「午宮詩」を書きたいと考えた訳は、十二支咏の基本的な判断の仕方などが
示されていたからです。途中で「子詩」でも十二支の解釈方法があった事を
思い出し順番が違った事で後悔をしましたが、ツイートで「午」を書きます
と宣言したからには前に進むしかありませんでした。
又、気が向いた時期に「子詩」書きたいと思います。
本文は原文に次いで、語訳、直訳、意訳、補注の順に進んでいますが、
今回のブログでは、語訳の一部分と意訳は抜粋して書いています。(和珞)
子平学 四柱推命 運命学
< 午宮詩日 >
五月炎炎火正升 六陽氣遂一陰生
庚金失位身無用 己土歸垣祿有成
申子齊来能戰尅 戌寅同見越光明
東南正是身強地 西北体囚巳喪形
※十二支咏の月は旧暦(陰暦)にあたり、午宮詩の五月は
< 誤訳 >
六陽=六つの陽支 一陰=丁
帰垣=格方局の土支が月令に落着く事。ここでは未の当令。
光明=丁火の強さ
< 直訳 >
五月に当たる午の火は、炎が天にのぼるようです。そして丙
の余気は終って蔵干は丁に移ります。
もし庚金が弱ければ、庚は非常にいためられ使いようがありませんし、
己の土が未の月令に旺じていたりして強ければ、己の土は活かされます。
申、子がともにある命式では、火金水での激しい尅の状態が
起りやすくなります。又戌や寅がそろっていますと火局になりますから、
午は非常に強くなりますし、東南の行運も強くなる時です。
しかし西北の行運では、午は非常に弱くなります。
(意訳より)
※庚は使いようが無いとは、用神として。
※己土が生かされるとは、護丁として。
< 補注 >
①同じ一支でも、位置又は配合や季節、更に行運によって強さが異なる
事を言っています。これは午だけではなく他の地支も同様です。
②原文は地支同志の関係だけでなく、干と支、干と干を含めて論じ、
その結果を支で言っています。常に全体を想定していると言うことです。
③1支は午の強さは月支が一番ですが、火局や方局で一段と強くなるのは
地支の中では午だけで、寅や戌は午を助けている事になります。
④地支に午は多くを好みません。特に内格では他の地支も同様です。
⑤申にはさまれた午は少々弱くなりますし、午にはさまれた申も
暗尅を受けます。又子や亥は側支になっていない方が無難です。
⑥午の強さは季節的にも当然月支の午が一番ですが、
普通の強さの午とは春又は秋生まれの日支が基準です。
< 和珞のもっと追補 >
午月は六月で、暦の上では真夏 時間は11時より午後12時59分迄です。
子とは冲、未とは支合、丑とは害の関係になります。
( 上記の補注をより補足、同番号の説明になります。)
①の配合の強さとは、位置での強さの順は、月支(季節)が一番強く、
次に日支 三番目は40歳までは年支 それ以降は時支の順になります。
行運によっての強さは、月令(月支蔵干)が陰干で行運が同気の陽干の場合、
行運は三倍の強さに、月令、行運が同気で陽干同志なら行運は二倍の強さに、
陰干に場合は月令が同気ならいずれも1,5倍の強さになります。
命式の天干も同様です。
②常に全体を想定してとは、
この様な専門書を読む場合私は、幾つもの命式を思い描きます。
まず文が提示した命式を、又は地支蔵干と同じ天干を年・月・日・時と
透干場所を変えたり、側干の天干や側支の地支をあれこれと変え、
性格や大運の流れ等を想像し色々と考えて見ます。
専門書はいったい何が言いたいのか等も考えたりしますから、
一文を理解するのにかなりの時間を要す事は稀ではありません。
又、元亨利貞での六親の関係などの推命ができます。
③火の方局=巳午未 火の三合会局=午寅戌
午は火の専支で方局、会局どちらにも含まれています。
午詩は「一陰生」を言い、陽支でありながら特に丁火を強め
月支午の月令は丁(体陽用陰)。
方局の内、巳は火と金を強めますが、特に丙庚を強める。
※丙で庚を弱める役目
未は、特に己乙丁を強める。
※乙を洩気で丁を強め 己は護丁で丁を守る働き。
会局の内、寅は特に甲丙を強め、戌は戊丁辛を強める。
※寅の蔵干甲は洩気で丁を強める。
※戌は護丁で丁を守るが、蔵干中丁は辛を尅で弱める。
※午は蔵干丁は戌との関係で、
結果的に土を強めることがあっても、
燥土で物を育成できる程の、良質の土ではありません。
※地支同志で質を高める事があっても、基本、地支が地支を強める
事は決してありません。蔵干の同気命式の天干や、
行運での天干を強める事が可能となります。
②の論も含まれています。
④命式中、同じ地支の多くを好みません。
午午は自刑に当たり、酉酉、亥亥、辰辰も同様です。
自刑の象意は、落ち着きがない、慌て者等で災いに合い
易いなどですが、古人も「悪い事ばかりでは無い」と仰っています。
現在の師によりますと「俊敏」に使えるとの事で経験としては
同じ意味で、目敏い・気働きなど命式によって色々と
使える事は確かで、御検証頂ければと思います。
午ならでの刑は、月支と日支では、その性格は小賢しさが顕著で、
自身の利益に走りがちその手段は時にあからさまで、
人に見透かされやすく、自身では当たり前の事も他人から見れば
異様に映る事があり、評判や信用を失う事が多々有ります。
その利も対人関係の中で発生するものですから、
運では却って全てを失う事もあり、
それが何時なのか損害の大小など大運で推命できます。
又、調子の乗りすぎに気をつければ、古い事から脱却の速さ、
斬新なアイデアや閃きで活躍出来る可能性があります。
短所を抑え込む方法ではなく、持ち前を活かす事は本人にとって
一番楽な道ではないかと思います。
⑤(申にはさまれた午は少々弱くなる。)
申の主な蔵干は庚壬 午の丁、壬丁の暗尅
(午にはさまれた申も暗尅を受けます。)
両側の蔵干丁から庚への暗尅。
(又子や亥は側支になっていない方が無難です。)
子の蔵干癸や亥の壬との激や尅の関係。
午詩は言います。「申子齊来能戰尅」と
直訳:申、子がともにある命式では、火金水での激しい尅の
状態が起りやすくなります。と
これらの、命式の想定と元亨利貞から見る六親の関係の推命にも
非常に役立ち、う~と唸るように絵が頭に浮かばない命式は、
地支の関係を推命する事で助けられます。
命式中午としての良し悪しや、日支では配偶者、年支では親、
月支では兄弟・仕事仲間、時支では子供、年支と月支では親と社会環境、
日支と時支では配偶者と子供の関係など、多くを推命する事が可能です。
午は火の専支と子は水の専支は、相性は悪い方ですが、
地支だけの話になりますが次の様な例はでは、子は良い役目をします。
水の天干無く、他の蔵干と同じ天干が透干していると想定
※(蔵干) 年支寅(甲) 月支午(丁) 日支戊(戌) 時支子(癸)
私の推命法として、丁を通常護丁する土は、壬との関係で
戊を真干として見ることが多く、
経験では、戊は山崩れの時が怖い時になり、壬運がそれに当たりますが、
山崩れが起きやすい戊に燥土が含まれ、戌の戊は燥土で戌の側支の子(癸)は、
戌を湿らし癸の透干より良い働きで山崩れへの抵抗が出るでしょう。
又滴宝先生は著書で「水の透干が無く火局となっていても、
1支の水支は子(子供)なしの心配は無い」と。
様々な論の例外を考えることは、宝物を見つける様な楽しさがあります。
まだまだ「午詩」については書き足りない事は沢山ありますが、
今回はこれまで、又何時の日か「午詩」書きたいと思います
( ブログの参考文献 )
平岡滴宝訳 「神峰通考・干支体象詩」「新訳滴天髄」
平岡滴宝著 「子平学・四柱推命法深書」「子平廣論」
( 子峰院 占い人・和珞 2020/08/31)
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