子峰院 和珞の鑑定例No85

 推命は、命式や大運の特徴を捉えて取り掛かる事になりますが、

その方法は何時も違います。今回の命式は大運と年運に特徴があり、

ノートでの下書きはそこから始めました。ノートをめくれば面白い事に、

比肩甲は3干透干に対し、丙の食神が年月時で透干場所が違う

命式が幾つか見つけ、 

当然の事ながら推命内容が全く異なっていて仕事中に係わらず

読みふけってしまいました。

子平学 四柱推命 運命学

 

( 命式・男性 )    1964年生まれ

時 日 月 時    子月生まれ(月令癸) 季節冬

比 比 食 比    戌辰―冲   子辰―半合(申で水の会局になる)

甲キ 甲キ 丙キ 甲キ    3干辰1支 (4)    

戌 辰 子ィ辰キ     丙1干0支 (1)

戊 戊 癸ィ戊 

※A(印比肩敗財)=壬癸甲乙  B(食傷財官)=丙丁戊癸庚辛 

A比肩4 対 B食神1 

AはBの三倍以上で、用神取法は専旺法(外格) 

格名は、外格弱従旺 (Bが1強まれば破格)

基本Aの印比敗が喜の干となる筈ですが  

丙は太陽に喩えられ、喜の甲木を逆生する為喜の干となり、

壬癸(水)はAであっても冬の弱い喜の丙を弱める為忌となり、特殊な命式である。

よって喜の干は、甲 乙 丙

   忌の干は、丁(甲木を洩気で弱める) 戊 己 庚 辛(化水) 壬 癸

良い=喜=〇 悪い=忌=✓ 現状維持=△

 

< 命式と性格 >

 日干甲は冬木 月干に丙の透干があるが0支と弱く物足りなさがあるが、

根に長養堪培(意味の一つに、丙の太陽や水がなくても物をよく育成する)の

辰を持ち比較的元気な甲木である。

甲の比肩は3干と多い割に根は1支で冬木の負けん気の表現方は、

気持ちの割には大人しく、自身より弱い人や親しい人にはやや大口気味、

やや内弁慶の傾向、しかし辰の蔵干乙喜の敗財を使い柔軟で協調性を見せる。

その上、冬の丙(太陽)食(サービス精神や行動性)としては無根で他人からは

物足りなさを感じられ、いざと言う時には何事にも逃げ腰になるのが、

運での助けは大いに役立ち暖かな心根と共に良い言行表現が発揮出切きると推測。

(※比肩が1干3支と比肩3干1支では数字的に同じでも 性格はかなり違いが出る為

日干以外に比肩が何干かある場合は多いと言い、

根が複数の場合は強いと言い換えています。)

従旺格で最終的には、月令は癸忌の印綬自身が楽に(自己中心型)なる為

丙食と癸印のチャンスを伺う目立たずに待機は、

この方に取って人生の課題で生きる目的と言えそうです。

3干と多い比肩に対し制や尅が全く無く、逆生の丙食の透干で自由思考

「何とかなる」と言う考え方は、

一つの職場に落着き難く将来のことなどあまり気にならない

気ままな性格でも、弱いながら37歳庚根無しの偏官運、

将来が気になったのでしょう「主に仕事面でそれと健康等」との依頼があり、

仕事については、鑑定の結果と本人の経験や希望を考慮に

意見交換の末その対策法を伝えました。

 

< 命式と大運の関係 >

従旺格は比肩が強くなれば強くなる程良く、

水は月令にあって水支の子辰が2支と事足りて、

これ以上の水は湿寒冷を強め甲木の成長の妨げになる。

むしろ暖照を求める命式で、丙(丙=太陽)が強くなれば甲木は大きく成長する為

Bグループであっても丙は喜の干になる。

二丙(天に両日なし)は良くないと言われるが無根(0支)の冬の丙は弱すぎる為、

丙運は喜運となり大運や年運で重なったとしても悪くは無い。

丙に通根の地支運は良く、寅や未等の様に丙と甲の両方を強める時期

特に良くなる。又丙が強まりはBが増え本来なら破格 

しかし数字的には表れないが甲木もよく育ち問題はない。

又辰は水支であっても3干の甲木を支え(通根) 

暖かく甲木を育成する地支であり、

無根の丙と共に冷たい命式を救っている為冲支合の運では、

よく見極めの必要がある。月支子を冲合で無作用にする時期は、

命式の冷を救い良くなる。

 

< 大運・男性逆行 > ※45歳辛運は化水 丙は壬に辛は癸に変化

95 85 75  65 55   45 35 25 15 05

〇 〇 〇 ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ ✓

丙 乙 甲 癸 壬  庚 己 戊 丁    (年運)→己庚癸壬癸

食 敗 比 印 倒 印 殺 財 才 傷    ←天干運の通変星

戌 酉 申 未 午 巳 辰 卯 寅 丑    (年運)→甲乙丙丁戊

✓ ✓ ✓ 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇

辰 辰     子     解   子   ←冲・支合する命式の地支

                     (解)は解冲解合

< 大運は >

〇5歳丁運(傷官)は甲木を洩気し忌運、しかし甲辰は湿木、

丁は無根で洩気は少なく被害は少ないが破格。

〇15歳戊運忌の財運は辰が通根で破格 しかし強い甲木が戊土を尅せる。

時期的に進学、学費は嵩むが本人の頑張りで高校進学の望みは叶う

(3甲の負けん気)

可能性。月令は癸の印綬、対面を保ち負けず嫌いな性格は大学を希望するが、

年運辛の化水運が邪魔をし希望を拒む恐れ。 

〇25歳己運は、年干喜の甲を合去で忌運そして破格。

〇35歳庚運(偏官)は無根、元気で多い甲木とでは傷つくのは

忌の庚金(刃こぼれ)、しかし破格。

〇45歳辛運は、月干丙と化水、丙は壬に辛は癸に変わる月令は癸 

壬は3倍 癸は1,5倍、そして辰子が通根。命式に太陽の暖照が

無くなった冬の冷たい水は、辰でも救えず体調を酷く壊す恐れ、

人生で一番辛い時期の可能性。

〇55歳や65歳の壬癸運は月令に旺じられ 

壬は3倍癸は1,5倍の強さになる。年運で申が巡れば子申辰水局となり、

辰が獅子身中の虫の可能性が出てくる。推命は慎重を要する。

大運の地支運では、子を抜いたり、甲を強めたり、

丙を強めたりと良い運に恵まれ、年運も喜運に恵まれている。

天干運でも庚運までは、上記の説明の如く忌運でも大して

悪く無さそうですが忌運、年運は己庚癸(化水)壬癸の忌運が巡り、

特に化水から壬癸の水運は、忌運の重なりで辛い時期となりそうです。

(※年運の天干運は2月の節日より8月の節日前日、

地支運はそれ以降次の年の2月の節日前)

そうした忌の天干運から喜の地支運と五年毎交合に、

浮き沈みが激しい期間が75年間も長く続き波乱万丈形と言える。

こうした人の性格は感情の起伏が激しくなる。

〇75歳以降は、其反対で喜の天干運に年運は忌、

地支忌の地支運に年干は救干で巡り、

申運で水支が会局となる時は、年運で水運が巡らず救われている為、

それまでと比べれば随分穏かな人生となりそうです。

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 (再び命式・男性)  1964年生まれ

時 日 月 時    

比 比 食 比    

甲キ 甲キ 丙キ 甲キ        

戌 辰 子ィ辰キ

戊 戊 癸 戊 

3干の甲の競争心は、日干甲(自分自身)と年干とは離れて憧れ

時干の甲には対抗意識と感情豊かで生涯に渡り、

父親や子供にもその意識は向けられる可能性がある。

夫々が似た者同士で、甲木は同じ価値感を持ちながらも折り合う事は少ないが、

根は辰で柔軟さや辰の蔵干には乙敗財(協調性)があり、

それを露にする事は無いでしょう。

波乱万丈型、困った時に助けてくれるのは年支の(辰)母親、

蔵干は戊偏財で特に経済面で、元亨利貞は年日時干に通じ生涯に渡って

援助があるでしょう。

(有情の戌辰(暗蔵財)の冲や年支辰が命式に喜で

働き母親は財を残す可能性。この有情の冲には多くの良さがある。)

 

< 結婚について >

日支(伴侶)は時支戌と冲で無作用となっている。忌の財運を救っている

有情の冲で結婚思考もチャンスあるはず(財も伴侶を意味し)、

時期は年齢を考慮に入れて次のように見た。

己運は年干(父親)を合去し、父親から独立して新しい家庭を築く可能性。

寅辰運は日干を強めそのチャンス、特に寅運は上記の通りで良い。

又卯運は、戌辰冲を解き解冲解合、戌は丙に、辰と卯は甲に通根して喜運。

命式の温度調節や、卯に辰2支は相手が最も欲しくなる時期で 

既婚なら違った面での問題が生じる可能性。

この四つの時期で、己運は忌運にあたり結婚は避けた方が無難、

甲丙共に強める寅運が一番良い時期になる。冲や合で日支が寝ている命式は、

結婚は不可能と言われるが 

現実に多くの方が結婚されていって現実には使えない。

しかし日支の冲合は不安定で離婚の可能性があり、

そう言った意味でも一番良い時期に結婚する事はリスク回避に繋がりそうです?。

彼は男性としては早い時期でしたが

寅運で結婚 辰運は年運の戊で離婚をされています。

推命を参考に今後の人生設計・計画を立てたいと話してくれました。

 

終わりに

この命式の場合、大運はさほどに悪くは無いけれど、

年運に翻弄されている命式と言え、

年運の作用まで見極める重要さを教えてくれています。

反対に大運忌運での年運の救干は「ホンマ天子!」

 

sihoin-waraku.hateblo.jp

 参考文献  平岡滴宝著 「新訳・滴天髄」 「神峰干支体象詩」

     「子平学・四柱推命法深書」 「秘本 子平廣論」

 

( 子峰院 占い人・和珞 2020/01/31)

 

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