平岡滴宝訳 「四柱推命秘則 新訳 滴天髄 隠顕論」を読む

 このブログは、

平岡滴宝先生の訳による「新訳 滴天髄」を参考に書きました。

滴宝先生の看命方の最大なる特徴は 天干と地支の強さを何干何支と言う

具合に数字に置き換える処にあります。勿論数字が全てでは有りません。

数字化は、月令(季節)と同気の天干に出会えばいっそう強くなる事からも、

月令計算で数字化、その強さを測りました(季節重視)。

日干との絆神強化の干合も同様にです。

 

干関係には「生尅制洩・生尅制化」の他に、徐大升氏が唱えた

「反生反尅の理」等があります。必ずしも水が火を尅すとは限りません。

「丙丁(火)強ければ壬水枯れる様に弱くなり」等の反尅関係があります。

他の干関係による、生尅制洩も同様の事が起り得ることは当然で、

先人方の、反生反尅の様子を述べた言葉は多く残されています。

 

滴宝先生の数字化は これらを見極める時にも重宝で便利です。

 

< 隠顕論 >

原文を載せました。

 

( 原文 )                                               「吉神太露、起爭奪之風。凶物深藏、成養虎之患。」

 

( 文語文 )

吉神はなはだしく現れれば、争奪のふう起る。

凶物深く蔵すれば、養虎の患いとなる。

 

( 訳 )

 例えば、

従旺格等で無疵の命式は、四天干が全て喜の干になりますが、行運(大運)

の干と合去の干合や尅となって 更に年運で同じ様なことが重なりますと、

命式に激しい変動がおこります。

 又地支の三合等が忌にあたる様な命式では、運でその三合なりが支える

天干が巡る時、それらが命式に非常に強い変動をあたえ、悪い影響を及ぼし

こうした命式は、家の中で虎を家っている様なもので危険です。

 

( 追補 )

 命式四柱八字が、大運や年運によって二柱四字に減ってしまう様な事が

あれば、最悪の場合は死ぬことさえあるますから、よく注意をして見落としが

ない様に気をつけなければなりません。

通常忌の干や支が運で干合・冲・支合で減る場合は、成敗的にはそう

心配はないと思いますが、禍福的災病的にはやはり安心がなりません。

もともと合去の干合や、冲等のある命式で天干や地支が極端に少ない

命式では特に注意が必要です。

どの様な命式であれ、激しく変動する時が要注意のポイントです。

新訳 滴天髄では訳と追補ではこれより詳しく書いてあります。    

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 ( 和珞にとっての 滴天髄は隠顕論 )

 閑支とは、命中どの天干にも通根せずに、閑(ひま)している地支の事を

言います。

会局・方局が揃っていなくても時として閑支が、運の忌の天干に通根して

強め、破格や内格では喜忌変遷を起こします。

破格とは、外格から内格に 内格から外格に変わる事)

又その大運の忌の干が命中の弱い喜の干を酷く尅せば、その命式(人)

に取っては決して良い事は有りません。

この閑支も、隠顕論では養虎にあたります。

滴宝先生は、反対に運の喜の干に通根して、命式をより良くする

閑支は、養虎に対して「まるで猟犬ようだと」言い 

そうした地支を「猟犬」と呼んでいました。

私も現在は 「猟犬」と呼びますが養虎ほど多くはありません。

又、数字化はそうした時の象意の程度を推し測る事も可能になります。

 

(新訳 滴天髄の「閒(閑)神論」の追補では

素庵氏は滴天髄輯要で「ただ行運が妙」と記され、

特に隠顕の項に注意する様に言っておられます。)

と記しております事から今回「閑支」について書いてみました。

 

地支が閑支であっても、命式上重要な役割を背負っている場合があり、

推命時には、その役割をしっかりと把握しておきたいものです。

 

神峰通考、干支体象詩の

子詩では「渓潤汪洋不盡情」( けいかん、おおうようにして情はつきず) 

と言い 子は例え閑支であっても時として深い情を見せる場合があります。

では、どの様な情なのでしょうか。

又戌詩では「漫云於此物収蔵」(ひろくこれを言えば、もののしゅうぞう)

と言い、滴宝先生は「戌はお宝の宝庫」と仰っていました。

ではどの様なお宝が収蔵されているのでしょうか。

 

この様な情なり、お宝は今後の鑑定例で御紹介できると思います。

 

乙木詩では「辨別功夫好用心」と言い 

「推命する人達はよく考えて見落しや間違いの無い様に推命をしなさい」

と言って、同様の意味の言葉が干支体象詩には、繰り返し何度も

書かれています。心したいものです。

 

子平学・四柱推命の大運では喜忌の印を入れますが、勿論「二者択一」

ではありません。

 

 

「滴天髄」は 元の末期より明の初期洪武の時代の劉伯温氏が編纂されたと

言われております。

 

 

(ブログの参考文献 )

平岡滴宝訳 「改訂版 新訳・滴天髄」「改訂版 神峰通考・干支体象詩」

 

( 子峰院 占い人・和珞 2022/02/14 )

 

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