己土⇔壬水
この関係を平岡滴宝先生は、子平学・四柱推命法深書の中で
「己土濁壬の関係で、総括的にはどちらも尅せれるように理解されていると
思いますが、どちらかがより尅されているかを、知っておかれた方が良い
のではと思います。」と、述べております。
加えて「壬の強さによって己土は壬にまじってしまい、己の通変の意味は
損失しますし、強さによっては泥土で止まることもありますが、いずれにし
ても己土は軟弱になることに変わりありあません。」と、申しております。
＜ 命式・男性 ＞
時 日 月 年
比 比 比 財 月令－辛 季節－秋
己 己 己 壬 己３干１支（４）
巳 丑 酉 子 壬１干２支(３)
辛
A4 対 B３ 内格正財格
滴宝先生は、この様な命式は先ず泥土か流土なのかを見極める必要があると
書いておられます。この命式は泥土ですが、己は４・壬は３で己が１だけ強く
己は忌、壬は喜となりますが、水が１強まる時期は数字的には平均が取れます。
しかし、干関係上壬の方が強くなり喜忌変遷、忌運になります。
この様な時期、命式は泥土から流土に変わりますから象意をキチンと見分けて
助言すべきでしょう。
壬の通根は子と丑は半合ですから亥運では水局になります。
＜ 大運は ＞
泥土から流土の変わりようや己壬のバランスや干関係を見ますと
なかなか喜忌が取り難い命式です。
100 90 80 70 60 50 40 30 20 10
己 戊 丁 丙 乙 甲 癸 壬 辛 庚
比 劫 倒 印 殺 官 才 財 食 傷
未 午 巳 辰 卯 寅 丑 子 亥 戌
〇庚辛運は、月令に旺じら酉丑の通根は沈金ではありませんが、己土が強す
ぎて洗金の良さは出にくいでしょう。喜忌変遷はどちらかと言えば汚れた壬水
で金を洗うような食傷運は、恰好を付け過ぎ虚飾傾向で経済的損失ですし
↓ 望む成果は今一でしょう。
〇戌運は、己土を強め忌運、競争心は募りますが実質が伴わず、悪い友達
と徒党を組み軽率な行動、年頃として悪さに目覚めないと宜しいのですが・・・
〇亥・壬・癸運は、水を１強めます。１強め壬や壬癸が１強まって４。
己４と壬４の双方が同じ数字であって、壬水の方が己土よりかなり強くなり
喜忌変遷が起こります。亥運は亥子丑の水局(方局)ですから壬は５の強さ程
あり、己は流土、壬運も流土、癸運は冲天奔地で流土どの運の象意はキチン
と分けられてありますが、日干己の三比から見ますと悪い仲間と徒党や口車
に乗り騙される等があります。親の財に手を付けそうです。
〇子丑運は、子は日支丑を、丑は年支子を支合で無作用、忌運です。
特に丑を抜く３５歳からの子運は、壬と己を弱めますが、比肩は３干あっても
無根になり表向きは弱さを隠す為の虚勢が目立ち、自身の思いと評価は違い
自身のコントロールに意欲を無くすような辛い時期となりそうです。
子を支合で抜く丑運は忌運、汚れの無い年支の子を抜けば、壬の汚れの度合
いは酷くなります。例え独立結婚をしても、日支は丑、この命の喜忌変遷の時期
いずれも財に理会の時期がありません。御本人によく似たお相手ですしこの時期
ならとお勧め出来る時期は少ない様に思います。
〇甲乙運、甲運は月干の比肩を合去喜運、精神的に楽な時期となります。
結婚時期や調節期には宜しいでしょうが、晩きの感があります。
乙運は、喜の偏官運は無根で浮き、立ち位置等に定まりなしですが喜運
定まり無い場所で少しは良い事があるのかも知れません。
(無根で己土を尅す元気は有りませんが、勤め人であれば喜の偏官運！栄転の
可能性は無きにしも非ずです。）
〇丙運は、忌の印綬運壬己共への影響は現状維持
〇丁運は、壬を合去命式は外格従旺へと変わり忌運、環境の変化等
年齢は８０歳からになります。
金多く木気はありませんから肝経は弱りですが、周囲からの良いサービス
等の期待できないでしょう。
〇卯辰運は、月支酉を冲・支合で弱めます。酉は閑支、年運にもよりますが
現状維持。
〇戊己午未運は、間接的や割合的等比較的に、壬水を弱め土を強めます。
６０歳以前の行動が自身を追い詰めます。
「人は運命を知らずして」とはよくいったものです。
＜ 最後に ＞
群劫財奪の命式です。弱音や愚痴が多く、愚痴の一つが身内の人へ
お金があっても無くても「お金が無い」でしょうか。年柱には水を汚さない気難
しいお方がおられます。時支巳の印星では知恵は期待できず只々「お金が・・・」
となるのではないでしょうか。喜の年支子から始まり喜の壬・・・・忌の時干己で
終わっていますし、命式や大運の流れから見ても自ら実家財を使い果たす
可能性があります。
性善説や性悪説では、結果的に「教育の必要性」を訴えています。
私は、しかも、幼少期の良質教育の重要性を訴えたいと思います。
英才教育にしろ情操教育にしろ、この方はどちらでも良いでしょう。
基盤もしっかりしていますし、ご本人への投資には無理がありませんし
大運は、傷食運から始まっております。生涯通して飽きない相性の良い
趣味程度のものでしたら出会える可能性は十分にあります。
（※最も重要なのは、本人の将来を思う身近な特に親御さんの愛情です。）
そうすれば、この方の人生は、最終的にある程度変わる可能性はあります。
（ 子峰院の出版物 及び ブログの参考文献 ）
平岡滴宝訳 「改訂版 新訳･滴天髄」 「改訂版 神峰通考干支体象詩」
平岡滴宝著 「改訂版 あなたの運命のすべて」
「改訂版 子平学・四柱推命法深書」
「改訂版 秘本･子平廣論」
（ 子峰院 占い人・和珞 ２０２５/０６/２２ ）
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