子峰院の子平学・四柱推命(鑑定例132)

 今年の八月はとても暑く夏休みを決め込んでいましたが、「どうしても」と言う

依頼が数件飛び込んで来ました。それも経験以来珍しい命式ばかりで、頭を抱え

込んだ八月でした。この命式もその中の1件です。

 推命仲間との会話で「内格で、日干類が強く身旺で、財が弱く食傷と官星の

無い命式は得だ」と「何故なら、傷官見官や食神制殺の関係が生じず、大運で

喜忌変遷が起きなければ食傷や正・偏官がすべて喜運になるから」と

すると仲間「でも順行ならかなり良いけど、逆行では食傷止まりで評価は技術、

出世の可能性は少ない」と、仲間の方が上手でした。

この命式は内格、比敗は無根で2干と強くは有りませんが児財官の透干が無

い事から内格、身旺と言い難いけれど「内格の身旺」比敗は忌の干となります。

財の透干は有りませんが、喜忌変遷運無く順行六十年干続け様に喜運の可能性

ですが、さて、鑑定はいかになるでしょうか。

 

<命式・男性> 

時 日 月 年     生月-5月 月令-丙 季節-夏

敗 比 敗 殺     甲己-干合(合去)

己ィ戊イ己 甲     午未-支合

未ィ午ィ巳ィ子キ

己 丁 丙ィ癸     戊己2干0支

 

A比敗2 対 B0  用神取法-扶抑法 (身旺) 格名-内格 忌の比肩格

Bが0の場合、Aが3迄は、基本内格となる

 

<大運>

天干と地支、夫々五年運で見ています。

癸運は化火 日干戊は丙 大運癸は丁に変化

 

94 84   74   64 54   44   34 24 14 4

子 丑 寅 辰 午 申 戌 子 寅 辰    ←十年運最初の年支

✓ ✓ ✓ ✓ 〇 〇 ✓ ◎ 〇 〇

己 戊 丁 丙 乙 甲  壬 辛 庚    →(年干)戊己庚辛壬

敗 比 印 倒 官 殺 印 才 倒 食    ←天干運の通変星

卯 寅 丑 子 亥 戌 酉 申      →(年干)丁甲乙丙丁 

△ △ ✓ ✓ 〇 ✓ △ 〇 ✓ ✓ 

    解 解 巳     巳    子    ←冲合する命式の地支

                        解-解冲解合   

 

己戊己甲    天干の干合や地支の冲等によって命式八字がより

未午巳子    少なくなっている場合は、干合・冲・支合の成立しない場

         と比較して見ます。その場合 比敗は3干1支 偏官1干1支

 Aは4 Bは2となって同じく内格に、Aは忌 Bは喜の干になる。

しかし、甲は喜の干の為、行運の庚辛(金)運は忌運となります

又、午未が冲の作用が無ければ、火支、巳午未は火の方局と月令とで火気

は非常に強くなりますし 丙丁の火運は健康面でも心配となります。

 

神峰通考、干支体象 子宮詩は言います。

「月支子水占魁名 淫澗汪洋不盡情」

(意味

月支に位置する子は、水支の中でも最も大いなるものと称され、

谷川の水から大海のようなたとえまであり、なかなかの情が伺えます)と、

月支ではありませんが、年支子は天干には壬癸の字を見なくても、

40代頃までは充分に力を発揮、月支巳(火支)は、冷たい年支の子の水を

温め水蒸気として命式全体に潤いを与えます。仮に、午未の冲の作用がなければ

方局の火支3支は、子を使い物にならない位弱めまめます。弱った子は

調候用神としての役割を、全く果せなくなり虚弱な体質となるでしょう。

 

( 養虎と猟犬 )

 滴天髄、穏顕論では「凶物深く蔵すれば、養虎の患い」と

運での火運は忌、午未の冲の作用が無ければ方局となった数匹の養虎は

丙丁運には、通根して命式を大きく変動させる恐い地支達です。

巳は、午未が冲であっても月支であり天干火の運では「養虎」にあたります。

滴宝先生曰く「養虎がいれば「猟犬」もいるだろう、一端解禁となればその

猟犬は生き生きと活躍する事は間違いないでしょう」と

閑支の子は、その「猟犬」にあたり、壬運には起きて猟犬の如く活躍して非常

に良い役割を果たす事になります。

 

(命式の徳)

例え八字が減る事によって救われるこの様な命式は、稀なケースだけに

「徳のある命式」と私は呼んでいますし、現実的にも不利な運だとしても

何かに助けられて大事に至らない様です。特に年支子は養虎と調候用神の

役目を背負った大事な地支になり、子を弱める、火を強める運はあらゆる

心配の恐れがあります。

 

(大運では)

 命式年月は偏官と敗財の合去ですが、幼少青年期、大運は喜の食傷運

遊びの中で夢中になれる事や良い遊び友達に恵まれ親を煩わす事は

無かったそうです。しかし、子を弱める午運は病気で入院をして淋しい

思いをした事があったそうです。

結婚は、大運は壬の非常に良い婚期でされています。

 さてこの方は、今年38才、大運は化火の丁運の終り、年運は壬寅年の

依頼でした。化火運は最後の年でした。

学生時代身に付けた技術で、母親の実家の会社(中小企業)で働いていました

が、社内技術革新の為に仕事場の移動があり、その技術に追いつけず精神的

に滅入り定期健康診断の数値にも酷い結果が表れ、欠勤する日もあって仕事に

支障をきたす様になったそうです。

「この状況から、何時脱出出切るのでしょうか」との依頼でした。

化火丁運の次は酉運、酉は天干に関係の無い閑支、年でも庚辛巡らず△と

しまいしたが、年では再び半年の化火運、42・43歳は丙丁の火運が巡る事から

直ぐに脱出とは行かないでしょう。

44歳からの甲運は、時干己を合去喜運ですが、命式は敗財の応用性が消え

命式はより淋しくなります。そこで年運を見ますと 戊申 己酉 庚戌 辛亥 

壬子と続き、何とかバランスが取れそうです。年運壬子は、バランスは水に傾き

戊土の状態が心配です。49歳からの戌は年運の火を強めまます。

火が強まり、調候用神の子が弱る時期は冷静さを失ったり、体調を壊す時期

になり、調候は仕事上の失敗と健康と他人からの迷惑の懸念等で 

比敗が強くなく自滅のケガの可能性は少ないでしょう。

 

追加の案件としては、ご子息をこの会社の跡取りとして

はどうか「本人は嫌がっていますが」と、この件につきましては元運の時柱と

ご本人の大運でお話をさせて頂きました。息子さんは嫌っていると言う事で

息子さんの鑑定はしなくても差支えない、と見ましたが

後日その案件は別として、息子さんの鑑定依頼も頂きました。

 

この様に八字が減り淋しくなった命式の鑑定は、あらゆる方法と、

大運や年運を丁寧に探る必要があり、そうする事で見えてくる事柄は

多くあります。

大運の横には常に、年運の十干も書き添えていますが、今回は十年運の

最初の地支運を書き添えました。これは万年暦を見なくても当てはめる事は

可能で慣れれば大した作業ではありません。                                                                                                                                        

(最後に)

 54歳~63歳の乙亥運は、乙は無根命中の土を尅す元気が有りませんし、

年運の地支は午・未・申・酉・戌と続き未運だけが乙は生木となって土を

尅す事が出来五年の内、未と壬運、夫々半年はチャンスの時です。

しかし大運から見ると、晩年は喜運続きの油断から、その後の自身の身の上

に起る事情を、経済的に支える余力を残さない可能性があります。

この様な事柄を含め丁寧な鑑定がこの方には必要です。

 今回は、かなり上級偏となりました。

                       

 

( ブログの参考文献 )

平岡滴宝訳   「改訂版 新訳・滴天髄」 「改訂版 神峰通考干支体象詩」

平岡滴宝著   「改訂版 あなたの運命のすべて」

        「改訂版 子平学・四柱推命法深書」

        「改訂版 秘本・子平廣論」 

 

( 子峰院 占い人・和珞 2022/09/26 )

 

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