平岡滴宝著 子平学 四柱推命法深書より
乙←癸
この場合の注意点は腐（癸が冷たい場合根腐れの恐れ）です。
もう一つは、癸と壬が共に透干の場合は、浮草に注意と
書かれています。少し気がかりな命式があり推命してみました。
＜ 命式 ＞
時 日 月 年 女性、生月三月（春）
劫 食 劫 壬癸２干 丑２支 (４)
壬イ癸イ乙キ癸イ 乙１干(月令)1,5 卯 (２,5)
戌キ丑イ卯キ丑イ 日干・劫財４ 対 食神2,5
戊 己 乙 己 内格(食神)
本文では、乙は浮草で根腐れは無いと記されていますが、
命式をじっくり観察をすれば、
丑（蔵干には凍土）に挟まれた卯は、乙の地支で共に月柱にある。
時間壬の下の時支戌に注目した。
壬は、丑の２支を根に持ち時柱は壬戌で
土を蔵干に持つ地支と関係が深く乙は浮きにくい
乙卯が根を下ろした土の質は、丑は凍土で硬い
時支の戌も秋の土、湿を持たない硬い土である
よって、硬い土に根を下ろした乙は根腐れでは無いけれど
酸素不足で元気は無く、乙(食神)の行動性は出ずに
浮草の象意も出ないと推命。
＜ 性格 ＞
日干癸に比肩と側干の壬(劫財) 通根には丑の2支で
負けず嫌い、丑が2支は言動共に大人しく、丙丁が天干に無く暗い
意志を曲げる事の無い融通の利かない頑固者、しかし
火気が強まり 命中の丑が緩む時は辰に近い効果を発揮して
体力があり 柔軟さを伺わせ二面性を多少見せる。
見た感じは存在感のある頑固者、日干に力が有り思った事や
感じた事を顔や口に出す事が少ない、寄り付き難い人であると推命。
＜ 大運 ＞
大運喜忌の取り方は、まず忌の地支を支合・冲で無作用とする運は
喜運 その反対は忌運、次に喜の干を強める干や地支は喜運
命式喜の干を合去は忌運、その反対は喜運
冲 冲
↓ ↓
子―午 卯―酉
｜ ｜ ｜ ｜ ←支合
丑―未 戌―辰
命式の干合
癸―戊 乙―庚
壬―丁運は月令が乙(木)で化木運 命式の壬は甲に、大運の丁は乙に
変化 その時の計算は 日干・比肩癸２干2支(４)
食神・傷官甲乙3干(月令)卯1支(7)
日劫４ 対 食傷７ で喜忌逆転 で格名は内格、正官
しかし 乙は前期の如く元気が無く癸2干2支に影響はあまり
無く象意に変わりはない、年齢は15歳、官星は忌で年齢的観れば
高校に進学をせず、就職の可能性がある 忌運で良い就職先
では無い。
この方は乙食に元気が無く、才能・技術・器用さに
期待が持てず、仕事の道よりは、命式の質の良さを引き出す
時支の戌(戊・丁・辛)の中の戊丁(暖かな土・官星)を生かす
方法が良く 女性で結婚の道を選ぶのが最適と観た。
婚期は20歳から24歳の巳運(巳の蔵干は丙)
命中の丑(凍土)は緩み乙・癸の質は向上して 命式は活気付き
心身共に元気になれば、充分にその気なる時期である。
＜ 大運 女性 順行五年運 ＞
5 15 25 35 45 55 65 75 85 95
喜 忌 喜 忌 忌 忌 忌 忌 喜 喜
丙 乙 戊 己 庚 辛 壬 癸 甲 乙
財 食 官 殺 印 倒 劫 比 傷 食 ←大運干の通変星
辰 巳 午 未 申 酉 戌 亥 子 丑
忌 喜 喜 喜 忌 忌 忌 忌 喜 忌
五歳の丙運は戌が通根し命式が元気の時 乙食の才を見せる
身近な人達から、この子の本質はこれだ！と誤解させて
しまうが それも五年間と短い期間だけ
渕宝先生は仰る「幼稚園のお遊戯が上手だったね」程度と
10歳からの辰運は 時支の戌を冲で無作用にして
火気がまったく無い命式で元気がなくなり
「あんなに元気だったのに」と、変わった人を見る様な事になる。
60歳酉運も 喜の時支戌を支合で無作用とし忌運
閑支であっても 元享利貞60歳以降に喜の時支を無作用と
する運は要注意の時となる、命中唯一の温もりを失い
健康面での問題が生じる恐れ有り。
次のポイントは庚運 庚は乙を合去 命式は外格従旺格
で変格運となる 日干劫の調候はやり過ぎの失敗などだが
冷静さがあり そう心配ないと観た。
55歳の辛運は、喜の乙を辛の針で尅す調候 大・年・月が
重なり辛を強める時期は要注意 腱や筋を痛める。
家庭内事故と軽い様であっても 治療には時間を要すと
経験者の方々からは伺っております。
この方は、形影的にはごくごく普通の女性です。
（ 子峰院 推命士・和珞の鑑定例 Ｎo15 ）
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