子峰院 和珞の鑑定例No109

( 烈火の命式 )

 天干に丁だけ四干が揃った珍しい命式、これを「烈火の命」と申します。

格名は勿論比肩ばかりの命で外格従旺格 強ければ強くなる程運は良くなる

命式ですが偏りの強い命式でもあります。

 滴宝先生は著書で外格は「ある種の挑戦」と述べていますし

偏りの強い人は「適職に就く事が最も大切」とも言っています。

大運は12歳から午運の頃、親御さんから対面鑑定ではご夫婦揃って

進路と今後についての依頼でした。

性格の面から生じる対人関係と才質を考慮に独立可能な税理関係を勧めましたが、

彼が選んだ道は「薬剤師」でした。

< 命式・男性 >

時 日 月 年          生月7月 月令-己 季節-夏

比 比 比 比    丑未―冲

丁 丁 丁 丁    丁4干未1支 (5)

未 丑 未 卯

己 己 己 乙    A5 対 B0

用神取法 専旺法 外格従旺

命式喜の干は丁 喜の地支は未卯

大運喜の干=丙丁甲乙  大運忌の干=戊己庚辛壬己

 丁は、地上の火に例えられ本質心根暖かく朗らか強ければ情熱家、

しかし揺らぎやすさに特徴を見せます。水との関係は悪く揺らぎに加え

壬水からは消される(尅)調候  癸(湿)とは例え癸が弱くても(水支1支でも)

火花を散らして乱れる様子は気性の激しさとなって現れます。

 この命で丑(水支)が無作用になっていなければ、著にその性格は現われる

筈でこの冲は有情になります。よって解冲解合では丑はかえり激しさは

あからさまになり、

少なくとも対人関係では支障を来たす可能性があります。

 

<  性格  >

天干は4干共丁(比肩)、負けん気は、自身は光や熱で際立たい気持ちは強く、

4干を支える地支は時支1支のみの性格は、不安がありツッパりを見せ

言行表現はあからさま、丁を制尅する関係や劫財無く自己中心的で

他人の意見を取り入れる事少なく、むしろ自身の意見を尊重、

他人を軽く見る傾向で態度として現れ威圧的。

 比肩は喜でもあり喜運では、そうした性格はむしろ他人から見て

魅力に映り、自身の判断に間違いは少なく評価は高くなりますが、

忌運ではその反対傾向で他人からの評価は下がります。

4干を支える地支1支だけは、そうした事が気に掛かり不安はつのり

精神的に苦しい時期は仕事にも支障を来たす恐れがあります。

(転職・退職・拠点を移す等)。

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< 大運 >   本年34歳

97 87 77 67 57 47 37  27 17 07

〇 ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ ◎ 〇 〇

丁   庚 辛 壬 癸 甲 乙 丙   →(年運)甲乙丙丁戊 

比 傷 食 才 財 官 殺 印 倒 劫   ←運での天干の通変星

酉 戌 亥  丑 寅 卯 辰 巳    →(年運)己庚辛壬気   

✓ ✓ ✓ ✓ ✓ 〇 〇 ✓ 〇 △

    解           

 

< 大運では >

〇7歳~丙(劫財)運は、丁を隠蔽協調性あって人との折り合いもつけられ順調。

〇12歳~午運は、未丑解冲解合破格なし、火支2支 水支1支の強まり、

火の強さに比べ丑の乱れは少なく運的には悪くも無い筈が、

身近な人から見れば丙運と比べて気性の激しさや妥協性の弱りには、

驚くものがあったと伺える。

依頼鑑定はこの時期でした。中高一貫有名私立中学入学を可能にした。

〇17歳~乙(喜の偏印・倒食)運は、国立大学薬学部へ入学        

※この方が入学の時期、薬学部は数年の違いで四年間で卒業が可能でした。

〇22歳~巳運は、丁を強め喜運 薬剤師国家資格を取得、免許を生かして就職。

〇27歳~甲(印綬)は丁の燃料としては安定、何もかも上手く行き

人生で最高時期の可能性。結婚、男児誕生

〇癸・壬運は、忌の官運。癸は無根破格起らないが、上記の如く精神的に

多少みだれ立ち位置の後退の可能性、壬は年干丁を合去、

激しさはむしろ減少精神的にも樂だが運的には良くない。

〇卯は木支(印星)、間接に丁を強め喜運。寅は丁を強め印星を間接的に強め

卯運より勝る喜運。

〇辛・庚(財星)運の忌運、無根で破格なし忌運としては酷くは無いが、

割に合わない責任の重い仕事をするが空回り傾向、特に庚運はその程度は強い。

〇72歳~の子運は 月・日の未丑を解冲解合ですが、時支の未と日支が冲を

起こしたり!離れたりくっついたりと不安定減少は伴侶・子供・自身・社会環境の

乱れは要注意時期。

又丑子の水支による感情の乱れは、

 ストレスや健康の問題が起きる可能性を示唆します。

〇77・87歳~の己戊(食傷)運は、未が通根A5 B2は内格の範囲、

破格は忌運。己土は小さすぎ護丁の役目果たせず忌に変わりなし。

戊運は、水気無く燥土、又戊山1干1支でも烈火では護丁としては小さ過ぎ 

燥土は強い丁でひび割れ上から噴火 横から火が溢れる状態は現象・象意共

酷い状態です。忌の戊食は身動きままならず、苛立ちの感情は押さえきれずと

言った具合で、諦め悪く堪え性が無い状態です。

破格で比肩丁は忌、忌の集合体は健康にも問題が生じる可能性があります。

これもこう言った運を知れば然程では無い状況へと方向を変える事は可能です。

 

< 最後に >

 命式は忌の干・支が無く無疵 滴天髄・清濁論では疵の無い命式は「清」

と呼ばれ、比較的苦労が少ないと言われています。思春期から青年期に見合った

良い運に恵まれ質と性格的な事から独立可能な税理関係をお奨めしました。

32歳まで極めて良い運に恵まれている事から、基盤を作るには余裕の期間があり

頭の良さからも公認会計士は夢では無く、過去の鑑定経験から可能と

確証したからでもありました。

しかし この方のお兄様が先に税理士の道を選んだ事から、

彼の気持ちは薬剤師へと進路を取りました。

現役時代は大運に大した禍期はありません。

その道を活かし全うする事には間違いは無さそうです。

 又4干丁を支える地支は時支だけですが、喜の干を支える地支が時支へ帰宿

正真正銘喜!子供さんやお孫さんの未来が楽しみです。

「彼に幸あれ!」

 

( ブログの参考文献 )

平岡滴宝訳  「新訳・滴天髄」「神峰通考・干支体象詩」

平岡滴宝著    「子平学・四柱推命法深書」「秘本・子平廣論」 

 

( 子峰院 占い人・和珞 2021/05/09)