命式には、本人に取って都合が良い命式と 他人に取って都合が良い
命式がある様な気がしてなりません。今回は敗財では無く
主に「劫財」について書いてみました。
さて、日干と劫財の命式は本人に取って都合が良い命式でしょうか?
敗財とは、日干が陽干なら 敗財は同気の陰干
劫財とは、日干が陰干なら、劫財は同気の陽干を言います。
平岡滴宝先生は、敗財と劫財は本質的に異なり、性格面での違いなどから
日干と同気で陰陽が異なる通変名を劫財一つにせずに、
上記の様に敗財と劫財を分けて推命判断に用いました。
又、日干が、自分自身なら、比肩は、同じもう一人の自分ですが
敗財・劫財は、もう一人の違う自分自身です。
例えば日干が甲なら乙は敗財で、甲は枝・葉のついた木の様なもので、
乙は茎と葉で成り立つ草に例えられ、
甲と乙は、見た目も丈夫さも違う物に例えられています。
陽干とは、甲・丙・戊・庚・壬 陰干とは、乙・丁・己・辛・癸
( 同気の対比 )
〇木=甲(枝葉で成立つ木)/乙(茎葉で成立つ草)
甲の側干の乙は蔦や枝葉
〇火=丙(太陽)/丁(地上の火)
丙丁の火の関係では、丙火は丁火の光を見え難くします。
目立つのは丙
〇土=戊(山)/己(田や畑)
戊の側干己は戊山の裾野。目立つのは戊
〇金=庚(鉄・ハンマー等)/辛(庚に対しては庚より柔らかい非鉄金属や珠玉等)
庚は辛を痛めつけ傷つける。勝つのは庚
〇水=壬(海・河)/癸(壬に対しては雨・雪・雲等)
癸水は壬を強める事があっても、壬水は癸を強める事は無い。
※五気の陽干と陰干を並べて比べれば、有利なのは陽干。
陽干が日干の場合 陰干の敗財より一途性の方が強く、
敗財の協調・同調性の方はどちらかと言えば弱いが、
日干が陰干で、陽干劫財の場合は
一途性より、同調・協調性の方が強いと言えます。
平岡滴宝先生の著書では、日干が陰干の場合の同気の陽干、即ち「劫財」に
ついての問題を提議しております。
今回は私共が推命経験上、特に印象深い丁日に丙と辛日に庚の劫財を
取り上げて見ました。
<日干丁と劫財丙>
丙(太陽)は丁(地上の火)を見え難くする隠蔽を言い、丙丁が共に透干の場合、
丙は丁の光を奪って見え難くしますから、社会生活では丙日生まれの様に
過ごし、劫財の性格である妥協性や強調性が強く、本心を抑えたり隠したり
その上、他人に合わせ過ぎて変に言い成りになったり
「あの人に薦められたから」とか「あの人に誘われたから」と、人の意見を
尊重するあまり
無理難題を受け入れたりして、無理をし過ぎる事があります。
悪くすれば騙されたりしますし、時には丙劫財の寛大さで許したり
ですが、一人になればその事に対し空しくなったり後悔したりです。
又元亨利貞での人間関係は、年代での引立て役かも知れません。
例えば父親(年干)丙 本人(日干)丁は父親の引立て役 父親の後を
継げば、本人が成果を上げたとしても誉められるのは父親かも知れません。
それ位は覚悟した方が宜しい様です。
< 日干辛と劫財庚 >
日干辛に対して同気陽干庚は劫財にあたりますが、庚は辛を虐めます。
日干辛に月干庚は、社会環境の人からの虐めですから人間不信に陥り易く
神経質です。メンタルケアにも苦労するタイプと言えます。
日月年
辛庚丁
卯申丑
三柱ですがモデルはアスリートです。スタッフの方等には非常に神経質で頻繁に
交替を望んだそうです。社会からの風当たりはきつく それに対してのシャイな
対応には、バッシングで痛手を追う羽目となります。勝負運に恵まれ目立つ
存在となっても、人気商売でもあり勝負師でもあるアスリートに取っては
他人から反省を強いられる様で辛い事では無いかと思います。
<月干辛と時干庚>
これは劫財に関係の無いは話ですが、
月干庚に対し時干辛は、社会運が将来性を虐める形ですから、出世しても
尚目上の人から「使い走り」にされる事があります。喜運で有りながらも
命式の忌の干に、運の喜の干(却っての干)が尅される様な運が
働き盛りの後半に巡る様な人で大運は晩年忌運が重なる命式は
要注意で、上司に晩年運を台無しにされるタイプかも知れません。
しかし、どの命式も大運との遭遇で結果が異なる事は言うまでも有りませんが
運象意次第で決まると言えるでしょう。
癸日に対しての壬劫財に就きましても 多々ご苦労が伺えます。
それにつきましては又いずれ書きたいと思います。
苦労を語っていない命式は殆どありません。言い換えれば多くの人が
苦労を背負って生活をしている訳で、命式から苦労を見抜く事は
精神面が含まれているだけに推命上最重要な事です。
今回はその一例でもある日干が陰干に対して同気の陽干
「劫財」についてほんの僅かですが取り上げて見ました。
自身の心「本心」と向き合い、人に対しては嫌な事は「いや」と言える
自分自身でいる事は人生上大切な事ではなかろうか?とつくづく・・・!
(ブログの参考文献 )
平岡滴宝訳 「新訳・滴天髄」 「神峰通考・干支体象詩」
平岡滴宝著 「改訂版 あなたの運命のすべて」
「子平学・四柱推命法深書」 「秘本・子平廣論」
( 子峰院 占い人・和珞 2022/03/15 )
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