この命式の方は、現在陶芸のお仕事に就き頑張っておられます。
最初はお母様より、娘さんお二人の事で対面鑑定の依頼を受けましたが
鑑定が終って「もう一人の娘を見ていただけませんか?」と恥ずかしそうに
申し出があり急遽の鑑定となりました。当時未熟な私は、先ず命式を出すなり
思わずこれは!と、良い事は想像できませんでしたが、大運を出せば
直ぐにその思いは打ち消されました。お母様「大学は陶芸科で勉強しています。
焼き物等で食べて行けるものでしょうか?」と、答えた言葉は「仕事仲間とは良い
意味で徒党を組み(日・月干の関係)切磋琢磨、運も良く陶芸は適職です。
充分やっていけます。」でした。
急いで書いた鑑定書は、清書で後日郵送させて頂きました。
過去の鑑定では一番のお気に入りとなった命です。
今回は、主に病薬法で推命してみました。
< 命式・女性 >
時 日 月 年 月令―癸 季節―冬
官 比 才 冲・支合・干合無し
戊キ癸ィ癸ィ丁キ 癸2(令3)干3支 (6)
辰△亥ィ丑△卯キ 丁1干0支 (1)
戊 壬 癸ィ乙 戊(強化3)2支 (5)
※天干癸は月令に強められ陰干は1,5倍 天干は3の強さ
※日・時干は絆神強化の干合、戊は3倍の強さ
A6 対 B6 用神取法-扶抑法 扶抑用神―正官・戊
AとBは数字的にはバランスが取れているが、丁は無根、
癸水に尅を受けBはマイナスα、よって強いAが忌 Bが喜となる
A忌=癸亥(癸だけに通根) B喜=丁戊卯(暗に丁を強める)
△=丑・辰(癸と戊に通根)
運では、土と火を強める時期は喜、丁を地支で強める時期は特に良くなる。
(病・毒・薬)
亥-病・毒 月干癸-病・毒(忌で強い) 丁―病(喜で弱い)
薬-寅・巳(亥を冲・支合で抜く寅、巳は亥を冲で抜き特に良い)
薬-戊(月干癸を合去)
※薬の運は大運中最も良くなる。
< 命式は >
月支丑は生まれ月の節日より12日までは月令は癸、陰干でもある天干癸を
僅か倍増、癸は、蔵干は壬の亥を根に持ち暖かな辰との関係もあって雨。
戊は、日干癸の側干で絆神強化の干合は、天干戊は三倍の強さになる、
山の高さは遠くの丁を護丁する力を意味する。
柔らかな辰と冷たく硬い丑は破の関係 一つになる事はなく違った質の土を
意味して、離れた丁への炉の大きさと陶芸家に取っての土の量と質を表している。
この方は磁器も扱うそうです。
気掛かりは丁1干で無根 丁の強さが気になりましたが、運では大事な
働き盛り直接的・間接的そして土による護丁の運が長期に渡って続きます。
幼い頃より、泥んこや粘土遊びが大好きだったそうです。
< 大運 >
※火土を強める時期は喜運、水を強める時期は忌運
99 89 79 69 59 49 39 29 19 9
✓ ✓ ✓ ✓ 〇 ◎ 〇 〇 △ △
癸 壬 辛 庚 己 戊 丁 丙 乙 甲 →年運、壬癸甲乙丙
比 劫 倒 印 殺 官 才 財 食 傷 ←大運天干運の通変星
亥 戌 酉 申 未 午 巳 辰 卯 寅 →年運、丁戊己庚辛
✓ △ △ ✓ △ 〇 ◎ ✓ 〇 ◎
辰 辰 丑 亥 亥 ←冲支合する命式の地支
< 大運の説明 >
〇甲・乙・卯・寅運は、間接的に丁を強め、甲乙運の食傷運は卯亥辰の三支
が通根、喜忌の逆転があるが、甲・乙の力を暗に丁を強め、尅で戊を弱める
為二分すれば△、寅は亥を支合無作用に、卯は暗に丁を強め喜運。
9~28歳は、迷いなく目的があればそれに没頭、一生懸命に取り組み
対人関係では若いながらも落ち着いた態度で誠意に接し信頼を得られる。
夢を実現して利益を上げる事が可能となる様な時期の可能性。
〇29~48歳の丙辰丁巳運は、利益向上に勤しみますが、丙は丁を
隠蔽、辰運は辰二支焦りの調候、思いの外利益は伸び悩み精神的な苦労
の中で得られる財。
丁運は二干と揃うが無根やはり焦りの調候は前記同様。
二十年間のうち最終の巳運は、忌癸に通根、病であり毒でもある亥を冲で
無作用とする時期は、20年間の最大目的である利財は達せられる可能性。
※日干癸(本人)と月干癸(仕事仲間)は、日支亥(伴侶)に集中(亥の蔵干は壬)
伴侶は仕事仲間で総合司令官、上司の可能性、そして巳運には離婚可能性
〇49~68歳の戊午己未は、戊は月干忌の癸を合去前記の巳運がお世話に
なった仲間達への恩返しの時期とすれば、戊運は本格的な自立の時期
腐れ縁を断ち切っての本格始動 人生最高の調節時期は徐々に整えられた
環境や人間関係を後の人生で最大現活用出来れば、希望通りの人生となる
又この時期仕事上では高い地位を確保の予測。
己運は戊の下支え、未運は戊癸の還流である丑を冲で無作用に
命中の冷を緩和、運的に悪くは無い。
己未運は、戊運で確保した地位を保つ努力は保身の時期となるでしょう。
〇69~88歳の庚申辛運は 忌の印星運や暗に強める時期 庚辛には丑が
通根、命中の丁弱く 戊はよく金を生じて印星を助け非常に悪い時期の可能性。
元運戊正官は強く制約過多は、体調を壊しての入院等 または忌の印星運は、
痴呆の可能性等があります。
予測推命での体調管理は必ずそれを軽減できます。
又、巳戊運が最高の運なら、以後午運を過ぎれば衰退運は、晩年の自分自身を
想像する事が出来る期間は、我が世の人生から突然下降するよりも、
予防には最適な期間と言えるのでは無いでしょうか?
人生的には、大運は良い流れだと思います。
〇89~108歳の壬戌癸亥運は、戌以外は水を強め喜の用神戊の山崩れの
と丁の弱り調候は年代的にも調候はしんどい時期になります。
絆神強化の戊は合去で消える事はありません。
< まとめて >
幼い日より手掛けた事を生きる目的にして、目的を同じくする仲間達と
人生の大半を一目散、脇目も振らず全うできる人等多くは無い筈です
この方はその中でも、数少ない好運の持ち主と言って良いでしょう。
比肩(日干と同じ干)の透干で一途、65歳頃迄に迷いが生じる時がなく自身の
思いに一筋正直に生きられるタイプです。巳運は多少迷うかも知れませんが
結果的に良い方向を選びますから、自身で運命鑑定を受けたいと思う事は
恐らく無いでしょう。未運頃にはそろそろ「この先私はどうなるのかなァ」と
不安を感じ始めるかもしれませんが、現在では情報は多く医療も
充実している事から、予防を心掛けるには未運は良い時期にあたります。
この方も申し分の無い命式の持ち主です。
命式と大運の関係は、命式に助けられる大運と大運に助けられる命式があり、
理解頂けたかと思いますが、この方は後者になります。
(子平学豆知識)
辰は「長養堪培」を詠い、太陽の丙や他に水気が無くても、
辰だけで木はよく育ちますが、蔵干木を養うだけではなく
辰を根に持つ土は他の土よりも金をもよく生じます。
(ブログの参考文献 )
平岡滴宝訳 「改訂版 新訳・滴天髄」 「改訂版 神峰通考・干支体象詩」
平岡滴宝著 「改訂版 あなたの運命のすべて」
「改訂版 子平学・四柱推命法深書」
「改訂版 秘本・子平廣論」
( 子峰院 占い人・和珞 2022/03/26 )
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