前回の続きになります。
命式の読み方は色々ありますが、甲と丁の関係は基本丁火が甲木を燃やし
(洩気)て丁を強めると考えるのが通常です。
又、丁火と癸水の関係は、滴宝先生は自身の鑑定経験から「ロウソクの火に
水滴をかけるとパチパチと反発音をたてるような現象で決して良く無い」と
「激の関係」と迄仰っていました。しかし今回、人は大義名分の為に経験に
学び此処まで変われるものかと考えさせられた命式です。
今回の命式は丁日生れに月干癸と時干甲に挟まれていますが、意外な
結末の鑑定経験になりました。
< 命式 >
時 日 月 年
印 殺 官 月令-癸 季節-冬 丑午-害
甲 丁 癸 壬 丁1干1支 (2)
辰 丑 丑 午 甲1干1支 (2)
戊 己 癸 丁 壬癸2干(令)3支 (7,5)
A4 対 B7,5 内格:正官格
内格Aが弱く喜 Bが強く忌
< 命式は >
午丑は害の関係、午は喜の日干を支え火の専支で命式上非常に重要な
地支ですからこの午を冲や支合運の到来にも安定させる丑との害は、
有情と言って良いでしょう。
季節は冬、2支の丑は両側の午と辰そして天干の丁に温められ全くの
凍土では無くどちらかと言えば解けて柔らかくなっているが,時にやや凍土
と言った感じの手法は多く機転の効いた要領の良さである。又この命の
辰と丑は体質を丈夫に無理の効く体質ですから無理をし過ぎる傾向です。
時干甲は水支でもある辰の根を持ち、命式全体に水気が多く湿の強い湿木
どう頑張っても丁でこの甲を洩気(燃やす)で丁を強める事は無理で、
印綬でありながら丁(本人)の見方をしてくれません。
< 大運 >
93 83 73 63 53 43 33 23 13 03
✓ ✓ ✓ 〇 〇 〇 ◎ ✓ ✓ ✓
辛 壬 癸 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 ←(年運)乙丙丁戊己
才 官 殺 印 倒 劫 比 傷 食 財
卯 辰 巳 午 未 申 酉 戌 亥 子 ←(年運)庚辛壬癸甲
〇 △ 〇 〇 〇 ✓ △ △ ✓ ✓
辰 辰 午 ←冲・支合する地支
< 大運は >
大運と元運共幼少・青年期の運の悪さが目立つ事から「どうでしたか?」
と問えば「想い出したく無い程酷いものでした」と、ですからその先は聞い
ていません。但し年支の母親からは「手芸一般の技術を叩き込まれたが後に
是ほど役立つとは思っていなかった」と、伺いました。
これは今で言う “英才教育”と言って良いと思います。
23才~の戊運は癸を合去、日干丁と年干壬は強化干合この時期に結婚子供
に恵まれるが離婚、色々酷い推測が出来ます。
28才~の戌は辰を冲で抜き年支丑を頑なにして、精神的には辛い時期。
33才~丁運は壬を合去、AとBのバランスが取れ非常に良い時期の調節期
ですが、調節期は前が悪くその後の運が良い程試練の時期になるのは割りに
多い話です。この方もその例外ではなかったそうです。
商業地の繁華街に手芸材料の店を開き、販売の宣伝を兼ねたお手本作り、
教えを求める人たちに技術を伝授、生徒は日増しに増えていった。
53才乙運~この方の場合新型コロナを味方につけ、販売網と生徒数の
拡大、生徒達が作成した製品を買い取り販売に成功。
58才未運~長年教えた生徒の中には製作教育を任せられる人が数人
育ち、その方達にバトンタッチして自身は監督指揮的な役割を果たして
行きたいそうです。
未運の前半は、害の午丑の間を未は行き来、
未は木支でも火支でもあり、甲木は洩気で丁を強めます。この時期育った
生徒達は日干(本人)の役に立ちます。
後半は日支忌の丑を冲で無力にして喜運。
63才~の甲運は、その後の運が悪ければ人間関係に留意が必要です。
即ち「庇を貸して母屋を取られる」になり兼ねませんが、82才までは
喜運ですからその心配は無いでしょう。
扶抑用神は忌の正官ですが、元運時干は印綬、大運も印星運ですから未運の
後半から、また教育(人に知識を与える)の仕事に戻られると見ています。
最後に
印綬・甲木を育てるとは?)
命式甲木は湿の強い冬木で有りながら辰の根を持ち元気な木ですが
湿の強さは印綬で有りながら決して丁(本人)を強める事は有りません。
むしろ甲木を暖めて育てようの出方は親切で謙虚、生徒達からは
「優しく教え上手な先生」と(これは人伝に)
交際力は?)
月干癸(偏官)に対しては日干丁と癸の強さからの象意は反発ですが、
取引先や販売場所の提供してくれる様な人(官=目上の様な人)に対しては
従順ではありませんが、生活の為に誘われ上手の様なお付き合い上手と推察。
彼女は女手一つで子供を育てた苦労人ですから、自身と同じ立場の女性の
手助けをしようとの思いに行き着くのは自然の成り行きでした。
生徒の中には不器用で完成品は売り物にならない様な人には販売や
製品の管理を手伝って貰っているそうです。
別れと出会い)
ストレス解消には日支の丑の護丁を欲しますが、丑は暖めるれば水滴が
落ち丁火としては長時間一緒に要られる相手ではありませんから都合の
良い時だけの相手になります。しかし未の後半の日支丑を抜く時期は別れ、
そして甲運には新しい相手の登場の可能性を見ました。
彼女の言葉)
「若い頃は心を閉ざした時期がありましたが、心をね閉ざしていては
生活が出来ない、生活が出来なければ子供を育てられない。
それではいけないと思ったわけです。」
これは、彼女が生きていく為の大儀です。
< 子平学・四柱推命の豆知識 >
昨日のTwitterです。
「己土と壬水の関係は通常「己土濁壬」と言いますが、夫々の強さの比較
では泥土の場合もあります。又己土濁壬で作品作りをされている方は濃淡
を見ます。それは個性ですが己が弱ければ色合いは全体に薄い事が多い
様です。アクセントにはその意識が役立ちます。」
己土濁壬は良く無いと言われるのが通常ですが、案外この方達は才能の
持ち主が少なくないのは驚きです。泥土の人には料理人がおられますし、
建築家関係の方もおられます。思い当たる事から先ず口火を切ってみて
下さい。面白い話を次から次へと聞かせてくれます。命式によっては
一寸したアドバイスができる可能性が出てきます。
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( 子峰院の出版物 及び ブログの参考文献 )
平岡滴宝訳 「改訂版 新訳・滴天髄」 「改訂版 神峰通考干支体象詩」
平岡滴宝著 「改訂版 あなたの運命のすべて」
「改訂版 子平学・四柱推命法深書」
「改訂版 秘本・子平廣論」
( 子峰院 占い人・和珞 2023/07/19 )
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