子峰院 和珞の子平学・四柱推命の鑑定例No84

「禍福は、糾う縄の如し」

 この様な人はどんな命式の持ち主なのか、興味が湧いての推命となりました。

生時は十三通りで大運を出し、本人の人生としっくりくる時間をあて(時間推定)

推命、勉強させて頂きました。とても興味深い命式になりました。

 ある問題で、多くの国民にその名を知られる事となった国税庁長官まで勤めた

方です。ある学校法人に、国有地を不当な値引きで売却引き渡し 

背任容疑や取引に関する文書改ざんの有印公文書変造などの 

容疑で告発され不起訴になり多くの人の怒りをかい、

マスコミを日々騒がした人です。

   子平学 四柱推命 運命学

 

< 命式・男性・時間推定 >

時 日 月 年     冲・支合・干合なし 11月初め季節変わり  

印 比 倒 財     酉戌=害 午丑=害 大運では冲合の成立無し

辛ィ壬ィ庚ィ丁キ    壬1干丑1支 (2)

丑ィ午キ  戌△酉ィ    庚辛2干酉戌丑3支 (5)    

己 丁 戊キ 辛     丁1干戌午2支 (3)    

 

   A比印7 対 B財3  

用神取法は扶抑法(内格)  格名、内格偏印格(辛より庚が強く)

A(比敗印)強く忌 B(食傷財官)弱く喜

喜の干=甲乙丙丁戊己   忌の干=壬癸庚辛

酉戌・酉丑=金の半合 午戌=火の半合 

 

半合とは、三合や方局の内四専(子卯午酉)があって、1支が欠けているいる

組み合わせを言う。例えば子丑 子辰 酉戌 卯亥 午未のようなもの

(必ず専支がある)

「主に隣同士に並ぶものです」と滴宝先生の著書に書いていますが、

私は側支でなくても命式にあれば半合を意識します。何故なら欠けている

1支が運で揃えば会局や方局になるからで その場合は支える天干が急に強まり

命式は大きく変動や、年運にまで注意を要する事があるからです。

勿論側支の場合は、必要あれば推命内容に取り入れますが 

内容は命式によって異なります。

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 < 命式特徴と性格 > 

命式の特徴としては、日干を挟んで日干よりもなり強い陰陽の印星。

強い忌偏印の側干にそれを制する喜財。月干庚に時干辛の透干。庚偏印の質。

辛と庚の関係について、同じ金であっても辛金は庚金より柔らかい物に

例えられる。この命では、庚は月干(社会運)にあって働き盛り特に影響強く、

庚は辛より強く印綬より偏印の性格が強く出る為、格名は内格偏印格とした

月干庚は錬金に近いものがある。丁が側干(鍛錬)にあり戌丑の地支は理想的な

組み合わせである。錬金になるには丁火を安定させる溶鉱炉の戊が

必要であるが、月令には戊があり錬金に近い。

この方が本当の意味での錬金になるのは戊運である。

※錬金の条件は、庚の側干か還流の丁 夫々が錬金に相応しい強さがあって

質良く程好い強さの戊土と 地支の組み合わせが絶対条件 

忌であっても喜運には発揮される喜なら尚良い、地支は戌丑の組み合わせが

最高で、象意は頭が切れるで、この命では印星の錬金、

頭脳明晰や物事の対処の俊敏性等。

忌の庚偏印を尅す側干喜の丁財と並び方は良く 双方の良さがでる為喜運では

世渡り上手で自信家。交渉好きであって才あり。

庚の偏印は月干 (社会環境) にあって、可愛がってくれる筈の目上人で

上司の様な人、壬をよく生じている、又日干(本人)壬は庚を洗金して

上司の持ち上げ上手で、持ちつ持たれつで関係は深い、

しかし月干庚は時干(将来性)の辛を虐めている為、

壬(本人)は社会官環境の上司の使い走りの様な存在だけでなく、

その上司によって将来を台無しにされる可能性(この象意は、

庚が日干壬より強い為)。日干壬よりも庚辛の忌の印星が強く 

性格は有名になりたい、賢く思われいたい等の

野心があって批判心も強く 議論では人には負けない自負があるが、

壬より社会環境の庚の方が強く二番意識が強く負けず嫌い。

一番になったと思え満足できる時期は、

月干の庚が合去となる乙運(50歳)である。

夫々の干に地支多く印星の透干は、度胸あって肝っ玉の据わった人、

物事に対して顔色を変える事無く慌てず騒がずの人。

 

< 大運 > 

100  90 80  70 60 50  40 30 20   10

✓ ✓ ✓ ✓ 〇 〇 〇 〇 〇 〇

庚 辛 壬 癸 甲 乙 丙 丁 戊 己    (年運)→丁戊己庚辛

倒 印 比 敗 食 傷 才 財 殺 官    ←大運の通変星

子 丑 寅 卯 辰 巳 午 未 申 酉    (年運)→壬癸甲乙丙

✓ ✓ 〇 △ ✓ △ 〇 〇 ✓ ✓

  

< 大運は >          

〇10歳己運は喜運だが、庚辛は湿金で汚金に繋がり、壬は濁壬になる運でもあり

幼くして父親を失っている。

〇20歳戊運(錬金の時期)は 二浪して東京大学入学そして卒業 大蔵省入省、

その後はとんとん拍子の出世街道と言われているが、

それなりに苦労は大きかったと思わる。

〇50歳の乙運は、月干の忌の庚を合去で喜運。忌であっても錬金に近い

庚が無作用となれば繊細さや緻密な賢さは半減 

日干壬の側干となった喜の丁財は強化の干合で三倍に、丁は辛より強くなり

格名は、内格正財(喜)格、ワンマン的干渉 と印綬強く楽チンコースで、

顎で人を動かすタイプとなるが、運での作用はその様な地位に就き、

内格バランスが取れた喜運で昇進。

丁財の財源は大きくかなりの昇給があったものと思われる。

〇55歳巳運は、喜丁と忌金を強め△、日干はおいてけぼりで精神的に

落着きの無く迷いの時期、決め難いが倒食の庚に背を押されて

決定する可能性。

大運の終り頃に学園との売買契約は締結

〇60歳甲(食神)は喜運しかし無根、60歳の年マスコミは徐々に

この問題を取り上げるようになる、

この数ヶ月後に多くの人の反発に合いながらも昇進。

上司からの忖度があったのか無かったのか?

その後退職金の減額が決定 依願退職する。

何故喜運にこのような事になったのかと考える、行運は命式を巡り 

甲は丁によって弱まるが丁は強まる、庚から切られ、壬に浮かされ、

辛には傷つけられと、滴宝先生はこれを「却っての干」などと独り言を仰っていた

事を思い出す。事の重大さや多くの人の反発に合いながらも 

何事も無かった様に終結 期待薄だがやはり喜運。

退職金は減額されたとか?それを見越しての昇進だったのか、

それも定かでは無い。この様な運ではよく見極める必要。

〇65歳以降は 忌の比肩や印星を強める運が続き、忌の印星強く

生活水準は落とせずに経済的には徐々に逼迫の恐れ、プライドや自尊心は

満たされない状態が長く続く可能性。腹立たしさと後悔の繰り返し。

性格は理屈っぽく批判心も強い 敗財の透干や食傷は地支も無い性格は、

一般人との団体生活は折り合いをつけ辛く、孤立した生活を好む可能性がある。

くよくよ考えた挙句後悔、屈辱感に一人苛まれる恐れ、

しかし破格や喜忌逆転の現象は起らず、命式に変動が少なく本人次第でしょう。

 

( 最後に )

この時期にこんな運が欲しい そうした事が的確に人生の内 何度も訪れた

幸運の持ち主と言えそうですが、働き盛りの運とそれ以降の運には

落差が大きく、晩年は忌運で結果的には不満の人生。

ちなみにこの様な大運の流れの方は、家族縁に恵まれ難いと

滴宝先生は著書で仰っています。

あくまで生時推定で勉強させて頂きました。

こうした勉強は、後の鑑定に必ず参考になります。

 

 < 子平学・四柱推命の基本 >

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 参考文献  平岡滴宝著 「新訳・滴天髄」 「神峰干支体象詩」

「子平学・四柱推命法深書」 「秘本 子平廣論」

 

( 子峰院 占い人・和珞 2019/12/24 )

 

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