平岡滴宝著「四柱推命の秘則 新訳滴天髄 従化論」を読む。№1 

   < 従化論 >                            

従に真を得る者は、ただ従を論じ、従神に又吉と凶あり。         

化に真を得る者は、ただ化を論じ、化神又幾般の話あり。         

真に従の象は幾人あるや、仮に従するも又その身を発すべし。       

仮化の人も貴ぶべし、孤児、異性もよく類を出ず。

                                                                             子平学 四柱推命 運命学

  ( 訳 )                                

 命式の四天干中、いずれかの五行が突出して強い場合は、その五行を中心にした

見方が外格であり、その場合は内格的な見方をしないで、

旺じて強い干を喜神として見ていきます。しかし命式によっては色々あります。

化格になって外格となる場合も同様ですが、やはり色々の命式が出てきます。   

 従格になっている命式と言っても、しっかりと純粋になっているものは、

逆に少ないものです。命式に少々の疵がありながら外格になっている人も、

悪い命式とは言えず、運の機会にめぐり逢える時は非常に好調になります。  

たとえば、年と月とが干合して化格となっている命式を仮化と呼ぶ人もいる

様ですが、やはり色々の話があって、命式によっては早年恵まれない人でも、

運にのれば随分良くなるものです。たとえその人が鍵っ子であってもです。

 

( 追補 )                            

従旺、従強格の場合、四天干に食傷財官がまったくないものを

あるけれど弱くてやはり外格になるものをと呼びます。

その場合、前者は純粋と呼ばれ、後者の命式は疵のある命式と呼びます。

この場合地支蔵干は気にしません。(これは通根説によった決め方です。) 

外格従旺格になる場合の考え方ですが、官殺については無気無根が原則なのは

すでによく言われています。疵のある命式の場合、私は疵の干の強さを三倍に

した強さと、比劫両印星の強さを合計したものと比較して、同じ強さ以上を外格、

それ以上を内格とする基準を目安にとして使っています。

例えば疵の財が1干1支あった場合、合計の二を三倍にすれば六になります。

この時の日干を含む比劫敗、もしくは印の合計が六以上あれば外格、

それ以内を内格と言う様にです。

但しこの場合、月令が比劫敗印に関係あればその強さも計算して含みます。    

従児・従財・従官(殺)の場合 当然日干は無根が原則とされ、

印のあり方については、※素庵氏の子平錦綉集にのべてあります

(印星の透干の場合は、基本内格と教わっています。和珞)          

例えば日干が1干1支だけの様な場合その合計の二を四倍し、

対する児財官に類する干の合計が八かそれ以上あれば外格を採り、

児財官中強いものを、格の名称としています。

勿論月令計算を含みますが、三種全象の場合、特に従殺には児の位置に、

即ち命式の配合(天干の並び方)に気をつけなければなりませ

ん。何故なら児は官殺を尅すからです。 前者の三倍、後者の四倍、

いずれもぎりぎりで外格になるものを、私は弱従格と呼んでいます。    

外格旺強の場合、疵となる干が二種の時は通常内格です。            

 

< 外格従官格有情の例 >

(甲己化土) ↓        (変化後の命式) 

          戊 己         ↓日干癸と戊は絆神の干合戊は三倍に

丙 癸 甲 己       丙 癸 戊 己               

辰 巳 戌 巳       辰 巳 戌 巳               

    (戊)            (戊)                 

 

〇変化後の命式を計算                         

日干癸1干辰1支(2)                          

丙(正財)1干巳戌3支(4)                               

戊(正官)絆神干合三倍 月令同気陽干二倍 3×2=6                 

己(偏官)月令同気1,5  6+1,5=7,5   戊己7,5戌辰2支(9,5)       

A日干2 対 B財官13,5   BはAの四倍以上           

正官強く 外格従官格                         

(命式の説明は、著書より詳しく書きました。和珞)                        

 化格の場合、渕源渕海では、日干と月又は時の干との干合のみを採用して

いますが、任氏は微義で、年月の干合も月令と同気であれば化すと言われています。

例えば日干と時干が壬又は癸で月令を持ち、年月が丙辛で化となれば真化即ち

化水格の外格と言えますが、前例の様に、日干が癸で月令が戊又は己の時、

月干の戊と再び干合して絆神有情(外格従官)となる時や、又は時干が壬で地支に

子亥の水支が多ければ内格となる場合もありますから、

やはり幾般の話がありと言わなければなりません。いずれ

にしても真化が良く、仮化が悪いとは一概に言えず、

やはり運次第と言えるでしょう。

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( 和珞の余談 )

疵とは、外格従旺・従強(印星が強い)の場合、食傷財官の透干があればそれが

に、外格従児・従財・従官(殺)は日干が疵にあたり忌の干となります。

どちらの疵も、干関係で弱めたり、通根の地支を冲・支合で弱める時期は喜運で

最も良い時期の可能性があります。反対にそうした疵を強める時期は忌運で   

最も悪い時期の可能性が出てきます。                 

内格での疵とは、忌で強い干や喜で弱すぎる干を言います。

内格の疵についてはいずれ書きたいと思います。

この様に「疵」の意味を把握する事で、推命時重宝となり

覚えておきたいものです。数字的にぎりぎりの場合曖昧で難しい点や、

特殊な命式が多くあり、内・外格を決める事に苦労します。

 ブログでは そうした命式を紹介の時にはその理由をできる限り

示して行きたいと考えています。         

生前「命式には色々ありまして」が滴宝先生の口癖でした。

鑑定書をお渡ししてからですけど、鑑定の際には、大きな変動期が過去の時は

「これで

良いですか、この時期はどうでした?」等と確認、依頼者の方々は多くの

事を話してくれます。間違ってなかった事に安心!

そして以後の鑑定の参考にさせて頂きます。  

※次回 新訳滴天髄、従化論№2は、重複干合の命式を

実例を交えなが何点か紹介、

丁寧な作業で望みたいと考え来年以降に計画中です。

 

 

< 重複干合の基本と命式等を書いています。>

両師、私を入れ推命仲間の貴重な実践体験から、

推命判断の確実さを確信しています。又これを知らず「何故に?」と

首をかしげる多くの推命師がおられる事も確かです。

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( 滴天髄の訳本や註釈本で、新訳滴天髄の参考文献の一部 )

清代の初め  陳素庵氏  「嫡天隋輯要」(註釈本)

その後    任鉄焦氏  「滴天髄徴義」(訳本)

近世     徐樂吾氏  滴天髄徴義を更に①註釈や②補註を書物に

近世     袁樹珊氏  「專闡微」滴天髄徴義を更に註釈

 

参考文献  平岡滴宝著 「新訳・滴天髄」 「神峰干支体象詩」

            「子平学・四柱推命法深書」 「秘本 子平廣論」

 

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 ( 子峰院 占い人・和珞 2019/11/30 )

 

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