子峰院の子平学・四柱推命( 鑑定例 癸水應爲雨露麼 )

干支体象詩 癸水詩曰くでは「癸水應爲雨露麼・・・・・・」と

癸水は微細な水の状態を言いますが、微細と言っても霧~雨雲迄あり

大きな幅が見られます。天干の癸や運での癸が、その中でも何に当たるの

かは推命判断上重要になります。

今回、師からは「面白い(目を引く)からと言って、こんな説明しにくい命式を

ブログにするのですか」と問われ

「画竜点睛を欠く書き方ですから」

「それにしてもきちんと理解できていなければ可笑しな書き方になりますよ。」と

ですので確認の為に十分ほど説明を受けブログにいたしました。

この命は同門の方の持ち込みによるものです。さてさて・・・

 

< 命式・女性 >

財    才 才     月令-庚  季節-秋

丁 壬 丙 丙     午未-冲

未 午 申 子     壬1干2支 (3)

己 丁 庚 癸     丙丁(強化) 5干0支 (5)

 A3 対 B5     内格 偏財格

 

< 命式は >

内格Aが弱く日干は喜、正・編財は忌となる

丙は無根、しかし秋月と言ってもまだ強い残暑の兆しが強く残る秋月二丙

「天に両日なし」二丙は良くないと言われますが

実践推命上、何故「二丙は悪い」のか、その理由を実践者は必ず把握して

おく必要がありますね。

丁は伴神強化の干合ですから、壬運での合去は有りません。

年干の子は、専支であり月支の申とは壬だけを強め元機の地支になりますし

日干に2支の力は1支が冲合で抜けた時の喜壬の抵抗力が買われます。

 

< 性格 >

日干壬は弱く無く活動的、制なく内剛で他人から見れば気まま

壬と丙には、距離感があり干関係も悪くありませんから、信頼関係があり

折り合いもつき世間的には良い関係に見えます。そして対等

壬に取って丁は、水を掛ける様子は一方的でストレス解消には弱い者

虐め、その手段は名分的で正論での干渉となりますが

なにせ強化の干合下手をすれば反論に合う。

月令は庚の偏印(倒食)、日干との関係上吸収欲強く好奇心旺盛

しかし 丙丁に対しては不満心で浪費傾向。

 

< 大運 >

92 82   72   62 52 42   32  22  12 02

✓ ✓ ✓ ✓ △ 〇 〇 ● ✓ ✓

丙 丁 戊 己 庚 辛 壬  甲 乙      →(年運)戊己庚辛壬

才 財 殺 官 倒 印 比 敗 食 倒

戌 亥 子  寅 卯 辰 巳  未      →(年運)癸甲乙丙丁

✓ 〇 〇 ✓ ✓ ✓ 〇 ✓ ✓ ✓

      子 申     申 子

 

< 大運 >

乙・甲運は無根であり浮き、喜の日干壬に対して悪さ出来る強さではあり

ませが忌運。

未運は、火を強めますし、忌の年干木火を強める年運によっては注意を要する。

午運は、元機の子を冲で弱める。

 

癸運は壬水を強め喜運ですが

癸の根、子・申共真上天干の丙に弱わめれ霧、壬を強められる程の力はなく

丙を隠せる程の力も無い状態で丙との関係性は激。

加えて丁との関係も激。

この時期は喜運であっても、意味無く腹立たしい精神状態は人生上

最も苦しい時期となる可能性は充分。

元来精神的には、強い人ですから鬱や引き籠り等の可能性は低いが

意味無く腹立たしくやる気が失せる時期の可能性。

「喜運」と報告すれば

この方の勢いから「そんな筈は無い」と必ずお叱りを受けるでしょう。

しかし 運的に下向きな動きは有りませんから「忌運」の印は付けられません。

この場合の癸運は、その他十分に説明が必要な時期になります。

 

( 重要 )

霧では二つの丙を覆い隠す(忌財丙を尅す)事は不可能ですが

仮に雨雲となって二丙を覆い隠せれば、ある程度大きな財を手に出来

精神的な苦労も勿論異なります。

雨雲とそうで無い場合では事象に大きな差が生じます。

又、子と申の位置が逆であれば推命を練り直さなければならないのは

至極当然な事です。

 

32才~47才 壬辰辛運は働き盛り15年間喜運が続きます。

調節期としては・・・?調節期と言うには長い喜運です。

壬辰は壬を強め喜運 何をするのでしょうかね?

月令は庚の倒食ですから可能性は膨らみますが、人の下で働くには

向きません。月令庚は沈金?と言うかもしれませんが、それですと火から

の尅が多少なりとも救われていますから推命考慮の必要は充分にあります。

〇辛運は、運の流れから実家への借財を返済とその見返りの可能性。

この様な場合の実例を見てきました。やはり子平学的な現実でした。

 

庚運は、秋月命、沈金にはなりませんが

月令計算に申の通根は僅か喜忌変遷、後の運流れや年運からは運は

下向き傾向、始めやや良く段々と下向き傾向、ご本人にはかなりの油断が

生じ要注意の時期。

己運は僅か濁壬、丁との駆け引きは失敗の恐れと、年運によっては

認知機能の衰えが見られます。

戊運からは、制約が多くなりますし、続いての運には波が窺えます。

最後に

主に癸運について書きました。

格名は偏財としましたが、この命の場合丙は手にし難い財ですから

寧ろ丁の「正財格」を採用した方が良いかなと考えました。

正財格にすれば、上記の短所がありますが丁忌正財は手にし易い財です。

金銭的には細かく、干渉的には自分に甘く人には厳しいですが

交渉術には長ける可能性は十分にあります。

アドバイスはその辺当たりかなと私的には考えました。

⤴ご近所の方に「はよう撮らんとしな垂れるよ」と言われたのですが・・・

さすがの向日葵もこの暑さに勝てませんでした。てな事にして置いて下さい。

だいたい私は、こんなものです。

 

( 子峰院の出版物 及び ブログの参考文献 )

平岡滴宝訳   「改訂版 新訳・滴天髄」 「改訂版 神峰通考干支体象詩」

平岡滴宝著    「改訂版 あなたの運命のすべて」

           「改訂版 子平学・四柱推命法深書」

        「改訂版 秘本・子平廣論」 

 

( 子峰院 占い人・和珞 2024/08/06 )

 

子峰院へのお問い合わせはこちら

     ↓   

子峰院ホームページ

http://t.co/XRxE0QDoby 

子峰院 【最新改訂版 子平学 四柱推命法 皆伝書】

http://sihoin.web.fc2.com/shihei9.html

子峰院の子平学・四柱推命 ( 十干対比 甲乙‐庚辛 )

平岡滴宝先生から辛鉄について教えを頂いた時の事です。

「辛は何時も宝石とは限らないが、希少価値で宝石となった場合

柔らかいと言われる辛が、ダイヤモンドやモリブデンの様に硬くなる。」

と仰いました。理解力も飲み込みも悪い私ですから、それが何を意味し

実践推命では、どの様に活かしていくのかサッパリ判りませんでしたから

尋ねました。(本当に出来の悪い生徒でした。)

「硬いとは、どの様に推命していくのですか」と、眼鏡の奥の目は微笑んで

いました。「他の人が聞かない様な珍しい質問をしてきますね。

しかし 私は今までそんな質問を受けた覚えが有りませんが、他の人はチャン

と理解しているのでしょうかね」と仰いました。

その時、辛について実践鑑定や滴天髄や干支体象詩等を取り入れて熱心に

解説して頂きましたし、それ以降も干関係については奥深く講義をして

下さいました。

 

尅の関係から(甲←庚)

 甲木は庚鉄に尅される関係ですが、甲木が強ければ庚鉄の刃は刃こぼれを

起こし使い様がなくなります(逆尅)。また、甲木が庚鉄よりやや弱くても反発

の様子を見せますし、かなり弱くても従順な様子を見せる事は有りません。

例えば日干が甲であれば、意地っ張りですが自身には正直と言うところで

しょうか?

 

(乙日生まれ)

 同じ五行木の乙は?と言えば「弱い」の評価が一般的ですが、私はその

例外を沢山見てきました。

私30歳代前半、まだこの仕事を始めて間もない頃の、知り合いの中学3年生

の女子からの依頼で「母親の看護師姿を見て来て、是非私も看護師の職に

就きたいと思いますが、如何でしょうか」と言う事でした。

命式を見ますと日干は乙でしたが、依頼以前数年間のお付き合いから「乙日」

の想像からかなりかけ外れて性格的には「気は強くしっかり者」以外の何者で

もありませんでしたからとても驚きました。

勿論、見た目からでは無く、推命判断によって看護師への道を勧めました。

固定観念は、私にとっては推命の邪魔だと言う事を思い知らされた

最初の案件でした。

又、それ以降も乙日らしからぬ乙日の方を見てきましたから、私の中の乙日

は多分他の方とは感じ方はかなり違うのではないかと最近つくづく思う様に

なりました。

この方は、現在50歳前後ですがある病院で婦長をされていると

人伝えに聞いております。お母様も婦長を勤めた人でしたから

満足の行く人生を歩いているのではと、ブログを書きながら

彼女への思いを馳せております。

 

残念な事にブログの許可(命式・大運の公表)を頂いていておりません。

 

乙日にとって怖い天干金の人は、経験から医療系に進む人が割に多い事も

驚きがあります。

 

次の命式は女性で、助産師だった方ですが10代の終わり自立

戦後ベビーブームと言われた時代恐らく万を超える妊婦さんを看た方です

医療事故は妊婦さんの遠慮から1件だけあったそうですが、それ以上は

無かったそうです。

70歳前後まで助産師を勤め生涯現役を勤めた人でした。

<命式・女性>

時日月年 

壬乙辛辛

午午丑亥

  己

因みに父親は町医者でした。

この命は庚金では無く辛金です。

平岡滴宝先生が推命に採用する十干対比関係では、この命の場合残念と

思われるかも知れませんが宝石でも真珠でもありませんし、乙草に取っては

宝石珠玉よりももっと恐ろしい相手です。

 

基本「弱い」と言われる干であっても相乗効果があれば、決して弱くならない

干があります。

 

しかし「弱い」と言われるだけに本質に戻る時期があれば、その時期を知る

事は推命上何より重要だと考えています。

 

 

又、乙は庚に対しても従順を見せる事が少なくありません。庚は乙に取っては

勿論怖い相手ですが、見せかけで繕う命式を見抜くのも大事な場合があります。

枯芝は少量の水で生き返り、根無しであっても行運で巡る木支が冲等でなけれ

ば生草となるには時間をあまり要しません。割に要領の良い乙がある事を知っ

ていた方が宜しい様です。

 

(庚金―乙木)

滴天髄 庚金では  

「能贏甲兄、輸於乙妹。」 意味:「よく甲兄にかてど、乙妹にはまける。」

と言っております。何の事だか?ですね。

ブログでは何度か書きました。今回は一寸何時もと違った推命法の

解釈で・・・

「乙柔らかいと言えども、合に合えば反って弱からず」の場合があります。

庚乙は干合の関係ですが、絆神強化の場合日干が庚の場合、側干の乙は

弱からずになります。

又、年・月の干合は、秋以外は合去、夏冬は命式次第ですが春は乙の方が

不利、秋は化金となりますので乙が不利になります。

色々考えを巡らしますと

子平学・四柱推命の奥深さに面白さを感じられると思います。

                           

 

<子平心理>

自分を贔屓にしてくれる身近な人とは、

〇トコトン甘やかしてくれる人

〇本人の事を思い厳しくする人

の様に大別すれば二通りあります。

甘やかす人には只甘えるだけで思い通り動いてくれるが

厳しい人を動かすには綿密さと手練手管の言動が必要になり

干渉心とタックを組めば良し悪しは別として

果ては陰謀・策略上手の可能性がありますが

やはり働き盛りにチャンスが巡らなければ「功、果たし難く」に

なります。

 

< 最後に >

最近

このブログがワンパターンにならない工夫をしなければと思い

試行錯誤足掻いておりますが

行き当たりばったりと言った我儘も私(わたくし)の年齢になれば許され

マンネリ化防止にもなるのかな?等と思います

ですので、行き当たりばったりを突き進めたいと存じます。

 

 

( 子峰院の出版物 及び ブログの参考文献 

平岡滴宝訳  「改訂版 新訳・滴天髄」 「改訂版 神峰通考干支体象詩」

平岡滴宝著    「改訂版 あなたの運命のすべて」

                           「改訂版 子平学・四柱推命法深書」

                        「改訂版 秘本・子平廣論」 

 

( 子峰院 占い人・和珞 2024/07/14 )

 

子峰院へのお問い合わせはこちら

     ↓   

子峰院ホームページ

http://t.co/XRxE0QDoby 

子峰院 【最新改訂版 子平学 四柱推命法 皆伝書】

http://sihoin.web.fc2.com/shihei9.html

 子峰院の子平学・四柱推命( 命式の絵・風景と才能について )

 ある業界の話ですが、作業効果を上げる為作業行為に〇〇秒ルールと言うの

があるそうです。

私も関係筋に身近な知人が数人いてその恩恵にもあずかっている事から教え

て頂いたのですが「実は、暗黙の了解でこれは外部には洩らさない事になって

います。」との事。

ある方に「洩れない事は凄いですね。礼儀正しい世界は技術だけで無く人間

関係も楽そうですね。」と言えば「そうですね。話せば理解し合える人ばかり

ですよ。それに皆これには元手と生活が掛かっていますからね。」と返答。

現社会の多くは生活がかかっているからこそ、集客を狙って他所より安価に

したり、利益を優先仲間と作り上げた大切な技術を他所に洩らしたりするもの

ですが、この組織の現実離れした仲間意識の強さには感動しています。

 最近は「生き難い」との言葉をよく耳にしますが、「生き易く」なる為には

お互いが思いやる並みならぬ努力が必要だと感じております。

 

<命式の絵・風景について>

命式を絵や風景にする」とよく見聞きします。

命式を絵にする事を二人の師から指導を受けましたが、

その時は命式風景の説明は簡単ではありませんでした。

「今回は絶対に上手くいった」と自信満々で教えを受ければ、必ず間違い

の指摘を受けましたが回数毎にそれは少なくなっていきましたが

例えば甲が天干にあれば

「この~木なんの木 気になる木 名前も知らない木ですから・・・♬」

音楽と同時に映るあの木を天干の風景に取り入れるのでは無いでしょうか。

本当に命式全ての甲木があの様に立派で元気な木でしょうか?

 

今まの鑑定で、あの様な立派な命式の甲木を観た経験は?と

思い出そうとしても思い出せない程少ないです。

立派な甲木になるには幾つもの条件があります

そして、他の干に対してどの様な影響を与え

他の干からの影響はどの様になるのかが 私共の推命の経緯となります。

 

まず子平学は季節重視ですから、月令で季節を見て四季の甲木の状態を

推します。

 

又、干支体象詩・甲木詩日 「原無枝葉與根荄」と

(意味:甲木はもともと枝葉や根のついたものの名称ではありません。)と

同様に天干十干は、命式のあり様によって十人十色ですから

推命には出来るだけ正確に描いていかなければなりません。

少しの絵違いは見た目の違いですから推命は大きな違いが生じるのは

当然です。

 

(才能・才質とは)

才能の意味は多くあると思いますが、ここでは主に推命上での才能を書きた

いと思います。才能・才質とは生産的であって人生に向上や利益をもたらし

常に自身の中で巡回する感情や思考力そして言行力と私は考えています。

それは必ず長所とは限りらず、巡る運によっては欠点であっても人生に利益

をもたらす事ができれば、もうそれは才能と考えています。

 

嫉妬心・頑固・愛嬌・旺盛な競争心・根気・自己顕示欲

他人からの干渉嫌い等‥

 

この様な性格さえ推命では才質に使う事が可能です。

子平学では主に喜の通変星で見ますが、たとえ忌の通変星であっても優れた

才を表す時期があります。

幼稚な表現かも知れませんが、私の中では「通変星は生きるためのアイテム」

と自分に解り易く解説しています。

命式では、扶抑・専旺用神で見る事が可能ですが、巡る運ではその用神以外

の干や地支が才として発揮する事があります。

例えば、戊が喜の扶抑用神であっても命式に庚があり、大運で忌の甲が巡れ

ば用神の戊を使わず庚を使う方が理にかなっているのではないでしょうか?

命式は色々ですから一概にこうだと言い切る事は出来ませんが、多くの場合

これは使えると私なりに考えています。例え庚が忌であってもその時期庚は

あまり悪い作用が無いと考えて良いでしょうが、夫々の力量を考慮しなければ

ならないのは当然と考えます。甲木の力量次第では命式の戊も庚も制される

場合があります。

       

友、遠方より来たる。

この年齢になりますと(年齢は内緒)普段のお付き合いは数十年になりま

すが、数十年前親しくしていたものの遠方の為時間に任せてご無沙汰の知人が

突然訪ねて来て「はて・・・どちら様でしょうか?」なんて

お笑い話の様な事がありました。

何十年と会わないでいると、年齢の重みで容姿体形は、互いに余程努力や

ツイていない限り変わってくるものでございます。

相手の変わり様に心では驚きながらそれを表に出さない努力の様子が

気心の知れた者同士であるからこそ面白いものです。お互い様です。

懐かしく、お互いの近況報告で時間の流れるのを忘れてしまいました。

 

(有朋自遠方來。不亦樂乎)

「朋(友)有り遠方より来たる。また楽しからずや」

(人間相見是何年)

「又会えるのは何時の日でしょうか」と訳してみました。

 

 

( 子峰院の出版物 及び ブログの参考文献 )

平岡滴宝訳   「改訂版 新訳・滴天髄」 「改訂版 神峰通考干支体象詩」

平岡滴宝著     「改訂版 あなたの運命のすべて」

        「改訂版 子平学・四柱推命法深書」

                          「改訂版 秘本・子平廣論」 

 

( 子峰院 占い人・和珞 2024/06/29 )

 

子峰院へのお問い合わせはこちら

     ↓   

子峰院ホームページ

http://t.co/XRxE0QDoby 

子峰院 【最新改訂版 子平学 四柱推命法 皆伝書】

http://sihoin.web.fc2.com/shihei9.html

 

子峰院の子平学・四柱推命( 鑑定例・解冲解合と化火の命式 )

陳素庵氏による「滴天髄輯要」では

「如子午相冲得丑未合而靜生」と

平岡滴宝先生は「新訳・滴天髄」で次の様に訳され説明されております。

(「子午の冲丑の合を得て静か」と説かれ、支合は冲を収めると示唆されて

います。)と

 

命式地支の冲は支合で解ける事を言い

滴宝先生はこれを「解冲解合」と一言で表しています。

 

若い頃には、こうした命式は色々の方法で推命を行う様指示を受け

一人の命式を幾通りの方法で推命を行い勉強した覚えがあります。

唐突にこの様な事を書きましたのは、今回の鑑定例は解冲解合と

天干では化火もある命式で、特殊と言って良いほど珍しい命式です。

 

<命式・女性>

時 日 月 年

庚 壬 戊 癸

倒   才 財      月令-丁  季節-夏

庚 壬 丙 丁      壬1干1支(2)    

戌 子 午 未      庚1干1支(2)   

戊 癸 丁 己      丙丁(2令)3支(7,5)

   

     A4 対 B7,5   身弱 内格、編官格

 

< 命式は >

 元々の命式天干年月は癸戊ですが、月令が火の為化火となりなります。

よって年干は丁、月干は丙となり、月令は丁、天干の丙の強さは

真夏の灼熱の太陽を意味します。内格身弱の命ですから日干壬と偏印庚は

喜。未午は支合、午子は冲の関係は並びからも解冲解合、支合も冲も無かった

事になり3支は通根の天干を支える事になります。

子は、壬に通根しますし火気強い命に潤いと冷を与え、命式を燥から救い

徴候用神そして元機の地支と私は位置づけました。 

よってこの場合の子の力を考慮解冲解合は有情としました。

子は命式上最も大切な地支になります。さて子は解冲解合ですから安定性が

あるかと思いきや?

日干壬は上記の様な子1支に支えられ弱からずの天干ですが、灼熱の太陽に

影響を受けています。

< 大運 >

75 65   55 45 35 25  15 05

✓     〇 〇 〇 〇 ✓ 

丙 乙 甲 癸 壬 辛 庚 己

才 傷 食 敗 比 印 倒 官

寅 丑 子 亥 戌 酉 申 未 

    ✓ 〇 〇 ✓  〇 ◎ ✓    

   

< 大運は >

この方は戦時中に生まれていますが、初運5才には終戦しています。しかし

まだまだ物資不足混乱期にありました。思春期を京都と勉学や技術を身に

つけるには最良の地で過ごし、高校卒業後は一旦就職するも美容に興味が

沸き美容師の学校に通いました。

〇20才~の申運は、喜の壬庚を強め人生上最高の時期、その頃知り合った

伴侶の力を借りて京都から離れ別の地で店を持ち、23才で結婚して数店舗を

構えました。

〇40才~の戌運は、金と火を強めますが還流によって火で金を尅しますから

この命では毒の役目をします。42才夫を病気で失いました。

 

54才まの40年間戌運以外は喜運、数店舗の店は1人では賄えず「この方」

と、思った人に経営を手伝って貰ったそうですが、その間仲間との調節には

苦労は絶えずごたごたが続いたそうです。

 

〇70才~の丑運は、未午子は丑未・午子と組みして地支は持ち前をさぼり

丙丁も弱りますが、日干壬は無根となり先ず気力の衰えが現れます。

弱みに付け込まれるように信頼していたスタッフに裏切られ経済的損失が生じ

ました。それでも表立たにする事なく収めようとして多額の借財を背負い込むと

同時に人に言えないストレスを抱え込んだものと考えられます。

〇75才~の月令に旺じられた丙運は、尚一層喜の壬庚は丙に尅され弱ります。

難病指定である筋肉の病気を患い亡くなられました。

< 最後に >

この方には娘さんがおられましたから、丑運の借財の処理には下手は出来ない

と弱った心身に鞭打つようにして作業をこなした事だろうと他人事ながら胸に

迫る思いがあります。

お嬢さんに勧められブログを書きましたが、年齢のせいでしょうかなかなか気が

進まない思いがありました。「お役に立てて下さい」の言葉に背を押されて

やっと重い腰をあげた次第です。

解冲解合の命は運命的に静かかと言えば、決してそうでは無く通根次第では

その風波(地支は行ったり来たり)は馬鹿にならない事は確かです。

又、この様な時期誰でも「死の恐れが」あるかと?言えば、これもそうとばかり

言いきれるものではありません。

この方の場合、甲運か晩くても乙運で事業自身の責任を狭ばめ

自身の目の届く範囲にしておけば被害やすったもんだやストレスも少なく

好きな仕事をしながら余生を楽しめ

娘さんへの迷惑も、もっと少なく済んだことでしょう。

 

 

( 子峰院の出版物 及び ブログの参考文献 )

平岡滴宝訳  「改訂版 新訳・滴天髄」 「改訂版 神峰通考干支体象詩」

平岡滴宝著    「改訂版 あなたの運命のすべて」

         「改訂版 子平学・四柱推命法深書」

         「改訂版 秘本・子平廣論」 

 

( 子峰院 占い人・和珞 2024/06/01 )

 

子峰院へのお問い合わせはこちら

     ↓   

子峰院ホームページ

http://t.co/XRxE0QDoby 

子峰院 【最新改訂版 子平学 四柱推命法 皆伝書】

http://sihoin.web.fc2.com/shihei9.html

子峰院の子平学・四柱推命( 総じて定説言うは即ち死法 )

「時来たらば寒谷にも春が来る」とは、滴天髄の清濁論中の言葉ですが門下

仲間はこの言葉が大好きでよく口にします。次いで好きな言葉は渕海子平の

総じて定説を言うは即ち死法」ですが、一緒に勉強中突然仲間はこの言葉を

発します。滴宝先生も講義中には唱えていましたから皆肝に銘じていたのだと

思います。

               

平岡滴宝著 秘本 子平溝廣論より

推命の極意を一口にですか・・・。それは難しいお尋ねですね。

とりあえずいくつかの言を挙げて見ましょう

(その中の一言です)

渕海(淵海)子平は言う

総じて定説を言うは即ち死法、すべからず格局に従い、喜忌これを推しいつを

とるべからず。

干旺は旺の気を求め余りあるものに備え、干旺ずれば衰運にゆくがよろしく

干弱ければ旺運がよろし。

十二運、神殺も喜忌を推せば、妙在をしるすその通変は神の如し。

 

(意味)

全体的に命式や運がこうなっていればこうだと言い切ってしまうのはあまり固定観

にとらわれすぎです。

推命法は、ともかく外格内格によって、干支の喜忌をはっきり知って判断

すべきです。

内格の場合、弱い干は欠点となりますから、強くなる運にめぐる時が当然良いと

言わねばなりませんし、又強い干支に対しては、これを抑える運が良くなります。

(補注、外格の場合、格を構成する干がより強まる運が良くなります。)

吉星、凶星、十二運、神殺などもそれぞれ喜忌がありますから、それに従って

推命をすれば、色んな象意を示す通変星や神殺などは、神の啓示にも似て

いることに気付かれるでしょう。」

 

 ここで少し渕海子平について書きたいとおもいましたが、何を書いて良いのやら

さっぱり頭に浮かびません。そこで滴宝先生の著書「子平学 四柱推命深書」を

調べますと十数か所の項目で「渕海子平」の名を見る事が出来ました。

そこで一から学び直すつもりで一項目ずつ読み主な内容をA5サイズ30シートの

ノートにメモ書きしてその内容把握に努めてみました。

 

渕海子平の原書は、南宋時代、徐公升(東斉)氏の編纂によるものですが

それ以前に徐大升氏は渕源定眞論(通変星が使われている)を書き残し

徐居易氏は五代十国時代(907~960年)の末期、基準となる生年の干を

日干に変えたと言われています。

渕海子平は編纂書ですから、それ以前の多くの先人方の論を多く取り入れた

書ではないでしょうか。滴宝先生が書かれた歴史的内容から、渕海子平は

子平学の起源を一まとめにした書では無いかと勝手に解釈しております。

深書で滴宝先生は「現在的な四柱推命の起こりは五代の徐居易氏の頃と

言っても良いでしょう」と書かれております。

上記の様に、三氏の徐氏は歴史的には 徐居易氏が最も古く、次いで大升氏 

後に公升氏となります。

著書の中で先生が、渕源渕海と書く理由を御理解頂けたのではないかと

思います。

話は本題から随分と逸れてしまいました。本題へと戻る事にしましょう。

定説を言うは死法」、1000年もの昔子平学や四柱推命の起源の頃に

この言葉が同時に生まれている事から、子平学の基本精神と言っても過言では

無いとか思います。

       

上記二冊の渕海子平関係の本は、滴宝先生から頂きました。

次いで

干旺ずれば衰運にゆくがよろしく干弱ければ旺運がよろし」の言葉ですが

内格を示唆ているかも知れませんが、外格であっも数字的になんとか

外格を保つ命式があります。

Aの外格従旺・従強なら日干類や印星がもう少し強く、あるいは児・財・官の

何れかがもう少し弱ければ良い命式や

Bの外格児・財・官格なら、日干類がやや強い、ないし児財合官の強さが

物足りい命式がありますが、

そうした命式には従〇格としますが、旺衰強弱運で外格としてしっかり

調節される時期は苦労の末の幸運ですから良くなります。

 

しかし、渕海子平が書かれた頃は、格の数は多く人の数程?あったそうです。

 

十二運、神殺も喜忌を推せば、妙在をしるすその通変は神の如し

二人の師は「十二運・神殺は使わない」と言う割に知識は豊富で、

喜忌で教わりノートに書き残していますし、時々そっと使っております。

その頃でも喜忌の考え方は重視していたのですね。

使わないと否定はちがいますし、使わないと尊重も違います

使わないその理由を、師はキチンと説明してくれました。

 

私の場合はそうした占術を真剣且つ熱心に勉強をしていませんから

批判や不定の術を持ちません。むしろ尊厳尊敬しております。

上記 渕海子平の言葉は占い師としての心構えの1つとして

肝に銘じております。

 

↓(子平学・四柱推命の歴史)

https://sihoin-waraku.hateblo.jp/entry/2020/10/06/111607

 

( 子峰院の出版物 及び ブログの参考文献 )

平岡滴宝訳  「改訂版 新訳・滴天髄」 「改訂版 神峰通考干支体象詩」

平岡滴宝著    「改訂版 あなたの運命のすべて」

              「改訂版 子平学・四柱推命法深書」

                      「改訂版 秘本・子平廣論」 

 

( 子峰院 占い人・和珞 2024/05/11 )

 

子峰院へのお問い合わせはこちら

     ↓   

子峰院ホームページ

http://t.co/XRxE0QDoby 

子峰院 【最新改訂版 子平学 四柱推命法 皆伝書】

http://sihoin.web.fc2.com/shihei9.html

子峰院の子平学・四柱推命( 秋月冷たい命式乙の見方如何に? )

 丁度五十の転角期にお母様からの依頼、

長年統合失調を患い、本人と御両親の年齢から今後を心配されての事でした。

特に此処10年その症状は思わしくありませんでしたが

症状の軽減と今後独り身は可哀相なので結婚の可能性を訪ねてこられました。

私は統合失調症の知識は殆どありませんでしたが、ここで半端な知識を取り

入れるよりも子平学からの推命に素直に頼る事を試みました。

数十年前からグループホーム等、福祉のお世話にもなっているそうでした。

 

< 命式・女性 >

時 日 月 年      干合・冲・支合無し

食   食 殺      月令-辛  季節-秋     

丁 乙 丁 辛      乙1干1支(2)

丑 丑 酉 亥      丁2干0支(2)

己 己 辛 壬      辛1干(令)3支(4,5)

A2 対 B6,5    身弱 格名-内格編官格

 

< 命式は >

乙亥-喜   丁-△   辛酉丑-忌

季節は秋ですが亥丑2支は共に冷たい地支です。特に丑の冷たさは側支

の巳でも解かし難いと言う位に冷たい地支ですから命式は冷えています。

天干丁は2干ですが無根ではこの命式を温めるには少し物足りなさがあります。

しかし、弱い喜の乙は丁が根を持ち強ければ洩気は激しくなります。

又、亥を根に持つ乙は湿木ですから丁への洩気の抵抗力を持ち亥は元機

地支になります。辛丁は食殺の関係ですが上記の通り丁は忌殺に対して喜と

ばかりは言い難くいものですが、月干の丁は金寒水令に対しては程好さが

あります。この命での丁は上記の様に複雑な存在ですのでの運での見方には

留意が必要になります。

性格的には、覇気の無さが目立つ命式です。

基本内格身弱の場合 比劫敗が喜、児財官は忌になりますが、

この命の場合乙がよく育つ時期を喜といたしました。

判断は容易ではありませんでした。

 

平岡滴宝著 子平廣論より

 渕海子平は言う

総じて定説を言うは即ち死法、すべからく格局に従い、喜忌これを推し

いつ(一つ)をとるべからず

意味

全体的に命式や運がこうなっておればこうだと言い切ってしまうのは、あまりにも

固定観にとらわれすぎです。推命法はともかく外格内格によって干支の喜忌を

はっきり知って判断すべきです。

 

仕方ありません。これが子平の起源で基本ですから

もしかしたら子平と四柱推命の違いはこの様な所にあるのかも知れません。

 

 

< 大運 >

21才~の庚運は、月令が金の為日干乙と化金しますが、

変化は日干乙が辛に変わり庚はそのまま。

 

91 81 71   61 51 41 31 21  11 1

△ 〇 〇 〇 △ ✓ ✓ ✓ ✓ ✓

丁 丙 乙 甲 癸  辛  己 戊

食 傷 比 劫 倒 印 殺 官 才 財

未 午 巳 辰 卯  丑 子 亥 戌

〇 ✓ ✓ 〇 〇 ✓ ✓ 〇 〇 ✓

丑   亥 酉 酉 亥   丑      

 

〇1才~15才迄は、戊己の夫々5年間は丑2支が通根、身弱の外格と

なり破格。

6才~の戌は辛丁を強めますやはり破格喜忌変遷、特に丁を強め忌運。

15年間の調候を推すには慎重さが求められます。

〇16才~の亥は元機の地支です喜運 しかし命式は冷たいままです。

〇21才~の庚運は、化金日干乙は辛に変化で忌運。

 命式は外格従旺となり、環境や思考の変化が伺われ金の比劫強まりから

気持ちは荒れます。現実には対人関係や怪我のトラブルが発生したそうでした。

〇26才~の子運は、丑を支合で抜き喜運。

〇31才~の辛運は、月令に旺じられ強く忌運、喜の乙に取っては精神的にも

疲れ体の何処かに痛みを感じこの時期怪我をすれば後遺症を残す可能性有り。

〇36才~丑運は、病の丑が増え勿論忌運。

〇41才~壬運、46才~の寅運は「それまでと比べて一番悪い時期」

お母さまは仰っていました。依頼は50才寅運の最後の年に受けています。

覇気の無さにやる気を削いでいますから何事にも積極性に物足りなさが

感じられる時期です。確り者のご両親に取ってはご本人の年齢の事もあり

ご心配になるのは当然の事です。

壬運は月干丁を合去、年干の辛と時干丁が日干乙の側干となって乙を苦しめ

寅運は元機の亥を支合で抜きますから推命からも当然と言えるでしょう。

〇51才~癸運は、

内格身弱の命は基本、印星運は喜運ですがこの命は乙が良く(元気)育つ

かを見ますと癸亥丑2支の雨は冷たく、命式は平均が取れるものの疑問が

残る事から△運にいたしました。

〇さて56才卯運~乙運の終わりの75才までは

卯運は冲で、辰運は支合で病の酉を無力に 甲乙運は乙を強め喜運。

喜運は20年の長きに渡り巡り、それ以前と比べて症状は遙かに

改善され元気に過ごせ意欲的になります。

元運の時干と月干は同干ですが、晩年の丁食神の過ごし方は自身の

経験と長きの喜運とで上手く立ち回る(福祉の頼り方や人間関係等)事が

出来る様になるでしょう。

丁は無根ですから、冷たい命中の乙に取っては付かず離れずの対応なら

程好い暖となって乙を伸ばしてくれる筈です。(本人は上記の通り)

社会福祉の利用方法等は経験上から、他人へ知恵を伝授等の奉仕精神

(丁-食神)で同じ立場の人の役に立つ事で自然と人が集まり好意をもたれる

等、淋しさを感じることなく充実した日々を送れると推測いたしました。

又、この方は男性(伴侶)と過ごすよりも男女問わず身近な友人方と過ごされる方

が安心を得られる人で結婚願望は少なく結婚の可能性は無いと見ました。

しかし、決して孤独ではありません。

〇76才~の巳運は、元機の亥を冲で無作用にして忌運。格は外格従殺格へと

破格、痴呆の恐れがありますが最近では予防医療も進歩しています。

〇81才~の丙運は、年干の辛を合去人生で1番楽な時期になります。

巳運をクリアーこの時期を是非味わって欲しいと強く思わずには

いられませんでした。

 

< 最後に >

この様な命式をお持ちの方の、私どもへの依頼は少なくありません。

「極、普通の方です。」と言えば語弊があるでしょうか?

しかし、この方は「晩年家族不在であっても誰よりも立ち回り上手で

生活出来る人」と、私は位置づけました。

 

( 子峰院の出版物 及び ブログの参考文献 )

平岡滴宝訳  「改訂版 新訳・滴天髄」 「改訂版 神峰通考干支体象詩」

平岡滴宝著    「改訂版 あなたの運命のすべて」

                         「改訂版 子平学・四柱推命法深書」

                      「改訂版 秘本・子平廣論」 

 

( 子峰院 占い人・和珞 2024/04/19 )

 

子峰院へのお問い合わせはこちら

     ↓   

子峰院ホームページ

http://t.co/XRxE0QDoby 

子峰院 【最新改訂版 子平学 四柱推命法 皆伝書】

http://sihoin.web.fc2.com/shihei9.html

子峰院の子平学・四柱推命(通根と滴天髄の干支論・源流論・生時論 )

「子平学は測る学問」と言っても過言ではありません。

命式上の天干と地支の働きは違いますが、測るとは天干の力量の強さを

測る事です。

天干の強さには、旺衰と強弱がありますが通根は強弱を知る道導です。

平岡滴宝先生は、この強弱を何干何支で表しましたが

何干は天干( 十干)の数で、何支は天干に通根して強める地支の数です。

この場合の地支は

滴宝式では、通根は局気を重視した通根節の三合会局方局、又土は土用を

勤める四位純全の丑辰未戌を採用しています。

天干に通根の地支が命式に無い場合は「無根」等とも言いますが、

よく見かける「無気」とは意味が違います。

 

通根を、強弱だけに使うには勿体ない

 地支が天干を支える事で天干を強めますが、子平学は命式の状態によって

固定概念よりも色々と考察して推命する事に特徴を持ちますから

子平学は多くを考える推命学とも言えます。

滴天髄は源流論の、「源流」とは地支同志を天干が結びつける関係で、

通根の線はV型になります。

又滴宝先生は天干同志を地支が結びつける関係をも重視これを「還流」と言い

通根の線は∧型になります。

 

滴天髄、干支論では

その始まる所から始まり、その終わる所で終われば、冨貴副寿は永き

無窮かな」と言っていますが

始まる所とは年干もしくは年支の事ですから、終わる所はお判り頂ける

と思います。

源流と還流を採用する事で「始まる所~無窮かな」の意味が通じる様になり

ました事を御理解頂けましたでしょうか?

 

推命の勉強には初心者の頃よりノートの見開き二頁を一人分に使っていました。

滴宝先生に教わっていた頃、ノートの命式には通根の線を必ず引くように言われ

ていましたが課題に線を引かずに提出すれば、日頃穏やかな師のお顔を覿面

に鬼の様なお顔になって怒られました事が忘れられません。

その線が推命上どの様な効果があるのか気付くには少し時間は掛かりましたが

師の鑑定を見ている内に「成る程」とおいおい気付く事が出来ました。

現在では線を直接に引く事は有りませんが、

頭の中では常にしっかりと引けています

 

何故「冨貴副寿」」なのでしょう?

命式の状態によっては「貧賤凶夭」と書き換えても良い場合が多々あります。

むしろ冨貴副寿」の方よりも占術を必要とするのは「貧賤凶夭」の方です

 

又滴天髄、源流論ではこの様にも申しております。

何処より根源おこりて、いずこに向いて流れ住む

始まる所でなくても、終わる所でなくても良いのです。

即ち夫々の天干地支の始まりと終わりが命式の何処で始まり何処に落ち

着くかです。

これで見ますと命式元亨利貞での人生のウエイトが何処にあるかが理解でき

ますし、自ずと下積みや人生の基盤を作る時期が理解でき助言を可能とします。

勿論これを知るには命式、天干地支夫々の通変の意味や喜忌を出せなければ

サッパリ理解できないのは当然の事です。

滴天髄、生時論では「生時は帰宿」とも言っています。

 

二十歳を大きく過ぎた頃の方に「どんな仕事をしたら良いのでしょうか」との

依頼を受ける事は稀ではありません。技術や資格を持たないばかりで無く

自身に興味を引くものが無いと言うのです。命式には色々な通変星がありま

すし用神もありますが、その意味での職種を唐突に押し付けてもそう簡単

に「それやります。」と言って出来るものではありません。

私は大運の調節期を使ったりもしますが、調節期が大運の良い時期に来る

方ばかりではありませんから

その様な時は、この通根の線を使うと案外色々と推命判断が容易で

提案や指摘等が可能となります。

 

こうした論理を推命実践・判断に役立てるには、その方法を学び

なるべく多くの命式に挑戦しなければなりません。

会得はそんなに容易ではありませんが

命式を見ますと案外そうなのかと閃き気付く事は少なくはありません。

理論に適っています事から、慣れれば容易で当然の事となっていきます。

かなり難しい話になってしまいました。

今回は命式だけの話に終始しましたが、命式の地支は運の干にも通根いたします

それはいつの日かブログにしましょう。

又、子平学はどんでん返しが有ります事をお忘れ無きように。

 

 

四月、新年度が始まりました。

そこで今回の漢文はこれしかないでしょうと言った具合に

社甫の春望を書きます

< 春 望 >   作:社甫

國破山河在   城春草木深

感時花濺涙   恨別鳥驚心

烽火連三月   家書扺萬金

白頭掻更短   渾欲不勝簪

読み

国破れて山河あり   城春にして草木深し

時に感じて花にも涙を濺(そそ)ぎ

別れを恨んで鳥にも心を驚かす

烽火(ほうか)三月に連なり

家書(かしょ)万金に扺(あた)る

渾(すべ)て簪(しん)に勝(た)へざらんと欲す

町は戦いによって跡形もなく壊れたが

季節が巡り春ともなれば見る人もいないのに、昔と変わらず木は茂り花は咲く。

この町の有様を感じて、茂る木を見ても花を見ても涙は止めどもなく流れ

落ちていく。

家族との別れがあまりにも悲しく、慰めてくれる筈の鳥の声さえ驚きおびえる。

戦いののろし火は春三月まで続き

この様な戦乱最中では手紙は届き難いものであり

たまの家族からの手紙は私に取っては萬金の価値がある。

悲しみのあまり白髪頭を掻けば、髪は抜け更に薄くなって簪(かんざし)を

射せなくなりそうである。

 

「三月と書いてあるのに何故今なのか?」と苦情が有りそうですが

こうして古い時代の書の殆どが旧暦で書かれています。旧暦の3月は

新暦の4月頃に始まります。

今年は4月9日から旧暦3月の始まりです。

 

この漢詩も、時間をかけてじっくりと味合いたい一編です。

私たちの周りでは当然の様に春が訪れると新緑は深まり花々は咲きほころび

それを皆で楽しみますが、これは奇跡に近く有難い事だと私は思っています。

この一期一会に只感謝しかありません。

 

( 子峰院の出版物 及び ブログの参考文献 )

平岡滴宝訳  「改訂版 新訳・滴天髄」 「改訂版 神峰通考干支体象詩」

平岡滴宝著   「改訂版 あなたの運命のすべて」

                        「改訂版 子平学・四柱推命法深書」

                      「改訂版 秘本・子平廣論」 

 

( 子峰院 占い人・和珞 2024/04/03 )

 

子峰院へのお問い合わせはこちら

     ↓   

子峰院ホームページ

http://t.co/XRxE0QDoby 

子峰院 【最新改訂版 子平学 四柱推命法 皆伝書】

http://sihoin.web.fc2.com/shihei9.html