今回は丁を護丁するには戊土、それとも己土が良いのかを考えてみました。
「 平岡滴宝著 子平学・四柱推命法深書、丁←戊より
丁と戊の関係では、戊は炉と考えます。命式上に、丁火に見合った強さの戊が
あれば丁火の状態は激しい感情などと共に非常に安定します。ただ注意が必要
なのは、丁火が弱い時、湿った戊はかえって丁を晦(うと)くします。
神峯氏はこのような時「比旺ずれば一炉で、衰は一檠(いっけい)」と
言っています。
一檠とは、一つのぼんぼり(アンドン)と言う意味です。滴宝 」
( ※丁火が強ければ炉の戊で、丁火が弱ければ一檠の己が良いと言う事になり
ます。よく丁火を護丁するには戊か己(真・仮)の良し悪しが論争の的になります
が、
異な
経験上、他の干関係でも同様の事が言えます。
次の命式も干関係から、戊or己を考えてみました )
( 命式X )
日 月 年 左の命式は、月・日の干は絆神強化の干合で、
丁 壬 庚 壬は三倍と丑申。
丑 午 戌 丁は、月令に旺じられ戌午の根を持ち強そうに見えるが、
丁 壬によって強い尅をうけている。内格で壬に負けない
日干(本人)にしようとすれば、護丁の戊か己の透干が必要にな
るが、壬に対抗できる土は戊しかなく、戊だけが真の干となり得る
戊を入れて推命をしました
< 命式・男性 >
時 日 月 年 干合・冲・支合無し、午丑-害
傷 官 財 月令-丁 季節-夏
戊キ丁キ壬ィ庚ィ 丁1令干2支 (3,5)
申ィ丑ィ午キ戌△ 戊1干2支 (3)
庚 己 丁キ戊 庚1干3支 (4)
壬3(強化)2支 (5)
A(日干)3,5 対 B(傷財官)12
BはAより強いが4倍以下で、用神取法は扶抑法 格名-内格 正官格
( 命式は )
傷官見官の命式、内格でAはBより弱く喜となるが、強化の壬に尅された喜の
日干
壬に尅されて日干丁(本人)は気弱になっていましたが、戊の炉に守られる事によっ
て本来の3,5の力を取り戻します。ここでは壬と戊の張り合い、戊は踏ん張り、壬
は押し倒しの力が働き、3,5の強さの丁は夫々の力を利用、生き抜く力として使う
事が可能となりました。壬と戊の張り合いはどちらも負けていませんから日干の強
さに加え対抗意識はかなり強くなっています。命式Xは時干に戊が透干しただけで
これだけの気強さをみせてくれました。
これは日干丁に充分な強さがあるからです。
忌の干-庚壬 喜の干-丁戊 申-病 元機―午
丑は午とは害の関係で子の支合、未の冲では解冲解合となって
無作用とはならない。 丑は上に丁、側支に午があり丑の土の凍土は徐々に解け
ているが硬く、戌の土も硬い、よって丑戌に支えられている戊土は硬く強く
壬水に負けない強さを持っている。
庚金は、丁戊があって戌丑は熱し冷まして錬金、忌ではあるが日干丁とのバランス
が取れ質良く、年干にあるが還流等から自分で稼ぐ財でもある。
命式は、丁は戊を生じ戊に守られ支えられ持ちつ持たれつの関係で、社会環境
は将来環境によって救われている。
壬正官の地位を築き、
< 大運 >
94 84 74 64 54 44 34 24 14 04
✓ ✓ ✓ 〇 〇 〇 〇 ◎ 〇 ✓
壬 辛 庚 己 戊 丁 丙 乙 甲 癸 ←(年運)甲乙丙丁戊
官 才 財 食 傷 比 劫 倒 印 殺 ←天干運の通変星
辰 卯 寅 丑 子 亥 戌 酉 申 未 ←己庚辛壬癸
✓ ✓ 〇 △ ✓ ✓ △ ✓ ✓ ◎
戌 戌 申 ←冲・支合する命式の地支
( 運での喜忌 )
土や火を強める時は喜運、
甲運は、丁は木を燃やし(洩気)て喜の土を強め喜運
乙は忌財庚を合去で喜、非常に良い。
水と金を強める時は忌運 癸は戊を合去で忌
忌の病の申を冲・支合の時は非常に良くなる、
午は害で抜けないが年運に注意
※ 丁は閃きの干、特に甲や乙(この命での乙は忌の庚を合去、非常に良くなる)の
燃料を得れば喜の丁は、才能発揮。
上記の様に、戊の傷官を活かす事ができれば、働き盛りの大運は長きに渡り
喜運に恵まれている為、中には世の中で目立つ存在となって活躍される可能性
充分あります。
◎の時期は、飛躍の可能性かなりの伸び代があります。
但し丙運は 日干丁を隠蔽、特に年運で重なる時期には気分は優れない事
もありますが、喜運ですから思った以上に回復は早いと推測。
79歳からの寅運は、時支の申を冲で無作用にする。時支の忌の財官を支えて
いる申を60歳以降に無作用にする事は非常に良い兆しがあり、後生に名を
可能性もありますし、子孫には財でも恩恵を与えそうです。
丁は閃きの干です。特に甲の時期から我武者羅になれる好きな事を見つけ生涯
その道で生きて行きたいと思う筈ですが、人によっては、月干は壬の正官、
家族の勧め等から正官(ホワイトカラー等)の道を、行く人もあろうかと
思われます。
月給取りの道よりは異路の道の方が
( 才質は )
職種は、14歳・24歳からは甲・乙の印星運、乙運は庚を合去、甲乙共印星が
係わって基盤をつくり上げる。青年期としては良い流れですし、命式の流れと合わ
せて丁の閃きと喜戊の傷官を活かす職業が良いでしょう。この命の場合選択肢は
幅広く現在で言う、クリエイターの分野が良いと推察しました。
古くより、傷官見官を嫌がる傾向で、この道では未だにその根は深い様に
感じています。
それでも滴天髄の出身論では、「異路功名莫説軽、日干得気遇才星」
異路の功名を軽しと説くなかれ、日干気を得て財星に遇う。と
この命式の場合 日干も2支あって月令に旺じられ、庚財は戌丑申を得て
強く錬金でもあって質良く、その上才質の喜の傷官があり、幼少より秀でた才の
出現があればそれを活かすべきです。
その時、親は重要な役目を果たす事になる訳ですが、本人のためにせめて
通せん坊だけは辞めておきましょう。
その事で30代頃より、本人は両親への不信感を抱く実例を数件見てきました。
「親や他人、環境のせいにするのは筋違い」と人は言いますが、幼少青年期、
親の言い分は理に叶って力強く、それを押し切るには若すぎる事が
多々あります。
※ 上記での「質の良い財」とは、「悪銭身につかず」の言葉があるように
子平学では、財星のあり様では悪い事ができる人かどうかの本質を
見抜ける場合がよくあります。
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平岡滴宝訳 「改訂版 新訳・滴天髄」 「改訂版 神峰通考・干支体象詩」
平岡滴宝著 「改訂版 あなたの運命のすべて」
「改訂版 子平学・四柱推命法深書」
「改訂版 秘本・子平廣論」
( 子峰院 占い人・和珞 2022/07/08 )
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