技術系、専門学校の特殊技能を持つ講師で、二十年程前将来についての
相談です。こうした学校では何処にも派閥があり、月干忌の強い官星を持つ人は、
対人関係において強気な姿勢の人と、何かとトラブルが続き気弱傾向で気
苦労の多い人です。しかし 格名は内格正官 キチンとしたい気持の中には
同じ所に長く勤めたいと心情が働く事も確かです。
命式は次の通りで、喜の干は頼りたくても頼りにならないものばかりで、
どうしたものかと・・・子平学 四柱推命 運命学
< 命式・男性 >
時 日 月 年 巳申-支合 丁壬ー強化の干合 壬は三倍
食 比 官 印 月令ー庚 季節―秋
己 丁 壬 甲 丁1干午1支(2)
酉 巳 申 午 甲1干0支 (1)
辛 丙 庚 丁 己1干0支 (1)
壬(強)3干0支(3)
A 印比3 対 B食官4
用神取法 扶抑法内格 格名は、内格正官
午ー元機
喜忌は 内格でAが弱く喜 Bが強く忌となる筈が、
時干己土は食神(己を洩気)であり、
壬から丁火を守る役目を果すこと出来ずに忌
運での戊は、護丁作用で喜。よって
運での喜の干=丁丙戊(護丁)乙甲
運での忌の干=己(甲を合去)庚辛壬癸 となる。
< 命式は >
日干丁は火の専支午1支を根に持ち、普通の力の地上の火であるはずが、
月干には無根ではあっても強化の三倍の壬が透干、時干には壬から
丁を守るには(護丁作用)程遠い己土が透干、丁を洩気(丁が燃えれば灰に)して
弱め、丁はマイナスαと命式以上に弱まっている。
よって強化の壬は、日干(本人)に取っては怖い相手であって慎重で内心臆病。
専支を根に持つ丁は行運でより強まる時期は強気の出方をする。
年干甲(印綬)は無根であって壬とは浮木、丁を強める事は無い。
絆神強化の壬は、行運の丁運では合去となる事は決して無い。
< 大運・順行 > 〇=喜 ✓=忌
93 83 73 63 53 43 33 23 13 03
✓ ✓ ✓ ✓ 〇 〇 〇 〇 〇 ✓
壬 辛 庚 己 戊 丁 丙 乙 甲 癸 (年運)→丁戊己庚辛
官 才 財 食 傷 比 劫 倒 印 殺 ←大運の通変星
午 巳 辰 卯 寅 丑 子 亥 戌 酉 (年運)→壬癸甲乙丙
〇 〇 △ △ 〇 ✓ ✓ △ △ ✓
酉 酉 解 午 解 ←命式と冲合の地支
解は、解冲解合
< 大運では >
〇辛は、行運の忌の庚辛を強め忌とした。
〇14歳甲運は、時干忌の己を合去。A3 対 B3とバランスがほぼ取れ喜運。
壬との関係で喜運との自覚は無いでしょうが、人に信用される行動は
周囲の人に信頼され協力を得られて、物事は順調に運び時間の経過と共に
精神的安定に繋がるはずです。
〇戌は、丁と己を強め△
〇乙(無根)喜の倒食で喜運。しかし命式を年から時まで辿れば、壬とは浮
丁己とは洩気で最終的には忌の己土をやや強め、推命内容は慎重を要する。
〇亥運は、巳申の支合を解き 巳は丁を 申は壬を
亥は壬と甲を強めAを2 Bを2強め△
〇丙丁運は、喜の火を強めて喜運。特に丙は壬を弱め、他の干関係も良く、
全てにおいて順調で経済的、地位的に恵まれる可能性。
〇子運は、元機の午を無作用にする。健康的な問題の恐れ、
間違えば「病は地支にて重く」の可能性、自身で運命を知っていれば、
前後の運も良く免れる可能性は大。
〇己運は、年干喜の甲を合去で忌運。しかし この時期の年干の変化は
然程では無く、壬を汚す(濁壬)よりはましで、そう悪くは無い出方。
仕事の関係上日々の鍛えがあって物忘れの心配も少ない筈。
〇庚辛運は、年との関係で庚辛や申運は精神的に留意が必要となるが、
運を承知している為最小限に留める事が出来るでしょう。
< 相談とその解決策は? >
月令は庚偏財で財欲強く独立や、職場での息苦しさから辞職や、現状維持などの
迷いがあったようでしたが、命式は上記の通りで八方塞りの状態です。
日支(伴侶)の巳と月支申の支合が気になり聞いて見ました。日支巳は体陰用陽の
地支で蔵干は丙 丙は日干丁を隠蔽そして同気。伴侶は同じ傾向の仕事をして
技術的には伴侶の方が上ではないかと尋ねてみました。
すると 伴侶とは同じ職場(学校)で知り合い結婚 伴侶は父親、祖父も同じ
仕事でこの世界ではサラブレッドと言われ技術的に優れている人で、
何人かの子供はまだ幼く専業主婦だが 周りの人達には惜しまれており
本人も何れ独立の道を選びたいと願っているそうで、
独立は夫婦一緒でする事になると伺いました。
夫婦一緒の独立は、本人は伴侶を引立て役で、もしかしたら上司は伴侶になる
可能性がある事を伝えました。
本人は幾つかの道を模索したようでしたが、OBの後輩たちが立場的に
上位に立つ中定年まで同じ職場で働き続け全うしたそうです。
鑑定時には、内面での精神的起伏が激しい人の為、それを回避する方法と
対人関係での 運での抵抗勢力は日干が強まる時壬も強まる事があり、
真っ向勝負は勝ち目が無く、その方策も数点提案させて頂きました。
66歳の年となる現在では 新たに職場を変え技術を生かして働き続けています。
< 最後に >
命式は上記の説明通りで頭を抱えましたが、大運の20歳前後から65歳前後の
働き盛りに、一般の方でこれほど〇(喜運)がつく人はそう多くはいません。
決して誉められる命式ではありませんが、この方は技術者としては他の学校からも
幾度も誘いがある程の優れた人で、命式以上の人です。
この命の良さは破格が起らないところに一番の良さがあり、
日支の午(専支)の裏切りが無いところと 無根では有るが甲印綬の透干が
それを支えています。又絆神強化の壬もその役目の一端を背負っていると
言って良いでしょう。
滴天髄は体用論で言っています。「命式が体なら運は用」と
運の力はそう小さくないようです。
< 子平学・四柱推命の基本 >
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( 子峰院 占い人・和珞 2020/05/25)
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