子峰院  和珞の鑑定例117

 何と!子平学・四柱推命は、ドラマチックなのでしょうか?

この方は、丁己は離れて還流も無く、己と癸は相性も良く側干であり

知恵(癸印)で財(己財)を掴む近道を選ぶばずが、

遠回りをして癸水で甲木を育て、丁の洩気で己財を増やす道を選びました。

 何故なのか?年干喜財であっても1干0支と弱く、大運も幼少期の忌運は経済的

に恵まれない家庭に育ち、青年期辛運の反骨精神は、何れは貧しさから脱出をと

考えた事でしょう。癸水で甲木を育て丁で洩気(燃やす)すれば、

より己財を多く増やせると、感覚的なものだったかもしれません。

若い時期の依頼なら適職は何を薦めただろうか 等と考えました。

 

< 命式・男性 >

時 日 月 年    月令-辛 季節-秋

傷   印 財    冲・支合・干合無し

丁キ甲ィ癸ィ 己キ      甲1干3支

卯ィ寅キ酉キ 亥ィ    癸1干1支    

乙 甲 辛キ 壬     丁1干1支 

           己1干0支

A日干印(6) 対 B傷財(3) 身旺

用神取法-扶抑法  格名-内格印綬格   

 

< 命式の特徴と長短 >

〇命上の側干同志の干関係は悪くない。 

〇五気のバランスは取れているが土やや弱い。

〇日干の地支多く確り者であっさりして気さく。

〇年干の己は喜財であるが無根は弱く、病の干。

〇寅は木を洩気して丁火を強める地支。

〇丁と己は離れ過ぎ、還流もなく丁は喜の己財を強め難い。

〇癸と丁は同等の強さ 癸は喜丁を制(気難しい)

日干との性格で気分に斑が生じる。

〇月支酉、強い甲をそっと制し喜 しかし庚運は喜忌変遷となる。 

〇病多く、濁の命式。  

 

< 大運 >

97 87 77 67 57  47 37 27 17 07

✓ ✓ ✓ ✓ 〇 〇 ◎ ✓ 〇 ✓

癸 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 

印 比 敗 食 傷 才 財 殺 官 倒

亥 子 丑 寅  辰 巳 午 未 申

✓ ✓ △ 〇 ✓ ✓ ◎ 〇 △ ✓

寅     亥 酉 酉 亥       寅 

 

< 大運の特徴 >    

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運での短所、己を強める辰未は木尅土で薬に使えず、丑は水を強め△

薬に使えるのは戌のみ しかし百年の大運では巡らず。

〇17歳辛運は酉が通根、甲から逆尅、しかし甲に傷ぐらいは付けられ

頑張った証を残そうとする時期、国立大学に進学 

命式・大運は本当に上手く表現しています。「身を削る思い!」と 

苦学 そして授業料や生活費を助けてくれる家族への気苦労が伺えます。

この様な命式は「学校に行って山とも川とも解らない事に、時間を

費やしてお金を使うよりは働くほうがまし!」の可能性が強くなりますが、

「将来は必ず自身の力で取り返してやる、俺にはその力がある!」との強い

思いで勉学に励まれたことでしょう。喜運ですが苦労の時期。

〇22歳未運は木火通命運、資格を引っ提げて大手企業に就職、しかし

木尅土でもあり年齢的にも下積み生活、そして基礎固めの時期。

〇37歳己財運は、他者から高額報酬を条件にスカウトを受け鞍替え、

技術力と外交的手腕(財干)を買われたそうです。

〇47戊運は、月干癸を合去、日干甲と年干己は強化 僅かに喜忌変遷。

働き盛り37歳から52歳までの15年間は非常に恵まれ「我が世の春」を

 満喫された事でしょう。

〇62歳卯運は酉を冲、強い日干甲の自制が効かなくなり、周囲の人の忠告を

聞かず思いのままの言動に、職場の人間関係にヒビが入り孤立状態

元の鞘に戻れるだろうか?との依頼

その後の運を見れば、丙は甲を逆生忌運 そして木運 地支は水運の忌運が

続き、恐らく職場復帰の可能制は低く、

     御本人も元の鞘に戻る気持ちはあまり無いと見ました。

〇その後は何を?忌の印星と日干を強めいっそう強情になり、人の意見を取り

入れる事が少なく対人関係のトラブルは多くなる可能性があります。

命式の時干に傷官の透干!

 

滴天髄は剛柔論で言います。

「剛柔は一つならず、制すべからず者は その性情を引くのみ」と

強い日干は官殺等で制するより 洩気の方法をとれば素直になると・・・

 

しかし「お金にならない事で人の為には動けない」の可能性の人 よって時干の

丁傷官はサービス精神を活かしての地域貢献などは無理でしょうから

趣味に生きる事が一番の方策と考えました。 

そうすれば72歳からの 寅は亥を支合忌の日干と印綬を弱め、

この頃は人当たりも良く、人の嗜好を理解出来、

趣味の世界で名誉な事で輝く可能性があります。

その後は、洩気(傷官=趣味)で生きれば、周囲の人たちも自身も平和的に

過ごせる事でしょう。 

 

(ブログの参考文献 )

平岡滴宝訳  「新訳・滴天髄」 「神峰通考・干支体象詩」

平岡滴宝著    「子平学・四柱推命法深書」 「秘本・子平廣論」 

 

( 子峰院 占い人・和珞 2021/10/01)

 

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