子峰院 和珞の子平学・四柱推命の鑑定例 No61

 この方は高校生の頃、お母様から進路についての依頼がありました。その後見立てに

信頼を頂き家族や親戚の依頼を頂き続けております。今回は九十近いお婆様からの

依頼で、結婚相手がどうも浪費家のようで本人から伴侶がわかるなら見て

欲しいとの事で再度の鑑定となりました。お歳の事もあり鑑定結果全て

伝えたわけではありませんが 

いずれお母様か御本人からの依頼があると思っています。

 

< 命式・女性 >

時 日 月 年     庚乙―合去

           己1干丑辰2支  (3)

庚キ  己ィ 庚   乙       庚1干丑1支   (2)

午△ 卯ィ辰ィ丑△      丑辰―破

丁  乙 乙ィ己       卯辰―害  

    

       A(日干を強めるグループ日干印比劫) 3  

       B(日干を弱めるグルー児財官)    2   A3 対 B2

用神取得法は、内格扶抑法  格名は 内格傷官格

調候用神―丙

( 命式の喜忌 ) は、庚は己より弱く喜。 己は忌 丑は、己庚に通根で△。

辰は、己に通根で忌。 卯午は、閑支で△。

 

< 命式の特徴と性格など >

忌の日干己に対し喜の庚は俊敏、その性格は即効を焦って方法を考える

(小さな力で鉈を振る為の要領を使う)後は非常に疲れが出る人。

(暖・湿土)(凍土)は破の関係で、辰は長養堪培の役割を果たせず、

日干己土は陽気・陰気の二面性のある性格、この命式

での二面性は傷官=仕事では明るさ(陽) 休息に暗さ(陰)を使い分ける。

辰卯は害の関係、冲・支合の酉・戌運は解冲解合となる為冲・支合はしない。

丑は、年支で元亨利貞は、10歳以降20歳迄に位置し日干己(本人)と時干庚(晩年の

将来)に通根し傷官(才質サービス精神)目指している。又年干と月干(社会性)

合去、社会との人間関係は少なく一途に時干将来を目指している

時干傷官は人生の目的で「1人で生活できる技術を身につけ、

その技術を生かし生涯生きていく事」。

この場合の庚傷官は喜で強さや干関係などから、温厚、適当な表現力あり 

面倒見良く 愛嬌や愛想の良さが特徴である。反面傷官の気難しさや庚特性の

きつさを持った人だが身近な人にだけ表面化する。時干傷官庚は喜 

己の土生金に合い 又時支午の蔵干は丁 側支卯の蔵干乙に強められ上の庚を

制し硬さを削ぎ賢く器用、この場合卯午は大きな役目をしている。

又丑午は害の関係で離れている為、未子運の冲合は年支の丑だけに働き

午は冲支合の時期は少ない(午蔵干丁の安定性)。

地支4支は夫々が微妙な何役かをこなし味わいのある命式。 

 

< 依頼での伴侶との関係は >

女性の場合伴侶は、基本日支や官星で見ます。天干では官星なく日支の

蔵干乙(偏官・殺)伴侶は、月支蔵干も乙であり社会生活での仲間の多さと、

時支の蔵干は丁に尅され苦労を意味している。日干己から乙を見ると

「乙、己土をよく尅し」にあたり乙から見て己は偏財で財目的と言える。

現実では大きなマンションは女性の本人が購入。伴侶は、出費の多くを彼女が

援助することが頻繁にあり愚痴ぽい人で、彼女の負担は小さくは無い。

 

< 大運・順行 >

98 88 78   68 58 48   38 28  18 8

〇 ✓ ✓ △ △ ✓ ✓ ✓ ✓ 〇

庚 己 戊 丁 丙 乙 甲 癸 壬 辛     ←(年運)癸甲乙丙丁

傷 比 劫 倒 印 殺 官 才 財 食     ←大運の通変星

寅 丑 子 亥 戌 酉 申 未 午 巳     ←(年運)戊己庚辛壬

✓ ✓ △ ✓ △ 〇 〇 △ △ 〇

        解 解   丑         ←命式の冲合の地支

 

< 大運は >  

幼少時両親は離婚、母親は二人の娘を連れて実家へ、この方は姉妹の内姉。

母親は夜遅くまで働き教育熱心な祖母の手で育てられる。小学高学年母親は再婚 

母親の婚家へ大事に育てられるが、大勢の家族と弟が生まれ賢く器用な彼女は

期待されながら育つ。高・中校時代は成績優秀、高校生の時期進路の事で依頼を

受ける「看護師になりたい」

(用神喜の傷官・サービス・奉仕精神=適職)と渕宝先生の助言もあり忌の壬運を

前にして背中を押した。

〇18歳壬運喜忌変遷運で忌運、だが専門学校無事入学 年運丙戌運には晴れて

看護師の免許を手にした。壬は辰丑が通根己土とは泥流、濁壬 

庚は沈金とひどい状況。現実には学費や交通費と母親と本人に取って

破格な出費となった。濁壬はズルイなどの象意があるが、

この方の場合月令は乙の偏官(制御心)卯辰は半合で作用は強く分別を弁えた人。

年月は合去で目的以外の人間関係に興味は少なく、青春時代は見つめる先の

時干傷官=夢に捧げ経済的、精神的な苦労となったが年支(母親)は日干・時干に

通根母親に支えられて夢を可能にした。こうして苦労して勝ち取った夢・免許は、

この方の場合は、磨く事はしても決して粗末にする事はない。

〇23歳午運閑支、年運は丙丁の火運巡らず変化少なく平素無事。

〇28歳癸偏財運は、丑辰通根喜忌変遷忌運、3のバランス変化は大きく崩れず

「己日、癸財」で良く稼ぐが、丑辰の水支を多く含んでる己の癸水はダダ洩れ!

稼いで使う形となる。マンション購入、弟の学費を手伝うなどと出費の方が

多くなった。

〇33歳未運は、年支(母親)丑と冲 結婚し母親から離れ独立 丑は己庚に

通根平均は変わらないが、命式は弱り母親からの独立は不安心を募らせる。

〇38歳の甲運は 日干と絆神の干合甲は3の強さに辰卯が通根5の強さ

喜忌変遷で忌運、命式は大きく変動 己土も庚金は刃こぼれで弱る。

甲は正官 原因は伴侶の可能性 精神的な不安や名声を弱め

仕事に差し障りが生じる。

〇43歳申運は、庚を強め命式はバランスが取れ喜運、仕事は順調になり名声運

を強め人気者になる。

〇48歳乙運は、庚を合去命式は己だけになるが己は丑辰の3未満で内格 格は

変わらないが命式は大きく変動 原因は大運乙=伴侶の可能性、

影響は庚傷=仕事 家庭のいざこざで仕事にも影響がでる 

間違えば一時休職の可能性。

〇53歳酉運は、辰卯酉で解冲解合 日支はザワザワとざわつく 丑辰の破の

己土は長養堪培の値打ちがなく伴侶乙を養えず、日支(伴侶)卯と辰は害の関係で

身持ちが悪いなどといわれるが相手がそうさせる、

原因は伴侶の女性問題で離婚の可能性は大きい。

酉は庚を強め命式はバランスが取れ、

結果稼げる時期で仕事は忙しく気晴らしになる。

〇58歳丙(印綬)運は A強まり忌運しかし丙は調候用神で湿を軽減出費は

あるものの健康に恵まれ無理がきく時期。

〇63歳戌運は、己庚に通根命式を強めるが卯辰の害に関係し仕事、家庭共に

何かしら問題が発生し忙しいが体調や精神的には問題なし。

〇68歳丁運は、忌のAを強め忌運だが丁午は喜の庚を鍛錬 この様な運が

働き盛りに恵まれれば俊敏・器用さを生かし、敏腕な看護師として認められる

可能性があるが68歳は遅すぎる。しかし 丙運印綬運より、

過去の実績を買われ後任育成で教壇に立つ可能性は大きいが忌運!

名誉な賞などの候補者に選べれても手には出来ず 悔しい思いを残し

プライドは満足いくものではなく苦労は報われない時期だが、

生徒には「教え方の上手い先生」と評価される。

〇78・88歳の戊己運は、日干を強め忌運自我の強まりと出費の可能性。

〇73・83・93歳の亥子丑は、亥丑は水支閑支だが冷たい水支で体調を壊し

73歳では現役を退く可能性。子運は丑を支合、

元亨利貞は年支の変化は現状維持。

 

< 子供について >

子供は食神・傷官や時支で見るが、この場合時支の方が見やすく時支で見た。

午は閑支であるが蔵干は丁 丁は日干己を間接に強め己は丁を護丁 

本人は子供を守り子供は母親(本人)を助ける。

己は丁の激しさを取り大人しい子供だが この命式己の質は丁の元気を削ぎ、

大人しすぎるが育てやすい子供と見ました。

 

< 金銭感覚は >

日干己は辰丑の水(財)支を根に持ちお金は回る(仕事の安定)、しかし

己土の容量は小さく財運での水は洩れがちで、

稼いで使う(精神的なはけ口は消費)人、他人からはお金持ちに見えるが、

実情ではそれに非ずと見ました。終期には蓄財はあまりなく

実情の苦しい子供に厄介をかけそうです。

 

< 感想 >

幼少期の事情により、自身が少しでも生き易くなる為努力、期待され答えの

二重・三重の努力の中での、二面性の使い分けはその頃より磨きがかかり絶妙、

それはこの方の「持ち前=長所」としか言いようがなく、

僅かな哀れみを払拭させてくれた。

 

< 子平学の基本 >

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参考文献  平岡滴宝著 「新訳・滴天髄」 「神峰干支体象詩」

 「子平学・四柱推命法深書」 「秘本 子平廣論」

 

( 子峰院 占い人・和珞 2018/12/17 )

 

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