子峰院 和珞の鑑定例No104

大運の接木、前半すこぶる良く後半悪くなる人は忌運の最初の運は、

運の良し悪しを二分するかの様に変動が大きい事がよくあり、

年齢的には四十・五十代が多いようです。これを四十の転角・五十の転角等

と申しまして、この方も五十の転角の人です。

  今回は生時推定を十三通り出した中で、この時間が大運にピッタリ来ました

事からの推命となりました。時間推定の作業は至って好きです。

 格名は外格従旺。従旺格は印星の透干がある方が貴命になるとの論、

この命式は貴命と言われる多くの論に当てはまります。

しかし私は意地悪かと思われるほど、こうした論を盾に依頼者を喜ばせる事を

良しとはいたしません。むしろ命式の弱点を見つけて、大運の何時が苦しい

時期となるのかを知らせる事を一つの目的にしています。

     子平学 四柱推命 運命学                  

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< 命式・男性・推時 >

時 日 月 年    

敗   倒 倒    月令-甲 生月-2月 季節-初春

(丁)(壬)       (化木)

乙 甲 壬 壬    甲乙(令)2干寅未4支 (7,5)

未 寅 寅 寅    壬2干0支 (2)

己 甲 甲 甲    A9,5 対 B0

 

用神取法―専旺法(外格)  格名=外格従旺(印より日干比強い)

日干と月令が同じ(建禄格) 化木格

喜の干=甲乙壬癸丙(逆生)丁(化木)

忌の干=戊己庚辛

 

 < 命式は >

 格名は外格従旺、自分の思い通りに生きるタイプ。地支全ては喜の木に通根し、

印星と日干・敗財の透干で忌の干・支が無い、疵なしの命式(貴命)

季節は春、壬は2干あっても根なし、浅い池の様なもの。

寅は甲を甲らしくする地支で根は太く、未の根は細く寅の毛細根、

寅3支と未が支える甲は大木。しかし4支共火の地支でもあり水を欲しがる

木でもあり2干の壬(倒食・偏印)水をよく吸収(利用)する。

又乙も水分不足 この場合甲木の枝葉となって甲木から水分を補給する。

よって甲木は枝葉を繁らした春の大木

印星は、自身を贔屓(ひいき)にしてくれる、親や親戚や上司の様な人、

彼は医学研究者!社会環境(月干壬)と生まれた環境(年干壬)は同干、

同じ環境の可能性を言い、親族の多くは医学関係者、

本人は細胞学や再生医療に従事、研究に力を注ぎ活躍された方です。

 

<  大運・順行  >

丁運は化木、丁は乙に変化

90 80 70   60   50  40 30 20   10 0

〇 ✓ ✓ ✓ × 〇 〇 〇 〇 〇  

壬 辛 庚 己 戊  丙 乙 甲 癸   →(年運)壬癸甲乙丙

倒 官 殺 財 才 傷 食 敗 比 印   ←大運干の通変星

子 亥 戌 酉 申 未 午 巳 辰 卯   →(年運)戊己庚辛

〇 ✓ ✓ ✓ ✓ 〇 ✓ △ 〇 〇

  寅     寅   未         ←冲・合する命式の地支

 

 行運は、木水が強まる時期が喜。 又丙(太陽)は、喜の甲乙を逆生して喜。

丁運は、壬と化木 丁は乙 壬は甲となり木を強め喜運となります。

月令甲は喜の天干甲を二倍、乙を1,5倍で強め強運の持ち主と言えます。

大運は0歳から50歳まで、午運を除けば喜運、午は時支未を冲で無作用にして

木を弱め忌運ですが、1弱まっても強い木には大した事では無く、

まして長い喜運に挟まれた午運は、堪えず命式の変動は少ないと見ました。

順風満杯で50歳までは過ごしています。疵無しの外格従旺は、

長い喜運ではかなりの成果と地位を保証する事になります。

式日干甲に年支の寅は華蓋星を言い、この方も執筆・論文の神様と言われるほど

文書力には長けた人であった為、戊運の始め頃、ある同僚の研究論文の手伝いの

依頼を受ける。研究成果は思わしく無く、論文の不正を取り立たされる事になり

社会からは攻められる状況に陥り、精神的苦境に追い込まれた52歳、

大運は忌の戊(偏財)運自ら命を絶ってしまいました。

こういった世界での論文の不正は有る程度ある事で、この方の才能に比べれば、

然したることでは無いと、専門家の方々からは惜しむ声が多数あったそうです。

 

 戊運について、火の地支でもある未が通根した戊は燥土、無根の壬を尅し切り

壬水が弱る調候は、戊山に壬(偏印)水が吸収され弱る調候で、思慮、思考、

そして自身を贔屓にしてくれる人達の力の弱り、若しくは自身の傍から離れて

行き、協力者や味方がいなくなる状況下と名誉(偏印)の失墜にあたります。

又戊未に取って無根の2干の壬水では戊土は粘土より硬い土で、

幾ら通根の地支が多く、強い甲木であっても水支を持たない甲木に取っては、

戊と相尅どちらも苦しい状況となります。

 こうした状況は誰にもある事ですが、

登りつめ唯我独尊・我が世の春を味わいつくした人に取っては

自尊心と自信は粉々に挫ける事になります。生時は推定ですが、

こうした日干敗財が強い人であっても、心が弱る事がある事を知っておく

必要がありそうです。又現実的にも多数例あります。

 

丙運について、甲木は枯れ、根腐れ、浮漂などで推命をしますが、

丙とは、枯れと逆生を見分ける必要があります。丙には寅未が通根5の力が

あり壬水との力関係を見極める必要がありますが、

実際には丙運はハプニングもあったようですが、丙は食神=行動性、

渡米し研究の幅を広げその成果は順調だった様ですから、

この場合は逆生を取り喜運で良いでしょうし、

2干の壬はかなりの力で命式を救っている事は間違いありません。

すこぶる良い命式ですが、もし子辰のいずれかの水支があればこの様な

結果にならなかったのではと思います。

又亥子丑辰申の水支の内 丑は未と 申と亥は寅の冲・合で無作用になり、

行運では子と辰だけが生きて作用するだけで、水支を持たない大木にはその

機会は少な過ぎると感じています。

 甲日に寅3支は、早合点・早とちりの命式 忌運には悪く作用します。

壬水が根を持ったとしても、寅3支の甲は浮漂にはなりませんし、

2支となっても同様です。

              ( 無断転載を禁ず )

 

( ブログの参考文献 )

平岡滴宝著 「新訳・滴天髄」「神峰干支体象詩」

                      「子平学・四柱推命法深書」「秘本・子平廣論」 

 

( 子峰院 占い人・和珞 2021/02/13)

 

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