戦後には、この様な境遇の方は多くおられました。
御自身は苦労を強く感じられた事でしょうが、私の存じ上げている人の
中では、幸せな境遇の人だなと思います。御本人もある事を切っ掛けに
「自身は恵まれている」と思える様になったそうです。
この様な命式の人はあまり占術を便りにしませんが
話の弾み!で鑑定となりました。
< 命式・男性 >
時 日 月 年 2月生まれ 月令(寅) 季節―春
殺 官 食 亥寅―支合
己キ 癸ィ 戊キ 乙△ 癸1干0支 (1)
未△亥 寅 酉ィ 乙1干1支 (2)
己 壬 甲ィ辛 戊(強化三倍)己1干1支 (5)
A日干(1) 対 B食殺官(7) BはAの四倍以上で外格
用神取法は専旺法 格名-外格・弱従官格(身弱)
体-戊 元機―未
喜の干=戊己丙丁 △=乙
忌の干=庚辛壬己甲(己を合去)
< 命式の特徴 >
季節―春、月令―甲、
戊は、絆神強化の干合、癸(運)とは干合しない(長所)。
癸は、無根で湿気の様なもの。
未は、乙・戊・己の三干を支えている。
時支未の蔵干丁財は喜で、体干月戊と年乙・時己の三干を支え
情協(滴天髄、干支論)生涯に渡り経済的には比較的恵まれる。
乙は、戊の側干にあって喜戊を尅し弱めているが
忌癸も制し喜忌を兼ねる。しかし命式に湿気が少なく、
通根未(蔵干-土木火)の地支では戊を尅す力は弱いが、食官の関係。
※未は木火通命に役立つ
亥寅が支合していなければ乙に通根、喜の戊を強く尅す為、
亥寅の支合は、有情の支合である(長所)。
庚辛運や日干が強まる運は破格(短所)。
< 性格など >
正官戊、安定していて強く喜、従順・秩序を重んじけじめがあって律儀、
喜の偏官(殺)は、自身の意見はしっかり主張、しかし平和主義
乙食を側干戊の秩序の一貫としてサービス精神を利用する。
見た目しっかり者。
日干癸は、無根身弱で本質は気弱、気心の知れた人や穏かな人に対し
気疲れは少ないが、自己主張が酷く強い人や粗暴な人に対し及び腰、
静かに後退りと忌運続きで社会生活では気苦労の多い人。
Bグループ(児財官)が主体の外格の人は、身弱警戒心強く、
他人に頼る事が下手で本心を明かす事少ないが、
この命は体神の戊と年支(母親)の酉は相性が良く、
母親とは気が合い心を許した可能性(唯一の安らぎ)。
又酉の蔵干の辛は年干乙を暗に制し、蔵干の偏印辛は役割的に悪くない為、
賢い人。命式を総合的に見れば、強化で強い戊を乙が制し、
天干の並び方と干関係は悪くなく、亥寅の関係や酉・未の役目も良く、
人柄としては人に信頼され好かれる人、
ですが対人関係では上記の如く警戒心の強い人です。
( 平岡滴宝著 子平学 四柱推命法深書より )
「この格になる人はいくら日干が弱くても 内気で気弱になりません。
必ず懸命に体干に尽くす人です。
しかし一端日干が強くなりますと自我が入り込みやすく物事に対して
正しい判断が出来にくく、無茶をしやすくなりがちです
又反面とことんの最終段階では、本来の日干の弱さに戻り、
落ち込みがひどく意気地がありません。」
< 大運・逆行 >
96 86 76 66 56 46 36 26 16 06
〇 〇 ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ △ 〇 〇
戊 己 庚 辛 壬 癸 甲 乙 丙 丁 →(年運)辛壬癸甲乙
官 殺 印 倒 劫 比 傷 食 財 才 ←大運天干の通変星
辰 巳 午 未 申 酉 戌 亥 子 丑 →(年運)丙丁戊己庚
〇 ✓ ✓ △ △ ✓ 〇 ✓ ✓ △
酉 解 未 酉 未 ←支合する命式の地支
< 大運は >
※父親は戦死、母親は父親の実家に赤ん坊の本人を置いて再婚、
父方の祖父の意向で、跡取りで子供のできない叔母夫婦の養子となった人です。
その事は知らされていませんでした。後に再会する事もなかったそうで、
この命での父母は養父母で見ています。
〇大運で一番良い時は、乙を洩気する丁運は通関神の役目(滴天髄、通隔論)、
未を還流、戊を強める時期は器用で頭も切れ何事も上手く行く時期。
この命では6歳から、しっかり者で成績良く将来を期待される。
〇丑運、丙運は地元の進学高校 有名私立大学の法科に進学。
〇21歳からの子運、忌の癸を強め忌運。
就職が決まり手続きの書類で自身の生い立ちを初めて知り、
そのショックで自殺を測るが未遂に終る。
「この体験は、以降の人生に活かす事が出来た」と本人の言葉。
〇亥・癸・壬運は、日干癸を強め、陰うつな気分になりやすく望みは叶わず
精神的に苦しい時期で、癸運からは職場を転々と変えるなど
落着かない時期の可能性。
〇41歳からの戌運は、戊を強め喜運、結婚を諦め結婚準備に買った家を売却、
当時はバブルで建築費の数倍の価格で売れたとの事。
〇61歳からの申運は、(家族は母親と二人になっていた。)年支酉を支合、
母親が脳梗塞で倒れ、後遺症で意思の疎通や歩行が困難となり、
本人から本人の今後、主に健康面についての依頼でした。
この大運の最後あたりで母親は亡くなられたそうです。
※健康面については、幼少期・働き盛り・60歳以降の見方は違えています。
〇66歳辛偏印(倒食)運は、△食乙を鋏で切るか、針で刺すような調候。
節々が痛かったり、間違えば体にメスを入れなければならない。
現実には大腸癌(忌の辛の調候)の初期で手術をしたそうです。
〇71歳からの未運は土と乙を強め、土の重畳で体は重く足腰の弱りの可能性。
〇76歳からの庚運は、年干乙(食神・行動性)を合去、寝たっきりの可能性。
彼が鑑定を真面目に信じてくれたのは辛運の大腸癌手術からでしたが、
鑑定の事もあって,体調の異変で直ぐに病院で診察を受けたそうです。
その後の軽く再鑑定で彼は「経済面の心配は無いので、後は心構えだけ」と・・・
< 終わりに >
この命式は、天干や地支 特に地支の役割を見なければ詳細な鑑定は
無理では無いかと思います。天干の並び方、干関係、地支の役割は
長所が多い命式。
身弱で、特に外格従児・財・官の命式は見るに難しく、
この命式は運には恵まれてはいませんが、孤独であっても生きづらくても、
それを充分乗り越えられる良さがあり「良い命式」と私は位置づけました。
※子峰院のブログ全ては、説明不足が多くありテキスト・教材用としては
不向きです。例えばこのブログでは、丁運の木火通命運の事象、
亥申の支合が解けた時期の事象、戊運の事象、その他あり、
当然、御本人には丁寧に説明が必要な事柄です。
同門や著書を買って頂いた方々の為にあえて説明不足にしています。
悪しからず御了承下さいます様に。
されど、されどです!ブログでしか明かさない子平学豆知識を忍ばせています。
( ブログの参考文献 )
平岡滴宝著 「新訳・滴天髄」「神峰干支体象詩」
「子平学・四柱推命法深書」「秘本・子平廣論」
( 子峰院 占い人・和珞 2020/10/27)
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