがち、

辛(月干の社会環境、仕事仲間や部下、取引関係等)の方が強く目立つ存在で、

利用されたり、裏で馬鹿にされたり 時に目聡く気付けば自尊心がひどく傷つく。

〇丙癸(正官・癸は根無し)=癸は弱く自制心は殆ど無く、人の意見や忠告を聞き

入れない、上司や目上の者に対しての忠誠心も少なく外見は取り繕うが本心は

馬鹿にしがち 行運で地支が癸につく時は反発しがちになり 

地位に差し障りが起こる場合がある。

〇戊(忌食無根)辛(忌財強い)=戊は無根で土生金の作用あまり無く

利用価値がない為 普段はマイペース型だがチャンスの時を(戊に地支がつく時)

伺っている。戊に地支がつく時は望みが大きくなり 

無理のし過ぎで一切が泡に消える可能性あり。

 

< 大運では >

〇この方は大学を卒業後 ある企業に就職し 大運は44歳からの丑運 

47歳年運は乙丑年 主張先で心臓麻痺を起こし亡くなりました

丑は大運、年運ともに戊辛癸2ずつ合計6強め、命式は大きく変動。

本文には「乙(草花)は丙(太陽)を強めず、乙は喜の印綬で、社会的な地位など

には有利ですが丙を強めません。」とある。

(若い頃は五気、和やか、など考えこの時期に生命に係わる事を見抜けなかった。

しかし「いつの時も基本を忘れてはいけません見間違います。」と指摘を受け、

勉強になり、忘れられない命式の1つである。)

丑の蔵干己土は凍土、しかし巳午寅の地支や丙の透干は、凍土を解かし暖める

そうした丑に支えられた戊土は柔らで暖かく辛を強める(土生金) 

丑癸も暖められ止めども無く天に昇り霧から雨雲に、

丙(本人)は強い忌辛財を尅そうとしても雲は邪魔をし、戊は辛を守り育て、

丙はあせり我を忘れて無理の重なりが原因と推命した。命式では戊も癸も無根で

あったが、地支が通根し根を持つことは1支以上の意味で強まる事も忘れては

いけない。丑は行運での「毒」であると考える。

大運は 丑運が過ぎれば49歳から78歳まで30年間もの間喜運が続き 

社内では評価され高い地位に就く可能性がある。 

〇69歳からの食神戊運は、忌癸(正官)を合去し喜運 社内に高い地位で残る事を

望まれた可能性。

〇79歳からの己運(傷官)は、地域貢献などを試みてもその行動性は、

お節介が過ぎて嫌われる恐れがある。

〇89歳頃より 経済的に苦しい時期 命の問題も生じる時期となる。

こうして 丑運を回避できたなら地位に恵まれ 

人並みの喜怒哀楽を充分に楽しむ事ができたはずで、残念です。 

※丑運は人生の分岐点、占術者はこの命式での丑運は注意喚起を

怠ってはいけない運です。又命式の喜忌を間違えれば、

運命学として、注意喚起の時期を見逃してしまう事になります。

  

< 干合や月令計算について >

絆神強化の干合とは

干合の内、日干と月干、日干と時干の関係を言い 

変化とならない場合を言い、日干の強さはそのまま 

月干ないし時干は三倍の強さとなる。

組み合わせは、甲己(土)。乙庚(金)。戊癸(火)。壬丁(木)。丙辛(水)

( )内は月令で 変化の干合で使用。

 

変化の干合とは

干合の組み合わせと月令の組み合わせで、天干が陽干なら月令同気の陽干に、

陰干なら月令同気の陰干に変化する。 変化の干合は最優先される。

例えば側干甲己で 月令が戊か己の場合 甲は戊に 己はそのままと言うように 

又、戊癸は月令が丙丁のどちらかであれば 戊は丙に、癸は丁に変化する。

どの干合も側干が条件で、同じ組み合わせが重なる場合は、

月干と日干の干合が優先される。

 

合去の干合とは

年干と月干の干合の組み合わせで 変化や月干と日干が強化の干合とならな

場合、年干と月干は合去の干合となり無いものと同じ扱いになる。

※干合は一生続き解ける事はない、又、大運の干とも同様の干合が起きる。

 

月令計算の仕方

天干が陽干で、月令が同気で陰干の場合、天干は三倍の強さになる 

又 月令が同気の陽干の場合、天干は二倍の強さになる。

天干が陰干の場合、月令が同気の陰・陽干どちらも、

天干は1,5倍の強さになる。

※大運の干でも月令と同気は同様に計算する。

※こうした計算を基本通り間違いなく出す事によって 大運吉凶の程度を

推し量る事が可能となる。

 

( 子峰院 推命士・和珞の鑑定例 No43  2018/07/03 )

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