先日Twitterで、正･偏官のことを呟きましたら反応を頂きました。
過去の鑑定書の下書きノートと見ますと、私に取りましては、珍しい命式が
見つかりました。若かりし頃の鑑定例です。天干は水と土だけの命式で、
偏官は強く、それ以上に比肩が非常に強い命式です。この様な命式には
それ以降は、お目にかかった覚えがありません。
＜ 命式･男性 ＞ ※ｷ＝喜 ィ＝忌
時 日 月 年 月令－壬 季節－冬の初め
殺 敗 敗 壬癸(令)３干－３支 （８）
戊ｷ壬ィ癸 癸ィ 戊１干－２支 （３）
申ィ辰△亥ィ未ｷ 干合･冲･支合なし
庚 戊 壬 己 （ A比敗８ 対 B殺３ ）
用神取法－扶抑法 格名－内格 偏官格・(建禄格) 身旺
＜ 命式の特徴と性格等 ＞
〇壬癸の関係は、壬は海や河 癸は霧や雨に例えられるが１支以上の根があれ
ば海の水を増やす降り続く雨。水同志は１体になりますが決して癸が強まる事
は無く壬水のみが強まり、それだけ壬水は激しい状態になります。
滴天髄は言います「通根して癸とおれば天を冲してはしる(冲天奔地)」と
〇壬と戊の関係は、戊は海に対しては防波堤や岸。
この関係での性格象意は「調節しやすい」と、他の日干と偏官の組み合わせ
に比べると干関係は悪くはありません。しかし壬が戊に出合えば死水などと
言って、日干が壬であれば大人しい性格となりますが、現実的には
やはり精神的に「苦しいと」言われる方が多くおられます。
〇月支11月亥の水は、側支未辰に温められて冷たくは無く、よって癸水は
雪ではなく壬水を増やす降り続く雨。
〇戊と壬癸の強さは、３と８で壬癸強く忌 戊は喜となる。壬は癸によって
弱まる事を知らず、戊は３の力を持ちなが反尅に合っています。
（正･偏官について）
正・偏官は基本日干(本人)を尅す干である。特に偏官(殺)は日干と陰陽が同じ
で真っ向から向かって来る為、日干に取っては恐い相手であるが、その出方
は干同志や強さの関係から出方は全く異なります。
正・偏官は 日干(本人)を尅す相手、怖い上司や父親の様な目上の人に
対する態度を心情として見る事が出来きますし、制御心からは
自制心や理性等を見る事も可能です。
（ 日干と偏官の強さ関係からの、基本性格象意 ）
１、日干が弱く、偏官強ければ従順等。
２、日干と偏官が、１干１支以上あって強さに差が無ければ反発心。
３、日干強く偏官弱ければ、目上の人の言う事を聞かないばかりでは無く、
他人を見下すような事もある。
この命式の場合、偏官も強くそれ以上に日干が強く、まず自制心の観点から運
や精神面を見る必要がありますが、この命の場合日干類が１干ｏｒ１支弱く
なっても、偏官が１干ｏｒ１強まっても Ａ７・Ｂ３、 Ａ８・Ｂ４ の様に
４の差が出る為に内心の反発心は行動を起こし、運によればその行動性は頻繁に
なる事があります。
そう言った行動性により、周りの人達は対応に苦慮するのが現実です。
又この命は、戊土を押し倒すといった行動に面白味を感じる人でもあり
人によっては「トラブルメーカー」などと呼ばれ事もあります。
日干壬は外柔、内剛しかしながら人当たりは柔らか。癸敗財雨も静か
が基本です。見た目は穏かで壬に癸の敗財は弁才、強さの関係から意に
添わなければ豹変の二面性がありますが、普段は裏の顔は見え難い人です。
＜ 大運 ＞
98 88 78 68 58 48 38 28 18 8
✓ ✓ ✓ 〇 〇 〇 〇 ✓ ✓ ✓
癸 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 →(年運)辛壬癸甲乙
敗 食 傷 才 財 殺 官 倒 印 比 ←天干運の通変星
丑 寅 卯 辰 巳 午 未 申 酉 戌 →(年運)丙丁戊己庚
✓ 〇 ✓ △ 〇 ✓ 〇 ✓ △ △
未 亥 亥 未 辰 辰 ←冲･支合する命式の地支
＜ 大運では ＞
辛酉庚運は印星運、申は直接印運を強めますし、辰戊は金を生じて強めます
から、何事かの謀を巡らす可能性は充分にあります。
結果は何も得られずです。
己・戊・丁･丙･未･巳運は喜運 働き盛りの多くは喜運ですが、普通これだけの
喜運に恵まれれば何の問題もなく過ごせる筈ですが、土が強まる己戊未の
時期は制約で気分は優れません、反って憂鬱になります。
丁運強化に未が通根、癸と激の関係で気分は荒れます。
丙運は、太陽と雨(癸)の関係で同様の事が言えます。この様な時期は
問題行動は、間違えば休む事をしりません。
この様な方は、日本国内では規制が強く思う様な生き方は出来なければ、
海外で生きる場所探しも良いでしょう。この命の壬水は非常に強く行動範囲
も広く海外生活や海外各地を飛び回る事を嫌がりませんから、周囲の理解は
精神安定に繋がりますし、その為の軍資金も掛る人です。
年･月干の癸は、誰かが其の手を差し伸べてくれる可能性や、生き方
次第では拍手喝采を得られる可能性は充分にある命式です。
しかし、格闘技は聞くところによりますと、決り事や規制が多い様です。
性格的には最初は飛びつきますが、どう見ても不向きですしトラブル多発の
観点からも避けた方が良いでしょう。
この方は異性嗜好も強い方です。
この鑑定例は御本人からでしたが、御依頼はいつも御本人とは限りません。
（ブログの参考文献 )
平岡滴宝訳 「改訂版 新訳･滴天髄」 「改訂版 神峰通考干支体象詩」
平岡滴宝著 「改訂版 あなたの運命のすべて」
「改訂版 子平学・四柱推命法深書」
「改訂版 秘本･子平廣論」
（ 子峰院 占い人・和珞 ２０２２/１０/１８ ）
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