子峰院 和珞の鑑定例No86

 この方はパリでオーナーシェフを勤め、今年日本人では初の星の数で

レストランの格付けする「ミシュランガイド」の2020年フランス版で

最高位の三つ星を獲得された方です。

生時は推定で勉強させて頂きました。

 

< 命式・男性・生時推定 > 1977年生まれ

時 日 月 年

倒 比 比 印     生月8月 季節(秋) 月令―庚

丙キ 戊キ 戊キ 丁キ    戊2干辰1支(3)  

辰キ 午キ 申ィ巳キ    丙丁2干午1支 (3)

戊 丁  庚ィ丙    比肩・印星(6)

 

      用神取法は専旺法 格名は外格従旺 

 

 < 疑問を論にそって出した答え >

1、生時を取るにあたって、料理人の成功者と言う事で時干に食傷の庚辛を

入れたが大運が合わず、三柱だけで比肩を見れば無根で燥土、

比肩二つの負けん気で頑張れたとしても、時に嫌気が差し、

気むらが生じやすく同じ事を続ける事は難しいと考え、

土につく水支の丑を入れると天干は癸の強化の干合の三倍 これも大運と合わず、

辰を取れば天干は丙になり理屈的には合うため時柱を丙辰とした。

2、印星と比肩の強さが数字的に同じで、従旺格、従強格どちらの

格名にするか迷った。丁と丙は離れて間に二つの山があり丁は隠蔽には

なっていない。丙は時干にあり戊山に邪魔され全体に行き渡っていない。

年干丁は戊に洩れている。

戊山二つはどっかんと真ん中で自己主張強く、印が強い従強格でなく

比肩が強い従旺格とした。しかし比肩や劫敗財ばかりの従旺格と違い、

比肩と印の差は無く従強格の様な性格が出るのは勿論の事である。

基本従旺格で自身の思い通りに生きる為に印星を上手く使い、

計画性があってそつを嫌う人である

又印星が強まる時期の格名は、従強格になる。

※従旺格と従強格では、性格に違いが出る。日干類が強い喜の従旺格は、

動く事を厭わないが、頭脳を優先させる印星が強い従強格は、

思考が先になり動く事を嫌う人もいる。

この方の場合従旺格で動く事を厭わず適職の条件の一つで 

運で喜の印が強まる時、この命式では要領や人使いの上手さが出る。

3、天干に陰陽の印星の透干あって、大運も印星運で巡るのに何故料理人の

道を選んだのかと疑問が湧いた。それは何故か言えば、比肩は見た目強く、

月令は庚の食神は自由思考の持ち主だが、

この形では頭脳を優先する印星の仕事を好む人が多くいるから。

 命式幼少期の環境から影響を見る、

母親(年支)巳は社会環境(月支)申と支合(仲良し)仕事で忙しい人の可能性 

月支蔵干は庚の食神 母親が調理人の可能性を探ると、

お父様が日本料理の調理人、お母様と一緒に仕事をされているそうで、

その影響を強く受けたとの情報を得って「なるほど」と納得した。

 

< 命式は >

 月干の比肩は年干の印丁に強めれ、ライバルは上司で戊山、

あの人の様になりたい憧れ視。

自身(日干=比肩)は時干の丙(太陽)に照らされ一番丙の影響を受け、

将来は上司よりも脚光を浴びたいと強い願望の持ち主(生きる目的)、

上司と並んで自分は決して見劣りはしない(自信・対等意識)と考えている。

 比肩が2干の負けん気と両側の印星透干は、自身とライバルの比較が気になり、

ランク付けとはっきり比較が現れ評価される事に、

何よりも充実感を感じる人である。

 

(もう一度命式)

時 日 月 年

倒  比  比  印     

丙キ戊キ戊キ丁キ     

辰キ午キ申 巳 ←支合   

              

 

< 1977生まれ・大運・逆行 > 今年43歳 

97 87 77 67  57 47 37   27  17 07

〇 〇 ✓ ✓ ✓ ✓ △ △ 〇 〇

戊 己 庚 辛 壬 癸 甲 乙 丙 丁    年運→甲乙丙丁戊

比 敗 食 傷 才 財 殺 官 倒 印    ←大運天干の通変星

戌 亥 子 丑 寅 卯  巳 午 未    年運→己庚辛壬癸

〇 △ ✓ 〇 △ △ 〇 〇 〇 ✓

辰 解 午   解         午    ←命式の冲・支合の地支

 

< 大運は >

丁・丙・午・乙・巳・甲運は火を強めている。

〇12歳未運は、喜の午と支合の関係で火を弱め忌運でも変動は少ない。

〇17歳丙運は二丙となるが外格であり、時干の丙は二つの戊山によって

邪魔され、年干の元亨利貞幼少期・思春期にまで光は確り届いていない、

季節は秋でもあり運の丙は良い働きをするため喜運。

※陰陽喜の印星は確りして、修行する幾人かの師匠や地域選びは

 綿密な計画の基に行ったそうです。

〇乙運(27歳)は、洩気で(丁火は甲木や乙草を燃やす)丁を強めるが、

辰を根に持つ甲乙は湿木・湿草で洩気し難いが 戊で護丁された

丁火は安定していて時間は掛るが、洩気し喜の戊土を強める事ができる

(喜の木火通命)。

結果は喜運。しかし苦労が多く△とした。

〇乙(27歳)と甲(37歳)を比べて、甲は乙より火がつき難くく苦労は多いが、

燃料としては甲の方が多く丁火も戊土もより強められ、

苦労は多く忍耐強さを強いられるが、

其れを全う出来れば実りは大きい時期となる。

※(この様な時期力及ばず手に出来ない人も現実にいる。

  其れは大運の良し悪しでは判断つき難く正念場で厳しい時期。)

性格的には甲乙運の偏官・正官は喜の出方で 乙正官の律儀、甲偏官の誠実は、

苦労の分だけ身につき人間関係での評価を挙げる。

又この命での丁火の強さに対し戊土の炉は大きすぎるが、

丁が強まる丁・午・巳運の時期はその大きさが役にたつ。

よって丁特に地支運での午・巳は非常に良い時期となる。運午運21歳で渡仏。

〇42歳の辰運は戊を強め喜運、しかし辰2支は自刑 

この命式での象意はぬかるみを歩き、足を取られるような苦労。

今年1月にミュシュラン三ツ星を獲得

「嬉しさより大勢のお客さんの口を満足させなければならない重圧」

と仰っていました。

〇47歳癸運は、月干の戊を、57歳壬運は年干丁を、

67歳辛運は時干丙を合去するが破格は起らず変化は少なく平素無事!

しかし忌運。47歳癸運では、目上の人や上位の人を意識しなくても良いが、

下から上がってくる人に地位を脅かされないかと心配をする時期。

しかし日干と強化の干合になるよりかなりましで、

年干の己は直接日干を強め精神的にも割と楽で

、心配するような事は起らない可能性。

〇57歳壬運では、年干丁を合去するがこの時期での年干の変化は

破格も起こらず、問題は少ないと見る。

〇67歳辛運は、元亨利貞は晩年を意味する時干丙を抜き、気力の半減、

例えば体調を壊しても医者にかかるのを嫌がったり、

しかし辰があり健康的にはそう心配はない。規模を縮小の可能性。

〇52歳卯運は干支で△

〇62歳寅運は、巳申の合を解く、巳寅は火を強め喜運のはずが 

年運の庚では巳申が通根で破格となり△とした しかし期間は半年。

年運の辛と水運は上記の如く合去の干合。

〇72歳丑運は戊を強め喜運、年運庚は注意。

〇77歳庚(食神)運は、月令計算二倍根なし数字的にはぎりぎり、

しかし干関係に救われ破格は起らず、火に制された庚の出方はソフト。

かなり面白いと思ったのが、

時干(晩年)の丙とこの時期の庚との折り合いは良くなさそうだが、

丙(太陽)は公明正大と庚の食神、夫々の象意は「みんなのために!」

声を挙げて言ってしまった。目的は一緒!

縮小した店では、庶民にも手が届く価格で、

彩り豊かな美味しい料理が振舞まわれ、

来客者に喜ばれるのではないでしょうか。と想像してしまい・・・

〇82歳子運は午を冲して忌運だが破格にはならない。

〇92歳亥運は、同じく巳申の合を解く。

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< 最後に >

ミシュランの星を大運巳35歳で1つ星 

大運辰運中40歳で2つ星 42歳3つ星を獲得しています。

この道の厳しさを大運によって垣間見た思いがします。

 命式二つの戊の並び方、丙の位置や強さ、

季節等によってプライベートには

人に立ち入って欲しくない思いが伝わって来ましたので、

書かないように心掛けました。日支や時柱の良さが光っています。

 大運には忌運を示す✓や △(結果は安泰)の印を付けていますが 

天干の合去等に救われ、地支の有り様と共に、

大運に大きな変動が起こる時期が無く、良い命式と言えるでしょう。

 若い頃より生きる目標があって 目標を果す為に綿密な計画を立て、

夢を叶える人。「なんと幸せな人なのか!」と

( 子平学の基本 )

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参考文献  平岡滴宝著 「新訳・滴天髄」 「神峰干支体象詩」

     「子平学・四柱推命法深書」 「秘本 子平廣論」

 

( 子峰院 関都佺人・和珞 2020/02/09)

 

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