子峰院の子平学・四柱推命( 秋月冷たい命式乙の見方如何に? )

 丁度五十の転角期にお母様からの依頼、

長年統合失調を患い、本人と御両親の年齢から今後を心配されての事でした。

特に此処10年その症状は思わしくありませんでしたが

症状の軽減と今後独り身は可哀相なので結婚の可能性を訪ねてこられました。

私は統合失調症の知識は殆どありませんでしたが、ここで半端な知識を取り

入れるよりも子平学からの推命に素直に頼る事を試みました。

数十年前からグループホーム等、福祉のお世話にもなっているそうでした。

 

< 命式・女性 >

時 日 月 年      干合・冲・支合無し

食   食 殺      月令-辛  季節-秋     

丁 乙 丁 辛      乙1干1支(2)

丑 丑 酉 亥      丁2干0支(2)

己 己 辛 壬      辛1干(令)3支(4,5)

A2 対 B6,5    身弱 格名-内格編官格

 

< 命式は >

乙亥-喜   丁-△   辛酉丑-忌

季節は秋ですが亥丑2支は共に冷たい地支です。特に丑の冷たさは側支

の巳でも解かし難いと言う位に冷たい地支ですから命式は冷えています。

天干丁は2干ですが無根ではこの命式を温めるには少し物足りなさがあります。

しかし、弱い喜の乙は丁が根を持ち強ければ洩気は激しくなります。

又、亥を根に持つ乙は湿木ですから丁への洩気の抵抗力を持ち亥は元機

地支になります。辛丁は食殺の関係ですが上記の通り丁は忌殺に対して喜と

ばかりは言い難くいものですが、月干の丁は金寒水令に対しては程好さが

あります。この命での丁は上記の様に複雑な存在ですのでの運での見方には

留意が必要になります。

性格的には、覇気の無さが目立つ命式です。

基本内格身弱の場合 比劫敗が喜、児財官は忌になりますが、

この命の場合乙がよく育つ時期を喜といたしました。

判断は容易ではありませんでした。

 

平岡滴宝著 子平廣論より

 渕海子平は言う

総じて定説を言うは即ち死法、すべからく格局に従い、喜忌これを推し

いつ(一つ)をとるべからず

意味

全体的に命式や運がこうなっておればこうだと言い切ってしまうのは、あまりにも

固定観にとらわれすぎです。推命法はともかく外格内格によって干支の喜忌を

はっきり知って判断すべきです。

 

仕方ありません。これが子平の起源で基本ですから

もしかしたら子平と四柱推命の違いはこの様な所にあるのかも知れません。

 

 

< 大運 >

21才~の庚運は、月令が金の為日干乙と化金しますが、

変化は日干乙が辛に変わり庚はそのまま。

 

91 81 71   61 51 41 31 21  11 1

△ 〇 〇 〇 △ ✓ ✓ ✓ ✓ ✓

丁 丙 乙 甲 癸  辛  己 戊

食 傷 比 劫 倒 印 殺 官 才 財

未 午 巳 辰 卯  丑 子 亥 戌

〇 ✓ ✓ 〇 〇 ✓ ✓ 〇 〇 ✓

丑   亥 酉 酉 亥   丑      

 

〇1才~15才迄は、戊己の夫々5年間は丑2支が通根、身弱の外格と

なり破格。

6才~の戌は辛丁を強めますやはり破格喜忌変遷、特に丁を強め忌運。

15年間の調候を推すには慎重さが求められます。

〇16才~の亥は元機の地支です喜運 しかし命式は冷たいままです。

〇21才~の庚運は、化金日干乙は辛に変化で忌運。

 命式は外格従旺となり、環境や思考の変化が伺われ金の比劫強まりから

気持ちは荒れます。現実には対人関係や怪我のトラブルが発生したそうでした。

〇26才~の子運は、丑を支合で抜き喜運。

〇31才~の辛運は、月令に旺じられ強く忌運、喜の乙に取っては精神的にも

疲れ体の何処かに痛みを感じこの時期怪我をすれば後遺症を残す可能性有り。

〇36才~丑運は、病の丑が増え勿論忌運。

〇41才~壬運、46才~の寅運は「それまでと比べて一番悪い時期」

お母さまは仰っていました。依頼は50才寅運の最後の年に受けています。

覇気の無さにやる気を削いでいますから何事にも積極性に物足りなさが

感じられる時期です。確り者のご両親に取ってはご本人の年齢の事もあり

ご心配になるのは当然の事です。

壬運は月干丁を合去、年干の辛と時干丁が日干乙の側干となって乙を苦しめ

寅運は元機の亥を支合で抜きますから推命からも当然と言えるでしょう。

〇51才~癸運は、

内格身弱の命は基本、印星運は喜運ですがこの命は乙が良く(元気)育つ

かを見ますと癸亥丑2支の雨は冷たく、命式は平均が取れるものの疑問が

残る事から△運にいたしました。

〇さて56才卯運~乙運の終わりの75才までは

卯運は冲で、辰運は支合で病の酉を無力に 甲乙運は乙を強め喜運。

喜運は20年の長きに渡り巡り、それ以前と比べて症状は遙かに

改善され元気に過ごせ意欲的になります。

元運の時干と月干は同干ですが、晩年の丁食神の過ごし方は自身の

経験と長きの喜運とで上手く立ち回る(福祉の頼り方や人間関係等)事が

出来る様になるでしょう。

丁は無根ですから、冷たい命中の乙に取っては付かず離れずの対応なら

程好い暖となって乙を伸ばしてくれる筈です。(本人は上記の通り)

社会福祉の利用方法等は経験上から、他人へ知恵を伝授等の奉仕精神

(丁-食神)で同じ立場の人の役に立つ事で自然と人が集まり好意をもたれる

等、淋しさを感じることなく充実した日々を送れると推測いたしました。

又、この方は男性(伴侶)と過ごすよりも男女問わず身近な友人方と過ごされる方

が安心を得られる人で結婚願望は少なく結婚の可能性は無いと見ました。

しかし、決して孤独ではありません。

〇76才~の巳運は、元機の亥を冲で無作用にして忌運。格は外格従殺格へと

破格、痴呆の恐れがありますが最近では予防医療も進歩しています。

〇81才~の丙運は、年干の辛を合去人生で1番楽な時期になります。

巳運をクリアーこの時期を是非味わって欲しいと強く思わずには

いられませんでした。

 

< 最後に >

この様な命式をお持ちの方の、私どもへの依頼は少なくありません。

「極、普通の方です。」と言えば語弊があるでしょうか?

しかし、この方は「晩年家族不在であっても誰よりも立ち回り上手で

生活出来る人」と、私は位置づけました。

 

( 子峰院の出版物 及び ブログの参考文献 )

平岡滴宝訳  「改訂版 新訳・滴天髄」 「改訂版 神峰通考干支体象詩」

平岡滴宝著    「改訂版 あなたの運命のすべて」

                         「改訂版 子平学・四柱推命法深書」

                      「改訂版 秘本・子平廣論」 

 

( 子峰院 占い人・和珞 2024/04/19 )

 

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