子峰院 和珞の鑑定例No113

 二十才前後壬財がぬける丁運の頃「学校に行かず友達と遊びほうけてばかり

「七喜全彰、良い命式です」とか言われても「馬鹿言ってんじゃないよ!」と

ご両親は思ったかどうか?

 風景?濁壬の中に金が仰山!そんな風景にしないで下さいね。

 この命式は平岡滴宝先生がご健在の頃、将来を心配されたご両親からの

依頼だったと伺っています。

教室の課題に使われ先生の著書である「子平廣論」にも

掲載され詳しい説明がありますが、大運に喜忌の印がされていません。

よって本文と私が教室で勉強した喜忌を入れたノートを参考に

ブログを書いてみました。(ノートはウン十年前の物)

2022年11月に鑑定経験から思う事がありまして、寅・卯・壬運の訂正、

書き直しをいたしました。

   

 

( 命式・男性 )

時 日 月 年    キ=喜 ィ=忌

財 比 食 傷    

    辛キ 庚キ    己1干0支 (1)  

壬キ 己ィ乙 庚    庚辛(令4,5)4支 (8,5)    

申キ 酉キ 酉キ 申キ      壬1干2支 (3)

庚 辛 辛キ 庚

          A(比)1 対 B(食傷財)11,5

      用神取法 専旺法(外格) 格命 外格従児格

喜の干=庚辛壬癸甲乙

忌の干=戊己丙丁

 

< 命式は >

 月令は辛、年干庚と月干乙は変化化金乙は辛 庚はそのままとなる。

Aグループ1に対しBグループ11,5と差が大きく開いた外格、

食傷は命式上一番強く格命は変格の外格従児格となる。

2支申を還流壬をよく生じ、食傷は財へと繋がり壬財は喜で時干にあって

地支申は年・時支に相楣。

先後は、先に食傷 後に財の最高の時上一位の財である。

     (喜び至る所にあい得る。滴天髄)

< 大運 >

98 88 78 68 58 48 38 28 18 08

〇 △ 〇 ✓ 〇 〇 ✓ ✓ ✓ ✓

辛 甲 癸 壬 辛 庚 己 戊 丁 丙

食 傷 才 財 食 傷 比 劫 倒 印

未 午 巳 辰 卯 寅 丑 子 亥 戌

✓ △ ✓ ✓ ✓ ✓ 〇 〇 〇 △

    申 酉 酉 申

 

< 大運では >

丙運は、辛を合去Bからマイナス1,5破格起こらず。

丁運は、壬を合去Bから3マイナス(A1:B7)破格起らず。

戊・己運は、無根(A2:B11,5)破格起らず。

   金の洩気と壬の汚れが気がかり(健康と失敗)

甲運は、己と強化甲は三倍無根で浮木、Bグループ 

     壬庚辛に影響与えず喜運 

乙運は、庚と変化、化金(重複干合)乙は辛に変わり喜運、しかし年代的に

見て金の強まりは、日干己の洩気が強く健康面での心配が起ります

戌運は、庚辛と己を強め△。

亥子丑運は、壬財を強め喜運

寅卯辰巳運は、金や水を弱める辰卯は酉を寅巳は申を弱める、

特に申は水金を強めている為寅巳は破格起りませんが、

年柱庚申、月柱辛酉二柱とも上下の関係は深く、この場合申を冲する寅

酉を冲する卯運は 天干に庚や辛の強さを非常に弱めます。

流れは地支運は 寅卯に続き壬に至ります。

壬運は、庚辛を沈金に己土を押し流し、己を弱めれば喜運ですがこの年齢

で命式を非常に苦しめる壬運は良くはありません。特に健康被害の心配が

あります。発祥時期は寅か卯の可能性があります。現在予防の観点からの

医学の発展から心掛け次第では被害は少なくなります。

丙運は辛を、丁運は壬を合去し午は運に影響を与えず閑支であって

△現状維持。未運は、土を強め忌運

60歳以降月令の力は落ちると言われています。    

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 < 命式の風景 >

命式の風景と占術者は仰いますが その風景は色々でしょう。私もその描き方

は数種類使います。今回はこんな事やってみました。これも滴宝ワールド

 

庚は辛より硬く相尅の関係 又申と酉も同じくで、上下関係やいじめ等の

 象意が有ります。他の陰陽での同干では起りえません。 又辛は傷付く事を

 恐れ辛同士は傷付かない配慮をします。酉同士も同じく

 そうした象意からの風景です。

 

 元亨利貞、年柱(実家環境)庚申と月柱(社会環境)の辛酉は強弱の関係で

上下関係は年柱が有利、そして時柱(将来性)喜財壬へと繋げている。

よって食傷(サービス・行動・仕事関係)、実家(両親)は社会とは強気の関係

その成果は利益へと繋がりかなり裕福な環境と推測。

又時柱壬申は年支申より還流・源流で繋がり将来性は実家からの恩恵を受け喜、

そして時上一位の財は子供や孫の代になっても揺ぎ無く、

良い跡取りに恵まれ家の繁盛は何処までも・・・と言った具合。

日柱と月柱が反対であったなら「七喜全彰」良さは半減したであろう事を

理解して頂けたと思います。(干支の並び方)

 ただ気掛かりは日支(伴侶)の酉は、月支(社会環境)酉への気遣い、

年柱庚申や時支申との上下関係 日干からは汚されて 虐げられた感があります。

伴侶への配慮を怠らなければ御家は尚一層繁盛となるでしょう。

 

< 「七喜全彰の命式」と言われる命式の長所は >

〇月令は食、食傷地支が多く従児の格がしっかりして破れない。

〇乙との化金は、命中最も大事な庚が合去で消えず辛で金をより強める。

〇辛・壬が合去に合っても破格は起らず命式の変化が少ない。

〇運での甲は無根で、庚と傷官見官の関係が生じず最も喜運となる。

〇時上一位の財。

〇忌運であっても命式の変化が少なく。

〇日干己は無根、壬財は3と強く汚れが少ない。

 

< 性格と職業 >

(この部分は後書きです。干や蔵干を見ればかこの方リズム感が良いですね、

体・用神が格名庚の傷官は、その才能を寝かしておくには勿体ないと思います)

基本の性格は外して書きます。

基本の性格の他、酉支は自刑、印星の質なく言語表現は支離滅裂的

(ムードメーカに使える) 

汚れは少なくても濁壬財のズルさが出るが、外格Bの人は最終の所で

押しの弱さがあり、少しずるいくらいが良く交渉力に活かせます。

短所もこの様に使い勝手があります。

 性質からは、職業は漫才師の様なお仕事が良いかと思いましたが、

大運や元亨利貞から見ても、収入的に不安定で大変な人間関係や仕事内容を

照らし合わせてその様な仕事につく筈がありません。

家業の手伝いをされる事でしょう。

「異路(喜の食傷)の光明を軽しと説くなかれ」(滴天髄)

この命式の良さは 具体的には、あまり努力をしなくても報われ、苦労が

少なくて済む所にあります。

60歳以降は、年柱から見ても良い跡継ぎの可能性ですから

「老いては、子に従え」の命式です。

 

(ブログの参考文献 )

平岡滴宝訳  「新訳・滴天髄」「神峰通考・干支体象詩」

平岡滴宝著    「子平学・四柱推命法深書」「秘本・子平廣論」 

 

( 子峰院 占い人・和珞 2021/07/17)

 

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