子峰院 和珞の鑑定例No106

 昨日は公立高校の入学試験の合否発表の日で数件の嬉しい

お知らせを頂きました。あ~もう暫くしたらあの硬い桜の蕾が一斉に咲くかと

思えば本当に嬉しく、子供達のキラキラと輝く顔が思い浮かんできます。

 さて、この命式は平岡滴宝著 子平学・四柱推命法深書(改訂版)より選びました。

先生の友人で、ご活躍の頃数度依頼があったそうです。

深書を簡略にして書き写しました。

子平学 四柱推命 運命学

 

< 命式・男性 >

時 日 月 年    干合・冲・支合無し

敗   殺 官    月令戊 季節春の終わり土用の頃    

癸 壬 戊 己    壬癸2干辰1支(3)

卯 寅 辰 卯    戊己(令)3,5辰 1支(4,5)

乙 甲 戊 乙

       A3 対 B4,5  

用神取法=扶抑法    格名=内格偏官格

喜の干-庚辛壬癸乙(乙は局をもち(強い)、忌の官殺を尅す)

忌の干-丙丁戊己甲(甲は己と土化)

調候法 喜の干-庚  忌の干-己

病薬法   病の干-己  薬-乙  毒の干-甲 

 

平岡滴宝著、子平学・四柱推命法深書より

< 命式の説明 >

 命式は天干が比敗と官殺だけの透干で成立し強さは接近していますから

両神成象格とも言えます。戊己の官殺強く比敗が弱く成象格として特に良い干は

庚辛の印星の通関神と言うことになります。

強い官殺を洩気させながら弱い日干を強めると言う考えです。

 官殺混合は良くないと言いますが、素庵氏は「劫又は敗が透干していれば

そんなに悪い命式ではない」と言っていますし、今日の社会ではあまり気に

しなくて良いでしょう。しかし20代から50代に忌運が巡り競争社会で

生きる人などに取っては損で競争力は弱いと見なければなりません。

卯は木の専気で傷官、寅は食財、辰は官殺比敗と傷官で、

いずれも地支の暗蔵です。又地支の木局は有利な喜の暗蔵です。

 

< 大運・逆行 >

100  90   80 70 60 50 40  30 20 10

×   × 〇  △ 〇 △ ✓ 〇 △ ✓

戊 己 庚 辛 壬 癸 戊 乙 丙 丁

殺 官 倒 印 比 敗 食 傷 才 財       ←(大運天干の通変星)

午 未 申 酉 戌 亥 子 丑 寅 卯

✓ ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ 〇 △ △ △

    

〇丁運は日干と絆神無情、生家は質素で本人も意気地なしだったそうです。

〇卯~丙運は、高校卒業後は会計事務所に勤めながら夜学の大学に通うい、

必要な資格取得の努力。

〇乙運は、4支で病の干己を尅し、この時期最終、最高の資格を取得、

結婚、独立。

〇40才の甲運は己と化土 甲は忌の戊に変化、制約過多と仕事上の

プレッシャーで苦労。

〇48歳大運は喜の壬癸を強める子運には、事務所を法人組織にし

代表職員となる。

〇庚辛運は上記の如く通関神の印星ですが、印の地支は無く湿金汚金の影響で

健康面での不安が大きいと見ます。

癸運は、月干の戊を合去 側干となった己土は壬水を汚し△。

卯辰は害の関係 地支運での亥戌酉申運は木の地支に変化があり

何かと落ち着かない時期となるでしょう。和珞) 

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< 終わりに!和珞が書きました >

 最高の資格を取って社会で活躍をされる人こそ、人並み以上の苦労があって

当然です。大運を見れば普通の方と何ら変わりはありません。

 しかし鑑定では形影(程度)的に見て、無責任でも気休めでもない可能性を

伝える事はもっとも重要な事と考えています。

 深書でのこの命式は、子平学の基本的な観点から、喜の時支、

大運の年代的な通関神の印星・病薬論や通変星の同気の陰陽(清濁論)で

その可能性を見出す法を述べています。

 

滴宝先生は常に子平学は「喜怒思愁を重んじる」を口にしていました。

私は渕宝先生から、天干や地支の関係でそれを見る方法を教わりました。

ブログや依頼鑑定では、いつも基本的理論や通変星の意味を念頭に置き、

天干と地支の関係、基本的象意を微調整しながら、滴宝先生の「喜怒思愁」を

気にかけ決して我流にならない事に注意をしながら推命鑑定をしています。

 

この命には疑問点が複数ありました。この方は社会活動の仕事面では、

最高峰の地位を得られた人と言っても過言ではないかと。

何故この命式でそれを可能にしたかが一番の疑問でした。

自分で推命をすると「なるほど」と納得ができ勉強にもなりました。

(命式)

癸 壬 戊 己    

卯 寅 辰 卯    

乙 甲 戊 乙

日干類と官星の差は1,5ですが 日干と偏官を比べると戊と己は山と裾野で

実質的には己は戊を強めず、癸水(雨)は壬(本人)水(海・湖)を強め続けていますから

戊と壬(海と岸)の差はあまり無いでしょう。踏ん張りが利き、

初運は大運絆神強化忌財から始まり、その後の大運から反骨精神を育み活かす事を

可能にしています。

日干と偏官の強さは適当で平均が取れ忌の偏官(殺)的な性格はあまり出ず、

きっちり屋で、正論で反論が出来る人 癸水は僅かな差を調節する為

応用性や協調性を活かし何事にも細かく(仕事面では繊細さを活かす)

人にも自分にも厳しい人の可能性。

苦学を可能にしたのは自身の頑張りだけではなく、

全ての天干(日干類と官星)を月支(社会環境)の辰に通根、

期待を受けての支えがある筈。

丙の忌財運は、丙は癸辰を暖め(辰は天にも昇る)癸雲を強め、雲は丙を隠し

壬への影響を弱めている事から、仕事(財欲)と勉学(資格取得は将来の地位欲)の

両立を可能にしています。

癸と辰は良い役目を果たし、この命での辰は健康面でも長養堪培の良い役目を

こなし、努力と幾つかのラッキーが

34歳までに基盤を固める結果に結び付いています。

 

理論的には命式だけを論じ「良い命式」が多数あるそうですが、

多分この命式は、そのランクからかなりかけ離れているのではと思います。

滴宝式での良い命式とは、年齢的に命式に相応しい運が巡り、

たとえ忌運であっても、チャンスに変えられる力を持った命式の事ではないかと

この命式に出会って思いました。

 

(ブログの参考文献 )

平岡滴宝著 「改訂版あなたの運命のすべて」「新訳・滴天髄」

    「神峰干支体象詩」「子平学・四柱推命法深書」「秘本・子平廣論」 

 

( 子峰院 占い人・和珞 2021/03/19)

 

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