今年38歳となる男性、三年ほど前の依頼で、主な内容は「結婚の可能性と
その時期」についてでした。子平学、四柱推命は通変星の強さによって
性格など見ていきますが、特に子平学は干関係の象意で推命を進めて行きます。
この命では庚印は沈金です。沈金は程度によって性格や考え方に違いが出ます。
沈金は不利な事が多いのですが、長引く忌運を、悪足掻きをしない良さが
支えています。又、夏でありながらの癸水、雨の強さにも特徴があります。
< 命式・男性 >
時 日 月 年 亥申―害
印 比 財 劫 生月6月 月令―丁 季節―夏
庚ィ癸ィ丙キ 壬ィ 壬癸2干亥申2支 (4)
申ィ亥ィ午キ 戌キ 庚1干戌申2支 (3)
庚 壬 丁キ 戊 丙(令三倍)戌午2支 (5)
※同気の月令計算は 天干が陽干 月支蔵干(月令)が同気の陰干の
場合 天干は三倍の強さになる。
Aグループ印比劫7 対 Bグループ財5
用神取法は扶抑法内格 格名―内格正財
A(比劫印)が強く忌 B(児財官)が弱く喜となるが、
( 行運での喜忌 )
忌の干=壬・癸・庚・辛・戊(化火)・己(濁壬)・丙(令、喜忌変遷)
喜の干=乙・丁 甲=△(浮木、年齢を考慮)
< 命式は >
日干癸水は、亥申を還流して壬水を強めている。季節は夏、地支には戌午があり
暖かく湿気は立ち上り雨雲を強めて厚い雨雲で丙(太陽)に負けていない。
雨雲の上の丙の輝きは、厚い雨雲によって壬(海・湖)には届かず光輝相映の良さは
望めない(暗雲遮日)。時干庚は、申(壬の門戸)を還流して壬を強めている
癸水にも強められた壬は深く庚鉄は沈金。
< 性格や価値観など >
日干が癸で劫財壬の性格は地支も強く表面的には壬の劫財で、本質は癸の日干で
社会生活を送り本心をあまり出さない、外見は愛想が良いが壬癸強く内剛。
幼少期の環境を大事に思い、年干壬は日・時支まで通根して生涯幼少期の頃の様な
環境で過ごしたいと思っている(生きる目的)。
この命での日干癸と丙財の象意は一口で言えば保守的で変化を嫌い、
人間関係は慎重、物を大事にして長い間使うなどの様に倹約家。
壬水の強さと庚の強さを比較すれば沈金の度合は強く諦め(諦めが早い)。
強く激しく降り続く雨は静かであっても働き者で、特に忌運では質に拘らず
出来る事ならどんな仕事でもする人。
どの様な仕事をしても卑屈にならないところに最も良さがある。
癸と丙は激の関係 大人しいそうに見えるが、理不尽に扱われれば激しく怒る。
しかし他の干関係上で暴力を振るう事はない。
精神的な苦しみは、忌の保守的と協調性の間(はざま)であれこれと
悩むところにあり、結局は激と比肩の強さで保守的な思いを貫く人。
(もう一度命式)
印 比 財 劫
庚ィ癸ィ丙キ 壬ィ
申ィ亥ィ午キ 戌△
丁キ
< 大運 >
※亥申-害 巳寅運では冲・合の関係は起こらない。
※20歳戊運は 月令が火(丁)で日干癸と化火 癸は丁に 戊は丙に変化
100 90 80 70 60 50 40 30 20 10
✓ 〇 △ ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ 〇
丙 乙 甲 癸 壬 辛 庚 己 丙 丁 →(年運)壬癸甲乙丙
財 食 傷 比 劫 倒 印 殺 劫 才 ←大運の通変星
辰 卯 寅 丑 子 亥 戌 酉 申 未 →(年運)丁丙己庚辛
△ 〇 ✓ ✓ ✓ △ ✓ ✓ ✓ ✓
戌 戌 午 午 ←冲・支合の命式の地支
※忌運続きだが、喜忌変遷や破格の時期が少なく忌運であっても大した
事が無いと思われる。比劫や印星の強まる時期は、人間関係で自己調節に苦労が
あると思われるが、意に添わない単純作業の様な仕事で面白味が無かったと
しても、仕事は常についてまわり経済面の苦労は少ないと推測。
〇しかし 15歳からの未運は、火の専支喜の午支合で無作用にし、20歳の戊運は、
日干癸と変化の干合(化火)で青年期は、勉学にはかなり影響が出たと思われる。
< 経済面について >
月干丙、喜財は月令に旺じられ年・月支が通根 強い日干とのバランスが取れ
元運は40代頃まで大きくついてまわり心配は無い。本人は働く事を嫌がらず
倹約化家で実家の援助などもあって50歳ごろ迄の蓄えはかなりのものと推測。
〇50歳からの辛運は、年干丙財を合去 内格破格で日劫印の外格となり財を
失っての大きな変動となる。温もりは月令にあって病気は考えられず、
自身の事故や子供がいれば子供の事での出費などの予測が出来る。
その後、80歳頃までは水を強め、又は子運は火を弱め、全体的には火(財)を
弱めて出費が続き、節約の度合は増して精神的な苦労に繋がる可能性。
〇80歳以降は、倹約精神の成果で経済的苦労は少ないと推定。
〇100歳の丙運は、二丙(月令6倍の強さ)となり年齢的にも
体調を壊す時期と推測。
< 結婚の時期について >
この命式の場合、男性で結婚時期は喜財を強めたり、日支が冲・支合で動く
時期などで見ますが、大運ではそれが見当たらず、
年運の丁や寅の歳が良いでしょう。
< 結婚は? >
水と火のバランスが取れ、財星の透干や家庭重視などで、結婚願望は強い方と
思われる。倹約家、保守的でサービス精神の乏しい性格は、現在女性に取って
一口に言って「面白味の無い人」の分類に入り、女性からの人気は今一かなと
考える。又、諦めが早い事や運の巡りから言って結婚への道は厳しいでしょうが、
命式は年干(父親・幼少期の環境)から日支・時支・日干・時干と還流・源流で繋がり
家族同士の関係は深く、忌で折り合いをつける等の苦労があったといしても
結婚の可能性はあると見た。大勢の中には必ず価値観を理解し合える人もいる
筈で、本人の熱意と努力次第でしょう。
要らぬお節介と言われそうですが、女性に対しては多少お財布の紐を緩める事も
大事かな?などと思い。
< 最後に >
働き盛りに喜運多ければ、この方の生きる目的は、格名は内格正財で
「お金儲け」で、かなりの人となられた事でしょう。しかし月干に喜の財が
透干の人で働き盛り喜運の人は少ないのは何故でしょう。
それは、大運巡りが透干喜財の次の干か手前の干から始まるからです。
なかなか運勢は上手くいかないものです。そこから色々検証 勉強を重ねると
面白い事に次から次へと考えが及び
子平学は何処まで行っても尽きる事がありません。
( 子平学の基本 )
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参考文献 平岡滴宝著 「新訳・滴天髄」 「神峰干支体象詩」
「子平学・四柱推命法深書」 「秘本 子平廣論」
( 子峰院 関都佺人・和珞 2020/02/27)
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