東洋占術は、ご存じの通り「相生相尅」の考えを尊重します。
( 相生とは )
木は火を生じ、火は土を生じ、土は金を生じ、
金は水を生じ、水は木を生じる。
( 相尅とは )
木は土を尅し、火は金を尅し、土は水を尅し、
金は木を尅し、水は火を尅す。
東洋占術の基本的考え方で、皆さんはよくご存じの筈です。
しかし、特に命式八字を主体に占う子平・四柱推命・命理と言った東洋占術
はもう一段踏み込んだ考え方で推命を行います。
それは反生反尅と言った推命法ですが、相生相尅と双方を一まとめにした
様な「生尅制洩」の言葉があり推命法があります。
この観方での尅・制・洩は弱める関係ですが、その違いを見極める手段でも
あります。
又、干関係や位置や通根の地支や強さによって、簡単に言い表せないもの
が多くあるのも現実です。
例えば、土と金の生の関係では「土は金を生じる」ですが「土多ければ金は
埋まる」とも言われています。土と金が側干であっても、やれ「土生金」だ
の「埋金」だのと言って安易に推命出来ないと言う事です。埋まるは「土多
ければ・・・」で良いでしょうが、
土生金となると土の湿温の質や勿論少な過ぎず多過ぎずの土の量(強さ)が
関係する事になります。
埋金の場合、金が土によって埋まり弱る事で土の出方は強まりますから反生に
なりますし洩気と同じ意味になります。土が多く金が弱い場合「洩気し易い」等と
書いたりしますが、それは行運との巡り合わせを考慮しての事です。
子平学の場合、必ず何時も行運との出会いを念頭に置いておかなければ
なりません。
又、反生反尅や生尅制洩で推命を行う場合、必ず双方の力関係所謂「力量」が
必要になります。平岡滴宝先生の著者では、天干の強弱旺衰を何干何支に
変えながらその説明が丁寧になされております。
強さでの干関係は推命のはしりですから、そのまま捨て置かずに通変星
や元亨利貞に置き換えてどんどん推命を進めて行き、その強弱や喜忌で
人間関係の他判断や決断や行動の方法を見出して行きましょう。
<子平学・四柱推命の豆知識>
丙はご存じの通り太陽に例えられます。十干生の関係では木→火ですが
丙が木を育成する場合は木←火になりますから通常反生、逆生とも言います。
しかし、この場合も命式次第では丙が強すぎて木は枯れ元気を失う状態になる
時は反生・逆生とは言えなくなり推命には考慮が必要になります。
※今回は相生と反生と洩気について書いてみました。
近い内に相尅と反尅と制について書きたいと思っております。
< 古典の世界 >
最近大河ドラマの影響を受けて
生方たつゑ氏の「蜻蛉(かげろう)日記・和泉式部日記」を読みました。
この本は40年以上も前、ご近所の本屋さんに頼まれセット買いした物、
集英社発行の“わたしの古典”22冊ですが、1冊ずつ期間を開けて届けてくれ
ました。中には円地文子氏の「源氏物語」3冊もあります。どの本も今まで
手付かずでいましたが、約40年ぶりに初めて読むことになりました。
蜻蛉日記の説明をすると又長くなりますのでそれは止めにして興味をそそられた
のが追儺(ついな)と言われる大晦日の夜大声で「鬼は外。鬼は外」と叫びなが
ら疫鬼を追い払う行事で「鬼やらい」とも言われ現在の節分行事だそうです。
現在の節分は立春2月4日ごろに行われますが、
当時は旧暦の大晦日12月30日に行われたそうです。
暦では今年旧暦12月30日は新暦の2月9日でした。
新暦のつもりで読んでいましたが、古典の世界では旧暦で書いておりました。
あたり前の事でありながら気付かず読み進んでいましが、色々調べて行く内に
とても勉強になりました。
主人公である、兼家の妻(一夫多妻)であり、道綱の母である主人公は、三十路
中半を過ぎた頃、旧6月すねた様に山寺に籠ります。身近な人達の助言を無視
して数か月もの間籠り続けますが、たまり兼ねて迎えに来た兼家に随います。
兼家は作者の事を
「尼」にもなりきれず、もとに「還る」 “あまがえる” と作者の妹に言っ
て笑わせました。そして、約束を違えて長い間尋ねてこない兼家に
送った歌がこの歌
― おおばこの神のたすけやなかりけむ
契り(ちぎり)しことを思ひかへるは ―
(意味:しんだ蛙に大葉子の葉をかけると蘇生すると言いますが
「雨蛙」の私にはその大葉子の神の助けもないのでしょうか
あなたが約束を守って下さらないばかりに辛いのです。)と
笑って良い場面ではありませんが、つい噴き出し笑いをしてしまいました。
あ~楽しきかな古典・・・・
春と言ってもまだまだ寒い日は続くそうです。どうかご自愛くださいますように。
( 和珞 )
( 子峰院の出版物 及び ブログの参考文献 )
平岡滴宝訳 「改訂版 新訳・滴天髄」 「改訂版 神峰通考干支体象詩」
平岡滴宝著 「改訂版 あなたの運命のすべて」
「改訂版 子平学・四柱推命法深書」
「改訂版 秘本・子平廣論」
( 子峰院 占い人・和珞 2024/03/02 )
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