子峰院の子平学・四柱推命( 通根とは )

「子平学は測る学問」と言っても過言ではありません。

命式上の天干と地支の働きは違いますが、測るとは天干の力量の強さを

測る事です。

天干の強さには、旺衰と強弱がありますが通根は強弱を知る道導です。

平岡滴宝先生は、この強弱を何干何支で表しましたが

何干は天干( 十干)の数で、何支は天干に通根して強める地支の数です。

この場合の地支は

滴宝式では、通根は局気を重視した通根節の三合会局と方局、又土は土用を

勤める四位純全の丑辰未戌を採用しています。

天干に通根の地支が命式に無い場合は「無根」等とも言いますが、

よく見かける「無気」とは意味が違います。

 

< 通根を、強弱だけに使うには勿体ない >

 地支が天干を支える事で天干を強めますが、子平学は命式の状態によって

固定概念よりも色々と考察して推命する事に特徴を持ちますから

子平学は多くを考える推命学とも言えます。

滴天髄は源流論の、「源流」とは地支同志を天干が結びつける関係で、

通根の線はV型になります。

又滴宝先生は天干同志を地支が結びつける関係をも重視これを「還流」と言い

通根の線は∧型になります。

 

滴天髄、干支論では

その始まる所から始まり、その終わる所で終われば、冨貴副寿は永き

無窮かな」と言っていますが

始まる所とは年干もしくは年支の事ですから、終わる所はお判り頂ける

と思います。

源流と還流を採用する事で「始まる所~無窮かな」の意味が通じる様になり

ました事を御理解頂けましたでしょうか?

 

推命の勉強には初心者の頃よりノートの見開き二頁を一人分に使っていました。

滴宝先生に教わっていた頃、ノートの命式には通根の線を必ず引くように言われ

ていましたが課題に線を引かずに提出すれば、日頃穏やかな師のお顔を覿面

に鬼の様なお顔になって怒られました事が忘れられません。

その線が推命上どの様な効果があるのか気付くには少し時間は掛かりましたが

師の鑑定を見ている内に「成る程」とおいおい気付く事が出来ました。

現在では線を直接に引く事は有りませんが、

頭の中では常にしっかりと引けています

 

何故「冨貴副寿」」なのでしょう?

命式の状態によっては「貧賤凶夭」と書き換えても良い場合が多々あります。

むしろ冨貴副寿」の方よりも占術を必要とするのは「貧賤凶夭」の方です

 

又滴天髄、源流論ではこの様にも申しております。

何処より根源おこりて、いずこに向いて流れ住む

始まる所でなくても、終わる所でなくても良いのです。

即ち夫々の天干地支の始まりと終わりが命式の何処で始まり何処に落ち

着くかです。

これで見ますと命式元亨利貞での人生のウエイトが何処にあるかが理解でき

ますし、自ずと下積みや人生の基盤を作る時期が理解でき助言を可能とします。

勿論これを知るには命式、天干地支夫々の通変の意味や喜忌を出せなければ

サッパリ理解できないのは当然の事です。

滴天髄、生時論では「生時は帰宿」とも言っています。

 

二十歳を大きく過ぎた頃の方に「どんな仕事をしたら良いのでしょうか」との

依頼を受ける事は稀ではありません。技術や資格を持たないばかりで無く

自身に興味を引くものが無いと言うのです。命式には色々な通変星がありま

すし用神もありますが、その意味での職種を唐突に押し付けてもそう簡単

に「それやります。」と言って出来るものではありません。

私は大運の調節期を使ったりもしますが、調節期が大運の良い時期に来る

方ばかりではありませんから

その様な時は、この通根の線を使うと案外色々と推命判断が容易で

提案や指摘等が可能となります。

 

こうした論理を推命実践・判断に役立てるには、その方法を学び

なるべく多くの命式に挑戦しなければなりません。

会得はそんなに容易ではありませんが

命式を見ますと案外そうなのかと閃き気付く事は少なくはありません。

理論に適っています事から、慣れれば容易で当然の事となっていきます。

かなり難しい話になってしまいました。

今回は命式だけの話に終始しましたが、命式の地支は運の干にも通根いたします

それはいつの日かブログにしましょう。

又、子平学はどんでん返しが有ります事をお忘れ無きように。

 

 

四月、新年度が始まりました。

そこで今回の漢文はこれしかないでしょうと言った具合に

社甫の春望を書きます

< 春 望 >   作:社甫

國破山河在   城春草木深

感時花濺涙   恨別鳥驚心

烽火連三月   家書扺萬金

白頭掻更短   渾欲不勝簪

読み

国破れて山河あり   城春にして草木深し

時に感じて花にも涙を濺(そそ)ぎ

別れを恨んで鳥にも心を驚かす

烽火(ほうか)三月に連なり

家書(かしょ)万金に扺(あた)る

渾(すべ)て簪(しん)に勝(た)へざらんと欲す

町は戦いによって跡形もなく壊れたが

季節が巡り春ともなれば見る人もいないのに、昔と変わらず木は茂り花は咲く。

この町の有様を感じて、茂る木を見ても花を見ても涙は止めどもなく流れ

落ちていく。

家族との別れがあまりにも悲しく、慰めてくれる筈の鳥の声さえ驚きおびえる。

戦いののろし火は春三月まで続き

この様な戦乱最中では手紙は届き難いものであり

たまの家族からの手紙は私に取っては萬金の価値がある。

悲しみのあまり白髪頭を掻けば、髪は抜け更に薄くなって簪(かんざし)を

射せなくなりそうである。

 

「三月と書いてあるのに何故今なのか?」と苦情が有りそうですが

こうして古い時代の書の殆どが旧暦で書かれています。旧暦の3月は

新暦の4月頃に始まります。

今年は4月9日から旧暦3月の始まりです。

 

この漢詩も、時間をかけてじっくりと味合いたい一編です。

私たちの周りでは当然の様に春が訪れると新緑は深まり花々は咲きほころび

それを皆で楽しみますが、これは奇跡に近く有難い事だと私は思っています。

この一期一会に只感謝しかありません。

 

( 子峰院の出版物 及び ブログの参考文献 )

平岡滴宝訳  「改訂版 新訳・滴天髄」 「改訂版 神峰通考干支体象詩」

平岡滴宝著   「改訂版 あなたの運命のすべて」

                        「改訂版 子平学・四柱推命法深書」

                      「改訂版 秘本・子平廣論」 

 

( 子峰院 占い人・和珞 2024/04/03 )

 

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