子峰院 和珞の鑑定例No83

  子平学 四柱推命 運命学

この方は、高校二年生の頃お母様からの依頼で、看護師を目指しているが、

どうか?の問いに「無理です」と返答、

銀行員等が適職とアドバイスをした記憶があります。

聞くところによれば母親は娘二人を連れての再婚、

再婚相手との間に息子が一人、嫁ぎ先は土地を持ち資産家と見かけは

良いものの、夫の両親とその姉との同居、大所帯は暮らし向きが大変で、

出来れば看護学校に行っている姉とこの方に、

息子の学費等の援助を期待しているとの事でした。

「見かけほど確り者ではありませんよ。重荷を背負わせれば精神的に

ダメージは大きく後退りをしますよ。」と鑑定結果を告げました。

それでも本人は「やれる」と言い看護学校へ進みました。

 

< 命式・女性 >   現在32歳

時 日 月 年    生月4月・季節(春)・月令(乙) 

殺   才 官     寅卯辰=木の方局 卯辰=害 寅=元機

丙キ 庚ィ甲キ 丁キ    庚1干0支 (1)

子ィ寅キ 辰キ 卯キ    甲1干(令)三倍 寅卯辰(局4) (7)

癸 甲 乙キ 乙     丙丁2干寅1支 (3)

     A日干1 対 B財官10  

BはAの四倍以上で、用神取法は専旺法(外格)  格名は外格従財格 

忌の干=戊己庚辛癸(丙丁と関係が悪い)

喜の干=甲乙丙丁壬(月令乙、丁と化木)丁は乙 壬は甲に変化

体神=日干庚 用神=月干甲(喜)

※体は日干で見る方が判断しやすく間違いが生じ難い為。

 

< 命式は >

日干庚金は、無根、程好く丙丁(寅)に暖められ心根は暖かいが弱い。

月干甲木(偏財)は、会局を持ち春生まれはで丙に逆生され強く元気、

卯の月令は立ち直りが早く衰えを知らないが、

丁には卯寅の部分で洩気され弱められ辰(水支)は洩れ過ぎを調節している。

年干丁火(地上の火・正官)は、寅の根を持ち、

甲(水支でない)寅卯を洩気して強まっている。

時干丙(太陽・偏官)火は、春の寅1支は適当、甲木を逆生育ている。

 

< 性格など > 

日干は1干0支、気が弱く引込み思案、内気、行動力や押しが弱い。

思考力を振りぼって何とか社会的地位(立場)を楽に有利に生きようとする

人だが日干(本人)庚は弱く、月干強い甲(偏財)干渉心を表に出せず不安(心配性) 

何事も知っておく必要の干渉心は、見張る(観察力)で目ざとくよく気がつく

庚は、弱さを悟られる事を嫌い、地位を上げられる程仕事が出来る事を他人に

知らしめる必要があり、表現方法は「私ならこうするのに」の様な主張、

それに対し過大評価、期待を受けて、却ってストレスに繋がる。

又甲(偏財)は、丁(正官)社会的地位を保つ為に贈り物をなどの

気遣いをする人で 官財とも喜や洩気調節等で、

財の上手な使い方(計算能力)、しかし何事にもお金で解決しようと

財に頼るところが大きく、経済面で恵まれない時は解決策を

見つけられず苦労は大きい。印星の透干なく行運では辰1支に頼るのみ、

人に甘えたり頼ったりする事が下手で特に喜運では周囲の人には確り者に映る。

 

 < 大運から >

大運とは、その人の人生の流れであって、5年ないし10年毎のパズルの

様なものを繋げたものではない。その流れによって物事のの時期や

吉凶の結果を見極めて対策方法を練る事ができると考えています。

この命式で大運、49歳の己運(喜の甲、用神)を合去運から、

79歳(83歳まで)壬運の化木運までの流れに気掛かりな点を見つけた。

79歳の壬は甲に 年干に丁は乙に変化 60歳以降年干の変化は、

影響は少なくても大運の壬から甲への変化は大きいものがあり、

この一連の流れを重視して鑑定内容に取り入れました。

(命式)

丙キ 庚ィ甲キ 丁キ    

子ィ寅キ 辰キ 卯キ    

    乙キ    

 < 大運 >

 ※日干庚を弱める時期や丙丁甲を強める時期は喜運 

庚を強めたり丙丁甲を弱める時期は忌運。閑支の影響は△しかし年運に注意。

※卯辰は害、よって大運での戌や酉との冲・支合は成立しない。

 

99 89  79   69  59 49 39 29   19 09

〇 ✓ × ✓ ✓ ✓ ✓ 〇 〇 〇    

甲 癸  辛 庚  戊 丁 丙 乙    (年運)→丙丁戊己庚

才 傷 才 敗 比 印 倒 官 殺 財    ←大運の通変星

寅 丑 子 亥 戌 酉 申 未 午 巳    (年運)→辛甲癸甲乙

〇 △ ✓ ✓ △ ✓ ✓ 〇 △ △

  子   寅     寅   子     ←冲・支合する命式の地支

 

看護師を目差した彼女は、19歳看護学校に入学 資格を取得 

病院に就職するが医療現場に馴染めず、院内で介護の様な仕事を引き受け、

収入は姉と比べ格段の差がついた。

ケアマネージャー仕事を思いつき、午運27歳頃再度の相談となる。

ケアマネージャーの試験を受けるには様々な条件があるそうですが 

その条件に該当して希望。聞くところによれば、試験の内容は結構難しく、

仕事内容は、多くの人と接触の機会や事務仕事が多く、

しかし看護師の医療現場の様に切迫感がないと 

看護師の免許も生かせ(受験条件の中に、医療従事者である事が

必要らしい)何より自分はやれる様な気がするとの

相談でした。計算等の事務職は適職と判断「大丈夫でしょう」と

返事をしました。

早速受験30歳までに資格を取得したようでした。

お母様からの話によれば、毎日沢山の書類を肩に走り回り今までに無く

生き生きとし、弟の学費として実家へ援助をしているとの事でした

(甲財は年干(父親)丁に洩れ)。

引き続き38歳までは喜運で問題は無いでしょう。

〇39歳戊運は、忌の偏印運、辰が通根破格、

埋金状態不意の出来事の対応のまずさ。

〇44歳申運は、元機の寅を冲で忌運、丙丁甲を弱め仕事が減る等。

〇49歳己運は、月干喜で用神の甲を合去 命式は大きく変動。

喜財の変化の調候を試行錯誤(説明すればかなりの量に)の結果、健康面と見る。

可能性は肝臓疾患が大きい、それからの大運78歳までは、

忌の庚を強める事多く(卯辰は害、酉戌は大運ではそのまま作用、年運に注意)、

亥運は甲を弱める(寅を支合)。

己運で弱りきった甲は、その後の大運では完治は難しく持病を長年抱える状態。

この長い期間は甲木と日干庚金(鉈)との攻防戦の様な形でしたが

〇79歳突然甲運は、喜財甲が強まり庚は無根この年齢による180度の変動 

そして抱えきれない重財の調候は、日干庚の弱りの重い気鬱 喜運とは言えず 

生命の問題が出てきそうです(若い年代の見方とは異なる)。

「人は運命を知らずじて」と言いますが、彼女はこの運命を承知しています。

「頑張り過ぎが一番の毒」とも伝えています。

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最後に

「一人夜遅く静かな部屋で、仕事をしながらの晩酌はこれまた美味しいのよ」と

言っていた彼女は「お酒はなるべく控えます」の一言を頂きました。

業界言葉として「当る!」は嫌いな言葉です。

この方も最初の鑑定では「当って欲しくない」と思い、

再度の鑑定の時は憂鬱でしたが看護師の免許を生かせると聞き 

「経験は」特に若い頃の経験は、何事も無駄にならないものだと痛感 

救われる思いがしました。

それでも、看護師になった事を何度か後悔したそうです。

健康面では時期と弱点を子平学によって承知、予防学の面でも進歩を続けている

現在の医療現状 医療従事者である事を含め 対処は容易な事と考えます。

一番の問題は精神面で、時に生きる事に疲れを感じ自暴自棄になる事が心配されます。

両親に頼る事は嫌でしょうが 支えた時期がある以上甘えて良いのだと

それが出来なくなれば 月干(社会環境)喜の財に頼る事 

社会に頼る事を勧めケアマネージャーであればそうした事に詳しくなる筈で 

大いに利用すべきと伝えた。適職に就く事は、精神面でかなり救われ 

身弱の方ほど適職に就く事の大事さを常に感じます

又この方の場合財が関係して運が決まり、命式によれば、

財テクや投資には興味が湧かないでしょうが、他人から迷惑をかけられる事を

危惧して「金の貸し借りは禁物」と付け加えました。

良い財が透干していながら生かしきれない、そう言った意味で「富屋の貧人」

の命式となりました。

多くの従財格を見てきましたが、大運の結果は様々である事を毎回痛感させられます。

滴宝先生は著書の中で「子平学、四柱推命は予知・予測学」と仰っています。

そうした推命から意識・注意・準備して難儀を回避する事は可能で、

占術者としては少なからず適切な助言が出切ると考えています。

 

 ( 子平学の基本 )

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sihoin-waraku.hateblo.jp参考文献  平岡滴宝著 「新訳・滴天髄」 「神峰干支体象詩」

「子平学・四柱推命法深書」 「秘本 子平廣論」

 

( 子峰院 占い人・和珞 2019/12/11)

 

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