子平・四柱推命 運命学
ある若手占術者から持ち込まれた人です。「江睴相映」の命式で賢いはずが、
現実には「心の病」らしいです。と・・・
「江睴相映」とは、丙(太陽)と壬(湖や海)の関係。湖に太陽は映り輝きは増し、
映っった太陽も湖も良く見え、調候は、通変星のどちらかが忌であっても
通変星の意味が良く出る。日干なら見栄えが良く賢い等と言われたりします。
滴宝流では、加え日干が丙の場合、鏡(壬-湖)に映れば自身のやっている事が
見え、丙の大らかさと合わせて、落ち着きあって失敗の少ない人。
命式次第では先見の目があるなどと判断する事もあります。
しかし、この命式ではどうでしょうか・・・私は次の様に推命いたしました。
< 命式・男性 >
時 日 月 年
官 殺 傷 巳申―支合
癸キ 丙ィ壬キ 己ィ 丙1干0支 (1)
巳ィ申キ 申キ 卯ィ 己1干0支 (1)
丙 庚 庚キ 乙 壬癸2干申1支 (3)
Aとは、日干を強めるグループ=印日干比敗
Bとは、日干を弱めるグループ=食傷財官
A(日干)1 対 B(傷官殺)4 癸は雨、天上は雨雲 癸は丙(太陽)の光を弱め、
丙は1マイナスα よってBはAの4倍以上で Bの外格
用神取法は専旺法 格名は外格 (ぎりぎり外格)弱従殺格
※Bが干合・冲・合で1以上弱まったり Aが同じく1以上強まる時は
外格破格となり要注意
( 干の喜忌は )
Bの外格は、B が喜 Aは忌となる筈だが、己は傷官でB、
しかし喜の壬を尅す(濁壬)ため忌、行運の食戊は時干喜の癸を合去で忌、よって
喜の干=庚辛壬癸 忌の干=甲乙丙丁戊己 となる
< 命式は >
〇格名は、外格従殺、推命は体干を殺の壬と日干丙と両方で見た方が見やすく、
両方を体干として、交合で見てみました。
〇己1干0支と壬に尅されて弱く、傷官の性格は殆ど出ない。
この命では壬己は相尅(壬は己に汚され、己は壬に飲み込まれている。)
〇日干丙(太陽)は1干0支と弱く、癸(雲)は眼下にあり、暖や輝きを地上に届ける
目的を邪魔され、太陽の役目を果たせない程弱った丙であるため、
気弱で決断力が乏しいが、内心不満(癸への)を抱えている。
〇丙(太陽・日干・本人)は、月干壬(湖)を鏡代わりにして、自身の輝かしさを映し
見たいが、壬は側干(年干)の己で汚れて(濁壬)光は僅かしか見えず、
時干の癸(雨雲)はそれすら見る事を邪魔します。
丙(1干0支癸と濁壬によりよわめられて弱く)は、例え癸がはれても濁壬では
映し見る事が出来ず、己の汚れがなくなっても雨雲で見えず、
誰も弱い自分を助けてくれないと思っている。
〇月干(社会環境)壬と日干丙は「江睴相映」の関係で社会に出たいと考えるが、
月干壬は濁壬で成果を挙げられず評価が低く、酷い下積み生活を強いられる
ため、決断力の弱さから世に出辛くなっている状態で、
内気で大人しく表現力の乏しさから不満や不安を溜め込みすぎている。
19歳「心の病」と診断された。この様な人は、第一に精神的な面から、
次に環境的な面での推命が重要となります。
※大運は、全ての行運の拡大、人は年月日時の全ての行運で 大運と同じ様な
流れの影響を受け人生を送っている。
この方の「下積み感覚」は命式からと行運によって受けている。
< 大運・男性・2年運 >
92 82 72 62 52 42 32 22 12 2
〇 〇 ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ 〇 〇 →(年運)辛壬癸甲乙
壬 癸 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛
殺 官 倒 印 比 敗 食 傷 才 財 ←大運天干の通変星
戌 亥 子 丑 寅 卯 辰 巳 午 未 →(年運)丙丁戊己庚
〇 ✓ 〇 △ ✓ ✓ △ ✓ ✓ ✓
卯 解 申 申 ←冲合となる命式中の地支
(命式)
時日月年 〇辛・庚の財運は喜運、経済的な環境の良さ、
官 殺傷 しかし2歳からの辛運は強化三倍、月令計算をすれば天干は、
癸丙壬己 4,5干丙は弱く輝きで負けの意味、喜運であっても気分的には
巳申申卯 面白くない、意味もなく機嫌の悪い幼少期だった可能性。
庚
〇12歳からの庚運は、壬庚の地支申は還流によって喜体干壬を生じ
喜財によって地位が守られたて人生で一番良い時期(財による環境の良さ)
喜財庚は沈金(洩気)気味、出費の可能性。
※命式から見る家庭環境は、母親は(年支の卯は木の専支で蔵干は乙〈印綬〉)は、
一途で教育熱心、日干(本人)丙に対し期待や欲求は強いが期待はずれの感
又側支申の蔵干庚とは暗合で暗尅と弱められ、父親(年干-己)との関係は
「乙、己土をよく尅し」だが弱められた乙では力及ばず、己(父)は壬水を汚し
本人や母親との関係は悪く 又己は壬から流されて苦労は多く家庭を顧みる
余裕はない、両親夫々は家庭的・精神的に問題を抱えており、
家庭環境は本人にとって居心地の良い場所とは言えない。
〇大運は17歳からの午運は日干丙を強め、19歳年運は戊戌、戊は、
時干(将来性)喜の癸を合去、戌は年支卯を支合した歳に「心の病」と診断された。
〇大運22歳からは土を強めたり 火を強めたり 水を弱めたりと忌運が続き、
環境の変化や症状の悪化が考えられる。
〇辰・丑運は、壬癸と己を強め△ですが、割合的には濁壬の汚れを強め
精神的には優れず。生涯精神的に癒される時期が少ない。
< 五気と丙癸の関係 >
金2 木1
土1
水3 火1
五気では精神力 包括力共に弱く、精神力は尅にあい尚弱っている。
五気での精神力の弱さ 加えて包括力の弱さで、精神力の弱さに拍車が
かかっている状態。体力は強いが、日干が弱いために全ての思いを
表現できずにいるが 忌の日干が強められる時期は、
表現方法は体力に頼る傾向、又 丙と癸は激で干関係が悪く調候は反発や
怒り等で、体力表現は厳しいものになると推命しました。
体質的には、命式中 土は水に尅されて1と弱く胃・腰に弱点があり、
火と水の問題は命中では、距離があり体質的な問題は少ないと見た。
( 生きる目的は )
本来は社会に進出、倍増の立派な自分で活躍 そして他人に認めて貰う事と
書きたいのですが、年支卯の蔵干乙の印綬・思考力は暗合で弱り、
命式の状態を加えてそれを望む余裕はなく
「環境に恵まれ、精神的に楽な日を1日でも多く過す事」。
雲ひとつ無い日に、山の中腹などから、海や湖を見渡す事ができれば、
この方は、ひと時でも精神的に安らげるのではないかと、
推命しながら思いました。
< 子平学の基本 >
↓
参考文献 平岡滴宝著 「新訳・滴天髄」 「神峰干支体象詩」
「子平学・四柱推命法深書」 「秘本 子平廣論」
( 子峰院 占い人・和珞 2019/05/13 )
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