このブログは「子峰院」発行 平岡滴宝訳 新訳・滴天髄を参考にしています。
命式の順・悖について今まで意識して考えた事が有りませんでしたが、
今回真正面から、自分なりの順・悖について考えてみようと挑戦して見ました。
桜の花が散り始めました。小さな青い目が膨らみ開花へと今か今かと花の
咲くのを待つ時の嬉しさはほんの一時 ハラハラと散って行きます。
毎年桜の時期には誰かとお花見をして、心のアルバムが増やしてきました。
テレビのニュース画面を見れば川岸の桜を映し出していました。
そこは、子供達が幼い頃、日曜日にはチャリで一緒によく走った場所、
懐かしく思い出に浸りながら、時間の過ぎるのはなんと速いものかと
思ってしまいます。「時間は過ぎるのが速い」等と中高校生の方達に
言えば「そんな事を言わないで」と言葉は反って来ます。
一番楽しい時期ですから、時はゆっくりと流れて欲しいものですよね。
戦後十年程で生まれて、地震や大型台風の経験はしましたが、
皆で助け合って生きてきました。
明日、必ず安心して生きていけると信じて疑った事は無かった
と思います。今!それが奇跡である事を強く感じています。
川岸の公園で桜の花びらがハラハラと散る中で、鳩の為に持参した
米粒をまきながら、子供達と鳩達が戯れる様子を想い出し
「この平和」を次の世代に残したいと強く願わずにいられません。
さて、< 今回は滴天髄、通天論 >では、
「載天履地で人を貴となし、順、即ち吉、悖、即ち凶。
人間に聾瞶(ろうき)を開こうと思えば、順悖の機を理解すべし」
と言う一文があります。順と悖の命式を一例ずつ挙げて比較してみようと
思います。
又、通変星の強さと並びはよく似た命式を使い、見比べられ易くすしました。
どちらも、女性で「内格」日干類は二干三支の様に強く身旺、偏官(殺)は1干1支
と ①の年干財 ②の年干食も1干1支 の様に弱い命式がモデルです。
日干類が強く忌、それを尅そうとする偏官(殺)は喜になる。
①の命は、忌の日干戊を制す甲は喜 それを生じる癸財も喜となり
弱い喜の干を側干で生じる命式は良いとされ「順」、
即ち「吉=良い」でしょう。
②は食殺の命式、強い日干甲を制す庚は喜 その庚を制する丙は忌となる
「忌神転々と責める」等と言われ、
喜の干の両側干が忌の命式は良くない、即ち「凶=悪い」
①順 ②悖
敗 殺 財 敗 殺 食
己ィ戊イ甲キ癸キ 乙ィ甲ィ庚キ丙ィ
しかし、現在の社会環境ではこの命式を「順悖」で分類分け、
その良し悪しを語るには早計の様に思います。その訳は、
金能克木、木堅金缺
「金は木を切って尅しますが、木が強く堅ければ金の刃は反って欠ける」
基本、鉈や鉞の様な庚金は木を切る事ができますが、地支が多く強い甲木を
切ろうとすれば、庚鉈は刃こぼれして使えなくなる。
甲木と庚金の関係は強さによっては反尅があると言っています。
①の命式は日干の側干の偏官は、財に生じられ確りとした偏官の
主な性格は、日干類の方が強く自己顕示欲や自尊心が勝り、
自制心と自尊心の鬩ぎ合いの結果 自尊心を優先する人ですが、
キチンとしようとする気持ちを持ちながら、他人からの忠告を素直に受け
止められず、特に忌運では良いアドバイスを提供してくれる人等を
反発心等から遠ざけてしまい兼ねません。
又、湿を得た偏官の伴侶や社会環境の人達の要求は厳しく、
女性で大運は順行、天干運は初運正官 継いで忌の偏印→印綬→
比肩と続き、喜財を弱め日干を強める運は、経済的には貧しく
行動的には、考えの甘さや忠告を素直に聞けずにハードな人生となります。
しかし、真面目で粘り強い頑張りから何とかなる人で大器晩成型と
言えるでしょう。
命式は順であっても、性格や働き盛りの人生模様は「順」と言えるかが
疑問です。
②の命式は、強い忌の日干を制す庚は喜 それを制する丙は忌になり
弱い庚に取っての弱り目祟り目は「悖」の類ですが、日干甲に取って反発心は
あるものの、丙の食神は人あたり良く、庚殺は嫌な事は「いや」と言い性格には
メリハリがありあっさり型で姉御肌、幼少期の丙食は忌でありながら
才があり英才教育のチャンス、必ずやしたい事を見つける筈で、
大運天干運は喜財の傾向ですから、喜忌変遷があったとしても経済援助次第で
伸びる可能性が充分あります。
「異路の光明を軽しと説くなかれ」
月干庚は、丙に制された伴侶や社会活動での人達は喜でもあり対応し易い
人達ですから、生き易さや性格面から、その苦楽に①とは運傳の
差がある筈です。
但し40代以降の乙運は、喜の庚を合去様々な事で要注意の時期となります。
命式唯一喜の月干を、働き盛り無作用になる時期は誰でも同じ事が言えます。
順・悖の命式を見分ける事は推命者としては重要ですが、それだけで
命式の良し悪しを決める事はどうでしょうか、それを決定付ける事に
よって推命に終止符が打たれる事が気懸かりです。
現在社会は数十年以前と比べても、生活・社会環境は多様性に満ち
溢れていますし、命式は百人百様ですから、命式の分析によって
様々な依頼内容の対応を可能とする子平学・四柱推命の最大長所を
活かす事を手段として、できるだけ長所を見出し、
それを人生において十二分発揮できるお手伝いが出来れば
理想では無いかと考えています。
滴天髄 通天論は 続けて
「理を受け気ゆくに常あるや、進むや退くや抑揚によろし。
干支の配合を仔細につまびらかにし、人の禍福と災祥を断ず」
と言い。訳は一部分ではありますが
「天干の旺衰、強弱、喜忌の程度を見定めなければなりませんが、
行運の調節時期等を詳しくしらべて、苦労が多いとか安定しているとか、
何時が良くて、何時災いが起るかを断定しなければなりません。」
とも、仰っています。
私は現在の師である渕宝先生からは、行運の調節時期でのアドバイス法を
教わり、それを宝物にして推命の中で活かしています。
又調節時期が、健康な人で働き盛り早い時期にある方はラッキーで、
「順」の命式よりも幸運の持ち主と言えますが、
知らず知らずの内に無駄にしている場合が多々ある様です。
( 余談 )
これは子峰院の話ではなく 個人的な私の話として
口コミ依頼だけで仕事をしている私は、他の方々に比べると鑑定経験は
かなり少ないはずですが、それでも偶然に二人が性別・生年月日時が
同じくする依頼の経験が二組有ります。時期や依頼内容や依頼人(本人との
関係)の違いがあれば、基本的な事は変わらなくても、お答え内容は多少
違ってくるのは当然です。
特に環境や地域性の違いからは「当てる」占術ではない事を痛感しています。
又百年大運は変わらなくても、依頼時期によっては返答内容に違いが出ます。
この様に、同姓、同生年月日時でも、全く同じ人はいない事は確かな様です。
無断転載を載禁ず
(ブログの参考文献 )
平岡滴宝訳 「改訂版 新訳・滴天髄」
「改訂版 神峰通考・干支体象詩」
平岡滴宝著 「改訂版 あなたの運命のすべて」
「改訂版 子平学・四柱推命法深書」
「改訂版 秘本・子平廣論」
( 子峰院 占い人・和珞 2022/04/07 )
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