新訳滴天髄、格局論 追補で平岡滴宝先生は「私は格の名称よりその命式が
外格なの内格なのかが、最重要のポイントと考えています。
何故と言うことになりますが、それは正(内格)、変(外格)によって
喜忌の干が変わるからです。
ですから格の名札よりも格の正変の格の決め方の方が、
ずっと大切だと言えると思います。」と述べています。
格の決め方については、新訳滴天髄、従化論にて滴宝先生は詳しく
書かれています。それは又の機会、ブログにしたいと思います。
子平学 四柱推命 運命学
私、和珞は「子平学、四柱推命は、はかる学問」と題してブログで、
格の決め方を簡単ではありますが目安を書いています。
外格(専旺格)を見分けるための基準では、
〇A(日干印比劫敗)で構成される外格の目安、
AがBの三倍以上でAが喜 Bが忌となる。
※AがBの3倍以上では「以上」がどうしても必要となり、
数字では0,5でも良いですし、干関係によっての以上でも良いのですが、
干関係では見極めが難しくなります。
※正官、偏官が1干1支以上の命式は要注意。(内格になる可能性がある)
と記しているが、Aで構成される外格では、数字的にぎりぎりの場合や
官殺1干1支の命式では、内外格の取り方が難しい場合が多々あり、
今回はそうした三例の命式で格の取り方を書いてみました。
※三例とも偏印(倒食)もしくは印綬の透干のある命式です。印星は知恵であり
良きにつけ悪しきにつけ、又はその使い方は不器用であったり
不器用であったりですが、日干(自分自身)に取っては強い味方で、
印星は通変星の意味でも日干を強める通変星である事を度外視できない
そう言った意味では特殊な通変星と言えるでしょう。
< 例1 > 変化の干合(土化)のある、女命。
月丁は己 日干甲と月干己は変化の干合で土化 甲は戊に 己はそのまま
丙甲己乙
寅子丑酉
甲癸己辛
(変化後の命式・女性)
時 日 月 年
倒 敗 官 子丑=支合
丙 戊 己 乙 戊己2干(月令)0支 (4,5)
寅 子 丑 酉 丙1干寅1支 (2)
甲 癸 己 辛 乙1干寅1支 (2)
A日敗倒6,5 対 B官2 AはBの3倍以上
数字的な割合がA(日干比劫敗印)で成り立つ外格であっても、
正官もしくは偏官が1干1支なら内格と言われる。何故なのか、通常正・偏官は
日干類を強く尅す関係にあるからです。では本当に官星が日干類を
尅しているのか?に注目するべきで、
干関係の状態でその論も変わり、注意が必要になります。
この命の月支丑は1月生まれ 1月節日から2月節日まで(時間に留意)
正確には月令己は1月節日から13日以降の生まれ まだまだ寒い時期。
丙(太陽)は時干にあり 月令に旺じられた日干戊の高い山に遮断され丙の暖照は、
年干乙にまで届いていませんし、丙と乙は寅を還流しているが
命式の水支子丑は支合で無作用、水気無く乙は枯れ芝。
命式を絵にすれば春を前にしているが、まだ寒い時期太陽の光も暖も得られず
水気もなく己土の裾野に横たわっているような枯れ芝の乙(正官)草が、
例え1干1支あったとして、どうして戊山や己土を尅す事が出来るのでしょうか?
到底無理な事で、この命式は外格従旺格。よって喜忌の干は次の通りとなります。
喜の干=丙丁戊己甲(土化、重複干合)庚(忌の乙を合去)
忌の干=辛壬癸乙
子丑の支合は有情 弱従旺ですがとても良い命式になりました。喜の丙印は賢く、
月干己敗財は喜の応用力で社会生活では重宝がられています。
又外格の運での丙は二丙となっても喜、
特にこの命式は上記の通りで運での丙は年干から巡り非常に良い運となります。
この命式には歳運論でも御登場頂こうかと思っております。
※余談、日干が変化の場合8割以上の命式がAの外格となります。
< 例2 >
( 命式・男性 )
時 日 月 年 干合・冲・支合なし
才 殺 印 丙1干(月令)寅午3支 (6)
庚 丙 壬 乙 乙1干寅2支 (3)
寅 寅 午 酉 庚1干酉1支 (2)
甲 甲 丁 辛 壬1干0支 (1)
A日干印9 対 B偏財・偏官3 数字的にはAはBのぎりぎり3倍
生月は6月夏生まれ 丙火は陽干、月令丁火は陰干で、天干の丙は
三倍の強さになる、庚は1干1支あるが強い丙に尅され鈍ら。
壬は根なし夏生まれで強い丙に尅されている
「弱い壬癸、丙強ければ枯れるように弱くなり」と古書は言っています。
又年干乙は寅を2支持ち潅木の様な乙で水支を持たず水気を欲し、
側干の水溜りの水を洩気で弱めて壬水は弱りに弱った水、
干関係でも壬水で丙火を尅す事は出来ないが、偏官としての力は弱いものとなる。
ない。壬1マイナスαマイナスα 庚もマイナスαで
日干丙と乙印Aは Bの3倍以上の力があり、外格弱従旺格となる。
よってAグループが喜 Bグループが忌
喜の干=丙丁甲乙
※丁運は忌壬を合去して喜運ですが、水気が無くなれば喜の乙印は枯れて
元気を失い、詳細な鑑定内容が必要とされる時期となる。
忌の干=戊己庚辛壬癸
< 例3 >
(命式・男性)
時 日 月 年 亥巳=冲
比 傷 印 戊2干戌1支 (3)
戊 戊 辛 丁 丁1干戌午2支 (3)
午 戌 亥 巳 辛1干戌1支 (2)
丁 戊 壬 丙
A日比印6 対 B傷3
数字的には、AはぎりぎりBの3倍 辛は丁の側干で尅を受けているように
見えるが、丁と戊は戌を還流して戊の護丁作用と丁は戊を強め持ちつ持たれつの
関係でプラマイ0。
又護丁作用の戊は丁と辛の関(通関神)となり丁からの辛への尅を救い、
戊は辛(土生金)を生じ洩気。戊マイナスα 辛プラスα、
よってAとBの値は A6マイナスα 対 B2プラスα AはBの3倍以下
内格となる。戊は燥土辛を汚さず喜の傷官辛の良さがあるが、
内格忌の日干燥土は、覇気にかける面がある。
外格、内格の見極めが非常に難しい命式。
内格Aが強く忌 Bが弱く喜ですが、丙運は辛と変化で化水、丙は壬、
辛は癸に変化 変化後壬は丁を合去、癸運は戊と強化の干合、
癸は三倍そして月令二倍、地支なしの6、結果A戊3 対 B癸6
喜忌変遷、忌運で変動の激しい時期となる。
甲乙運は、根なし戊を尅す事は出来ず、
丁に洩れ(燃える)やすく忌の丁や戊を強め忌運。
忌の印星や燥土を強める運は我が強く愚かな行動となりやすくなります。
癸運は、強化三倍月令二倍の6がBにプラスで喜忌変遷、忌運。
忌の干=戊己丙丁癸甲乙
△の干=庚(喜の辛を相尅)
喜の干=壬辛
初運10歳の彼は15歳からの戌忌運(忌の戊丁を強め 喜の辛を強める)
隠れタバコから山火事(忌の丁の災い)を起こし周囲の計らいで
事なきを得ましたし、下り坂ブレーキをかけず、
自転車に乗って思い切り降りた先の大道路で軽自動車と衝突
(忌の日比印の勢い)運転していた女性の顔は、酷い事になってしまった
そうです。原因は彼にありましたが、示談で解決したそうです。
結果が何とかなったのは、月干(社会環境唯一)喜の干、辛にあります。
余談、父親にはそうした思いは全くないそうですが、
本人は「幼い頃父親からの虐待があり自暴自棄になった」との事でした。
この方のご家族全ての鑑定依頼を、個人別で受けています。sihoin-waraku.hateblo.jp
( 滴天髄の訳本や註釈本で、新訳滴天髄の参考文献の一部 )
清代の初め 陳素庵氏 「嫡天隋輯要」(註釈本)
その後 任鉄焦氏 「滴天髄徴義」(訳本)
近世 徐樂吾氏 滴天髄徴義を更に①註釈や②補註を書物に
近世 袁樹珊氏 「專闡微」滴天髄徴義を更に註釈
参考文献 平岡滴宝著 「新訳・滴天髄」 「神峰干支体象詩」
「子平学・四柱推命法深書」 「秘本 子平廣論」
( 子峰院 占い人・和珞 2019/11/09)
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