以前、「金多ければ、水却って濁る」の言葉をご紹介したかと思いますが
金に限らず同干・同気干or同支が、命式に多いと濁る(弊害)が起こる事が
多いと最近推命をしているとつくづく思う事があります。
人間らしいと言えば人間らしいのですが・・・
宿命と言ってもそのしんどさは並大抵のものでは無い方がおられるのに
は驚きます。
その場合、干関係はとても重要になります。つまり同干や同支が多くても
濁らない場合もあります。又ある場所によっても同じ事が言えます。
こうした判断は、私の場合先ず二人の師の言葉、古書による言葉
そして鑑定経験よるものですが、命式は絵や風景等と申しますが
以前から動画にして見て、鑑定下書きノートには目いっぱいそれを書いて
おります。
さて、
命式の天干はよく議論されますが、地支は固定概念で推命される事が
少なくありません。
命式は人そのものの表現を出来る限り推していく為には
天干は表面、地支は本質を現わしている事から
その本質を深く追い求めていく必要があります。
「地支の話は面白くない」と思われる方は少なくないと思いますが
わたくし、知られた天邪鬼でございますから
書きます。地支の個性を
そして、大好きなのでございます地支を書くことが
平岡滴宝訳 神峰通考・干支体象詩 丑宮詩曰の補注では
「天干に火が多く月支に午がある燥の命式で、年日に丑があれば
その丑は非情に良い質と言えます。
湿の命式では地支の午くらいではとよく言われますが、逆に丑は燥の命式を
救う事が出来るのです。
これは子午の冲で、午の力をそぐよりずっと良い調節になることが多く
味わいがあります。」
年から 丑・午(月令丁-夏)・丑の並びになります。
ここ最近、この文を就寝前お風呂の順番待ち時間で読んでいますと
では、時支にどの地支を入れれば理想になるかを考えました。
入浴中に湯船につかりながら「さて~~~」と思案・・・
しかし、考えますと何時もの通り命式次第、つまり天干次第でどの
地支が良い等と言い切れるものではありません。
只、このままでは五気の中でも火土金水はありますが木気がありませんから
木を支える地支が欲しいと考えましたが、未は丑と冲で使えません。
寅卯辰亥の内何れかとなりますが、何れも何某かの弊害があります。
ですが、私は第一に寅を選びました。
(年丑・月午・日丑・時寅)の並びになります。が
この場合ですと正気の蔵干は暗合
どちらかと言えば丑の方が苦しいですし、丑は寅への奉仕になります。
等と考えていると、入浴中のぼせてしまいました。
(丑について)
干支体象、丑宮詩日では
「隆冬建丑怯冰霜」(冬さかんにして丑たつれば冰霜をおそれ)と言い
月支の丑はかなり冷たそうですし
「暖土誠能生萬物」と言い、
丑の土が温められれば萬物をよく生じる。又は育てる。とも言っています。
丑は月支でなくても、二支ともなればかなり冷たいく温め難いものですが
午月に時支に寅があって挟まれれば凍土の丑は段々と解けて温まる筈です。
こうなりますと丑は元々辛抱強さに特徴を持ちますから
丑の土は、じっくり構えて時を待つ事ができます(耐え忍ぶ)し
物の役にも立つはずです。
この場合寅に支えられた甲木も枯れませんが大きくなり過ぎること無く
天干や運の戊に悪さをし過ぎる事もありません。
午が冲で抜けた場合の推命は留意の必要がありますが、季節の夏(月令丁)が
無くなる事はありません。
本来丑2支ともなれば、その冷たさから象意的に推しましても陰鬱等の性格
や体質的にも弱点(濁)が現れますが、この場合はそれとは異なります。
この様に同干同支が多くても濁とならずに良い作用の場合もあります。
濁となる場合は、喜の干・支であっても命式から抜ける場合は、悪い事ばかり
では無く、その象意を見抜く事はとても大事になります。
又、同じ天干や同じ地支が2つ以上ある場合の運は
もっとモット深堀して推命していく必要があります。
今回の漢文は論語から選びました。
( 論語 堯日第二十 )
子曰、「不知命、無以為君子也。
不知礼、無以立也。
不知言、無以知人也。」
(読み)
子曰く(しいわく)
「命(めい)を知らざれば、以(も)って君子と為(な)す無(な)きなり。
礼を知らざれば、以って立つ無きなり。
言を知らざれば、以って人を知る無きなり。」
( 訳 )
先生(孔子)が仰るには
「与えられた運命を知らなければ、人の上に立つような立派な仕事を
安心して出来ませんから、その資格はありません。
礼を知らなければ、正しい行いが出来ませんから
人の上には立てません。
相手の言葉の真意を知ろうとしなければ、
その善悪や道理に適っているか否かは解る筈がありません。」
滴宝先生は私への形見として多くの本を残して下さいました。
中には、橋本武氏の「中学生のやさしい文法」の様に中学生向きの教材や
「ことわざ辞典」等と中学受験に必須の小学生用の辞典から
中国・台湾の漢字ばかりの本や礼記~淮南子迄多くの書物を残して下さい
ました。
「中学生のやさしい文法」は積まれた本の一番上に置かれていた為
仲間が目を付け「譲って欲しい」と言われましたが、先生には多分思惑が
ある筈と首を縦に振りませんでした。
どの本も読み古し今なお読み続けております。
上記の論語もその中の一冊から選び、資料を基に自分なりに訳してみました。
( 子峰院の出版物 及び ブログの参考文献 )
平岡滴宝訳 「改訂版 新訳・滴天髄」 「改訂版 神峰通考干支体象詩」
平岡滴宝著 「改訂版 あなたの運命のすべて」
「改訂版 子平学・四柱推命法深書」
「改訂版 秘本・子平廣論」
( 子峰院 占い人・和珞 2024/11/01 )
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