子峰院の子平学・四柱推命 ( 鑑定例136 )

 今回の鑑定例は、平岡滴宝先生の著書である「秘本・子平廣論」、健康論

から一例を、ほぼまる写しいたしました。

この章の「人体の配置について」で、先生は

「古説では天干を六腑 地支を臓器とするのが通説のようになっていますが、

これは東洋医学の原則をそのまま子平学に応用したものと言えそうです。

しかし東洋医学の病症的理論と、子平学の現象的理論では多少の違いが

ありますから、現象的には確実ではありません。要するに子平学は治療医学

ではないと言う事です。」と、申されております。

 以上の事を踏まえて読んで頂ければ納得頂けるかと思います。

 

< 命式・男性 >

時 日 月 年  

           月令―癸 季節―冬

丁 己 壬 丁     壬丁―合去の干合

卯 亥 子 卯     己 1干0支

           丁 1干0支

 (内格 身旺)    先後―偏印

喜―庚辛壬癸

忌―丙丁戊己甲乙 (甲―激しい変遷) 

病―卯   元機―子

日干を含めて印比劫だけAグループの合計が2干0支で、Bグループが

 無い命式は内格、そしてAは忌・Bは喜となります。

 

五気;(木3 火1 土1 金0 水3)

「体質的な特徴としては、金が0で弱く呼吸器系が弱点ですし、体力より気力

(滴天髄、精神論)が勝っています。木火の関係は一見火が弱いようですが、

木が強く火を助けていますから異状はありません。金の肺系が弱く常に咳が

出る傾向があり、風邪を引きやすく腸も弱い方です。

 体形としては水木が強く背は高い方で、水も3と強く骨太です。金は弱いため

胸板が薄く、木は強く筋ばっています。それを包む肉質は己ですが、あまり強く

ありませんから体は柔らかい肉でおおわれていることになります。

又皮膚の色は金が弱く水木が強いですから全体的に黒ずんでいます。

 

< 大運 > 

98   88 78 68 58 48  38 28 18 8

〇 〇 ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ 〇 〇

 癸     戊 己 庚 辛    年運→乙丙丁戊己

寅 卯 辰 巳 午  申 酉 戌 亥    年運→庚辛壬癸甲

△ ✓ ✓ △ ✓ ✓ 〇 ◎ 〇 △  

亥     亥 子     卯 卯      ←支合・冲する命中の地支

 大運丁では胸部の皮膚癌の手術をしました。運では肺炎で入院、丙運では

心疾患で再度の入院をし、現在ではあまり無理のきかない状態になっています。

 古書では、病は地支に入って悪くとありますが、一概にそうだとは言えません。

人体配置での各地支はそれぞれの受け持ちで配分され、たとえば専支の卯は肝

系で良いのですが、寅は肝と心の二つがあり、命式の状態によってどちらかに

関係することになります。

先達各氏も詳細をつまびらかに推すべしと言っています。

 病は地支に入って悪いと言いますが、月令が喜、月支が元機の子と、

もともと水が強く生命力が旺盛でもあり、年運が子年でしたから、判断する

側から言えば命をなくすとは言えません。」

五気の数字と大運の喜忌の印は、私が書きました。

 

最後に、

 肺炎を患った未運、己と丁の夫々に1支ずつ通根して合計は4の強さとなっ

て内格から外格へと変わり破格、その上亥卯に未が加われば閑支ですが木の

会局となって、命式は大きな変動が起っています。

丙運後の、午運は元機の子を無力にしますからその後も健康については

不安が残りますし、乙運は卯2支亥の3支が通根して喜忌変遷運、喜の己

を酷く尅します。

 

火が強まる時期は 金気が弱ければ火は暗に金を弱める事があります。

鑑定経験からは、この様な場合弱められる方と弱める側のどちらか

両方の現象が起こる様です。

 

この様に、忌運が続き命式に大きな変動が起きる場合は、事故や怪我、

他人への迷惑、他人からの迷惑、病気等を見分ける事が肝要になります。

この方の様に見た目、大人しい命式はまず病気を疑ってはどうでしょうか?

 

 私もこの方を存じ上げていますが、乙運の頃人伝に車椅子生活と伺いました。

豪華客船で数ヶ月かけての外国へクルーズを計画立てましたが、

後に医療スタッフによって止められた話も伺っております。

「さすが気力のある人は、考える事が違うな」と悪戯に思ったものです。

 その後の甲運は、強化の干合に乙同様3支の通根で己をより酷く尅す

事になります。

 

身体を酷く痛めながら、気力の強さは喜怒哀楽を楽しむ余裕と生きる意欲

を失う事無く、自暴自棄から免れる力強さがある命式です。

 

 

( 子峰院の出版物 及び ブログの参考文献 )

平岡滴宝訳  「改訂版 新訳・滴天髄」 「改訂版 神峰通考干支体象詩」

平岡滴宝著    「改訂版 あなたの運命のすべて」

         「改訂版 子平学・四柱推命法深書」

         「改訂版 秘本・子平廣論」 

 

( 子峰院 占い人・和珞 2023/01/27 )

 

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