子峰院 和珞の子平学・四柱推命の鑑定例 No57

平岡滴宝著 子平廣論の中の命式です。著書の中には命式とその説明はありますが

大運はありません。よって私が大運に挑戦してみました。

私の御近所の方で、子供の頃は商売を営む両親を手伝い働いている姿をよく

見かけました。良く喋り快活な子供さんでしたが、同じ年頃の仲間を寄せ付けない

独特の雰囲気を持ち合わせた人でもありました。二人兄弟の次男ですが、

長男の方は両親から離れ独立し、この方が両親の傍で暮らし

会社勤めをしているとの事です。

 

< 命式・男性 >   生日9/30 逆行 節日 9/8 45歳

時 日 月 年      干合・冲・支合なし

官   食 才      己1干丑戌2支  (3)

甲ィ己キ 辛ィ癸ィ     辛1干(令1,5)酉巳丑戌4支 会局1(6,5)

戌△巳ィ酉ィ丑ィ     癸1干丑1支    (2)

戊 丙 辛ィ己      甲3(強化)干0支  (3)

 

 < 用神取得法と格名 >

辛は月令陰干で1,5倍 4支 加えて酉巳丑は金の三合会局1プラス 

合計は6,5となる。

Aグループ(日干を強める)日干=3

Bグループ(日干を弱める)食神・偏財・正官=11,5 

A3 対 B11,5 ( 用神取得法は、扶抑法 内格食神格 )

A弱くAの日干己が喜 Bが強くBの辛癸甲酉巳が忌となる。

丑は、忌の癸辛と喜の己に通根で忌。戌は忌の辛と喜の己に通根で△。

※A 1 対 B4以上 でBの外格になるが、A3 対 B11,5 は内格の範囲である。

 

< 命式の特徴と性格 >

1干2支の己は負けず嫌いで一途だが、戌の通変星の戊・劫財の出方は

ユニークで味がある。

格名は内格食神。月干辛は年干癸とは湿金 日干己とは汚金 湿金汚金丑を

根にもつ己土は粘りのある土で汚れがこびりつき落ちにくい辛となっている。

忌で6,5と強い湿金汚金辛の食神の性格は、日干共に強く出しゃばり過ぎ 

表現はオーバーで落ち着きが無く(過剰行動) 人には誤解されやすい、

意思が伝わりにくい。この場合の辛は銅・食神はよく動き(働き者)汚れる事を

嫌わずどんな仕事でもする人。月干・社会環境の人間関係の仲間達(月干辛)

は汚す己(本人)を嫌い嫌われ者。しかし本人はマイペース形でそれを気にする事は

無く辛の食神強く虐められる事もない、言い換えれば自分自身に正直な人

年干癸の忌財は丑を還流し日干(本人)己に通じている。己は戌をも根に持ち忌財を

簡単に尅す(吸収)事ができ決して多くは無いが財は回る人、

又年干(父親)と年支丑(母親)の両親からの援助を期待しそれが可能な人。

時干甲は日干己とは絆神の干合3倍で根無しの材木 材木は日干を制・尅できず

自制心は少なく思い通りの行動性 日干と食神は一層のお調子者。

又3と強そうに見えるが根無しの甲上司(正官)を馬鹿にする態度は食神の関係

共にあからさま、しかし行運で甲は根を持つ事があり3干1支の甲となれば

己土に取っては恐い相手で、そうした態度も相手の様子を窺いながらになる。

強い忌の食神と制の効かないない日干が、

もたらす片寄った性格と行動性が心配な命式です。

 

(命式)

甲己辛癸    

戌巳酉丑    

  辛      

< 大運 >

生日9/30 逆行 節日9/8 30-7=23 23÷3=7あまり2 初運は8歳

8 18 28 38 48 58 68 78 88 98

✓ 〇 〇 〇 〇 ✓ ✓ ✓ ✓ ✓   

庚 己 戊 丁 丙 乙 甲 癸 壬 辛    ←(年運)辛壬癸甲乙

傷 比 劫 倒 印 殺 官 才 財 食    ←大運の通変星

申 未 午 巳 辰 卯 寅 丑 子 亥    ←(年運)丙丁戊己庚

〇 〇 △ ✓ 〇 〇 ✓ ✓ 〇 〇

巳 丑     酉 酉     丑 巳    ←冲・支合する命式の地支

〇8歳庚(傷官)運は、行動性に複雑性が加わり元気過ぎる本人を心配して

親御さんから滴宝先生に相談した時期でしたが、以後の運が良く「心配は無い」

との返答にも親御さんは半信半疑だったそうです。

〇13歳申運は、巳と支合辛金を弱め喜運。塾経営の叔父の元で勉強を

見て貰い地元の人気公立高校に入学。

〇18歳己運は、比肩運でいじっぱりや競争心が強くなるが喜運。 

負けん気を生かし、この時期就職率が高いと言われる体育大学に進学する。 

〇23歳未運は、癸辛己を強める丑を冲で無作用にする運、丑は辛にとっては

悪影響を及ぼす地支で喜運とした。就職する。

〇28歳戊運は、年干忌の癸を合去喜運。年干父親の忌財を尅しきり、

父親の僅かな財の援助を求めずに生活ができる様になり、

生活は完全独立の可能性。

〇33歳からの午運は閑支で△ 四天干に通根せず影響は少ないが年運丁に

通根する。この時期結婚の相性相談で渕宝先生が見る 無事結婚する。

〇38歳丁運は、偏印・倒食喜のAグループで喜運ですが、丁には巳と戌の2支が

通根3の強さとなり四天干に影響を与える。甲木は0支と洩気(燃えるような)

しやすく、運の丁火を強め丁は忌辛を弱め、

日干喜己土を強まる(喜の己を強め木火通命) 

癸甲辛が弱り財・地位に恵まれる。己土の強まりで辛の汚金作用の強まりの可能性

で深読みの推命が必要となる。(依頼者に対して最も的確な推命の報告を!)

今一「とっても良い」とは言えそうにない時期。

〇48歳丙運は、忌辛食神を合去する、命式はA喜己(3) 対 B忌癸2甲3(5)

と平均がより取れ喜運。食神合去で日干の側干は年干の忌財癸となる調候は、

生き方の方向転換を運により強いられる時期となり、

年干父親の忌財(赤字経営の事業)を引き継ぎ以前の単価の低い仕事より

待遇は良く、自身で使えるお金が増える時期の可能性。

喜運は何とかやっていける事を意味している。  

〇58歳乙運(偏官・殺)は、忌のBを1プラスで忌運。日干己土は、

根無しの乙に尅される事は無く命式に変化は無さそうに見えるが、

時干(将来性・元亨利貞は60歳以降)の忌の甲を強める、

将来性に陰りの調候、甲乙(官・殺)の地位の低下は評判や人気を落す可能性。

〇63歳卯運は辛の毒を無作用にする時期で評判を取り戻すでしょうが

〇68歳甲運と寅運は、忌Bを強め忌運。時干忌の将来性を強める調候は

乙運に同じくですが、甲運からは忌運が続きその意味はかなり異なるものとなる。

甲寅運は評判を落とし事業の継続が難しくなったり、

家庭崩壊などの心配も起きてくる。

〇73歳寅運は甲に根がつき己土はひどく尅され 忌の正官制約過多で年齢を

考慮しベッドの上の可能性。

〇78歳からは、癸丑壬と忌財を強める運に入り 経済的に苦しい時期で

倒産の可能性、甲寅運でもその可能性はある。

壬運は辛強く洗金作用は出ないが、忌の冲天奔地、年齢的にも洗金作用より

体調面では沈金作用が出る為 行動(辛食)の制約で年齢を考慮してかなり

ひどいと見る。最低でも耳は遠くなる。

又日干己土は濁壬で痴呆症なども考えられる。

予防医学が進んでいる現在ではこうした調候は、

健康管理にも役立てられるはずです。

< 感想 >

※湿金汚金で強い辛は、干関係などで弱まる事が少なく、時に針 

時に鋏と言った出方、どちらかと言えば忌の強い傷官のような出方をする。

滴宝先生は著書の中では、10歳より上昇運の好運児と記しています。

この様に働き盛り喜運が続く人は多くはありませんが、形影論(程度論)的に

言えば、命式中に頭脳や器用の良さを表すものが無く 

この方の最大の長所は動く事を厭わない処にあって、

縁の下の力持ち的存在で、ごく普通の人と言えるでしょう。

 

( 子峰院 関都詮人・和珞 2018/11/13 )

 

 参考文献  平岡滴宝著 「新訳・滴天髄」 「神峰干支体象詩」

 「子平学・四柱推命法深書」 「秘本 子平廣論」

 

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