子峰院の子平学・四柱推命( 鑑定例129 )

 今回は丁を護丁するには戊土、それとも己土が良いのかを考えてみました。

 

 平岡滴宝著 子平学・四柱推命法深書、丁←戊より

丁と戊の関係では、戊は炉と考えます。命式上に、丁火に見合った強さの戊が

あれば丁火の状態は激しい感情などと共に非常に安定します。ただ注意が必要

なのは、丁火が弱い時、湿った戊はかえって丁を晦(うと)くします。

神峯氏はこのような時「比旺ずれば一炉で、衰は一檠(いっけい)」と

言っています。

一檠とは、一つのぼんぼり(アンドン)と言う意味です。滴宝  

 

 丁火が強ければ炉の戊で、丁火が弱ければ一檠の己が良いと言う事になり

ます。よく丁火を護丁するには戊か己(真・仮)の良し悪しが論争の的になります

が、丁火の強弱に係ると言っています。護丁の論は、様々な状況で違いは繊細に

異なってきますから一概にこうだと言いきれない事が多くあります。

経験上、他の干関係でも同様の事が言えます。

次の命式も干関係から、戊or己を考えてみました 

 

( 命式X )

日 月 年        左の命式は、月・日の干は絆神強化の干合で、

丁 壬 庚       壬は三倍と丑申。

丑 午 戌    丁は、月令に旺じられ戌午の根を持ち強そうに見えるが、

      壬によって強い尅をうけている。内格で壬に負けない

         日干(本人)にしようとすれば、護丁の戊か己の透干が必要にな

るが、壬に対抗できる土は戊しかなく、戊だけが真の干となり得る 為、

戊を入れて推命をしました

 

< 命式・男性 >  

時 日 月 年    干合・冲・支合無し、午丑-害

傷   官 財    月令-丁 季節-夏

戊キ丁キ壬ィ庚ィ    丁1令干2支 (3,5)

申ィ丑ィ午キ戌△     戊12支 (3)

庚 己 丁キ戊      庚13支 (4)

           壬3(強化)2支 (5)

      A(日干)3,5 対 B(傷財官)12   

BAより強いが4倍以下で、用神取法は扶抑法    格名-内格 正官格

 

( 命式は )

 傷官見官の命式、内格でABより弱く喜となるが、強化の壬に尅された喜の

日干丁を戊(傷官)が護丁しているため、戊は喜となる。

壬に尅されて日干丁(本人)は気弱になっていましたが、戊の炉に守られる事によっ

て本来の3,5の力を取り戻します。ここでは壬と戊の張り合い、戊は踏ん張り、壬

は押し倒しの力が働き、3,5の強さの丁は夫々の力を利用、生き抜く力として使う

事が可能となりました。壬と戊の張り合いはどちらも負けていませんから日干の強

さに加え対抗意識はかなり強くなっています。命式Xは時干に戊が透干しただけで

これだけの気強さをみせてくれました。

これは日干丁に充分な強さがあるからです。

忌の干-庚壬   喜の干-丁戊   申-病   元機―午  

丑は午とは害の関係で子の支合、未の冲では解冲解合となって

無作用とはならない。 丑は上に丁、側支に午があり丑の土の凍土は徐々に解け

ているが硬く、戌の土も硬い、よって丑戌に支えられている戊土は硬く強く

壬水に負けない強さを持っている。

庚金は、丁戊があって戌丑は熱し冷まして錬金、忌ではあるが日干丁とのバランス

が取れ質良く、年干にあるが還流等から自分で稼ぐ財でもある。

 

命式は、丁は戊を生じ戊に守られ支えられ持ちつ持たれつの関係で、社会環境

は将来環境によって救われている。戊に取って壬は抵抗勢力、戊傷官で活動、

壬正官の地位を築き、後で財がついてくるタイプ

 

< 大運 >

94 84 74 64  54 44 34 24  14 04

✓ ✓ ✓ 〇 〇 〇 〇 ◎ 〇 ✓   

壬 辛 庚 己 戊 丁  乙 甲 癸    ←(年運)甲乙丙丁戊

官 才 財 食 傷 比 劫 倒 印 殺    ←天干運の通変星

辰 卯 寅 丑 子 亥 戌 酉 申 未    ←己庚辛壬癸

✓ ✓ 〇 △ ✓ ✓ △ ✓ ✓ ◎      

戌 戌 申                  ←冲・支合する命式の地支

 

( 運での喜忌 )

土や火を強める時は喜運、

甲運は、丁は木を燃やし(洩気)て喜の土を強め喜運

乙は忌財庚を合去で喜、非常に良い。 

水と金を強める時は忌運 癸は戊を合去で忌

忌の病の申を冲・支合の時は非常に良くなる、

午は害で抜けないが年運に注意

 

    丁は閃きの干、特に甲や乙(この命での乙は忌の庚を合去、非常に良くなる)の

燃料を得れば喜の丁は、才能発揮。

上記の様に、戊の傷官を活かす事ができれば、働き盛りの大運は長きに渡り

喜運に恵まれている為、中には世の中で目立つ存在となって活躍される可能性

充分あります。

◎の時期は、飛躍の可能性かなりの伸び代があります。

但し丙運は 日干丁を隠蔽、特に年運で重なる時期には気分は優れない事

もありますが、喜運ですから思った以上に回復は早いと推測。

 

 79歳からの寅運は、時支の申を冲で無作用にする。時支の忌の財官を支えて

いる申を60歳以降に無作用にする事は非常に良い兆しがあり、後生に名を残す

可能性もありますし、子孫には財でも恩恵を与えそうです。

丁は閃きの干です。特に甲の時期から我武者羅になれる好きな事を見つけ生涯

その道で生きて行きたいと思う筈ですが、人によっては、月干は壬の正官、

家族の勧め等から正官(ホワイトカラー等)の道を、行く人もあろうかと

思われます。しかし、この命の方が大きく飛躍するには、

月給取りの道よりは異路の道の方が遥かに良いと見ました。

 

( 才質は )

 職種は、14歳・24歳からは甲・乙の印星運、乙運は庚を合去、甲乙共印星が

係わって基盤をつくり上げる。青年期としては良い流れですし、命式の流れと合わ

せて丁の閃きと喜戊の傷官を活かす職業が良いでしょう。この命の場合選択肢は

幅広く現在で言う、クリエイターの分野が良いと推察しました。

 古くより、傷官見官を嫌がる傾向で、この道では未だにその根は深い様に

感じています。

それでも滴天髄の出身論では、「異路功名莫説軽、日干得気遇才星」

異路の功名を軽しと説くなかれ、日干気を得て財星に遇う。と

この命式の場合 日干も2支あって月令に旺じられ、庚財は戌丑申を得て

強く錬金でもあって質良く、その上才質の喜の傷官があり、幼少より秀でた才の

出現があればそれを活かすべきです。

その時、親は重要な役目を果たす事になる訳ですが、本人のためにせめて

通せん坊だけは辞めておきましょう。

 その事で30代頃より、本人は両親への不信感を抱く実例を数件見てきました。

「親や他人、環境のせいにするのは筋違い」と人は言いますが、幼少青年期、

親の言い分は理に叶って力強く、それを押し切るには若すぎる事が

多々あります。

 

    上記での「質の良い財」とは、「悪銭身につかず」の言葉があるように

子平学では、財星のあり様では悪い事ができる人かどうかの本質を

見抜ける場合がよくあります。     

                       ( 無断使用、転載禁ず )

 

 (ブログの参考文献 )

平岡滴宝訳  「改訂版 新訳・滴天髄」 「改訂版 神峰通考・干支体象詩」

平岡滴宝著     「改訂版 あなたの運命のすべて」

    「改訂版 子平学・四柱推命法深書」

 「改訂版 秘本・子平廣論」 

 

( 子峰院 占い人・和珞 2022/07/08 )

子峰院へのお問い合わせはこちら

     

子峰院ホームページ

http://t.co/XRxE0QDoby 

子峰院 【最新改訂版 子平学 四柱推命法 皆伝書】

http://sihoin.web.fc2.com/shihei9.html