( 子平学 四柱推命 運命学 )
滴天髄は明の時代、劉伯温氏が編纂され、その後多くの人達の手により、
註釈や訳本が世に送り出されています。
ここでの天干論はあくまで滴天髄による天干論です。
天干論 ( 壬 )
壬水は汪洋(おうよう)よく金を洩らし、剛中の徳で周流して止まらず。
通根して癸透れば、天を冲して地を走り、化すれば即ち有情、
従すれば相済(あいさい)す。
( 解説 )
他書では通河となっていますが、汪洋は神峯氏の体象壬水の表現の
応用と思われます。
( 訳 )
壬は大河や海のようなもので、金を洩気させる作用があります。
見かけは柔らかいようですがその性質は剛であり、その力は馬鹿になりません。
強金を弱める作用は徳と言えますが、ポイントは何と言っても金の月令にあたる
申といえます。申は金の通用門と言っても良いでしょう。
砂漠の様な所にある河には縁(ふち)がありませんし、天地をめぐって止まる
ことがありません。たとえば子申辰の地支を持つ強い壬に、
癸が加わればその勢いは非常に激しく強いものになります。
壬丁の化の干合に良い命式になる時があり、又命式に壬癸あって強い時は、
従旺格になった方が良い場合が多いものです。
< 和珞の追加解説 >
〇見かけは柔らかで内剛の性格は、壬日生まれの人は、静かで穏かで他人との
論争などは好まない様に見えるが、人の意見を聞かず自身の思うままの
行動性で自由を束縛される事を嫌がる、その行動性は複雑極まりないものと
なる事が多く、日干強い人では一端翻せば、他の干の人と比べて怖い相手と
なる可能性があります。
〇壬庚は申を還流すれば、庚は壬を強め壬は庚を沈金作用によって力を削ぐ。
その場合、強すぎる庚が忌なら良い結果となります。(申は壬庚の門戸)
〇壬に戊の透干は岸壁(ふち)のようなもので 強さ的にバランスが
取れていれば内剛の性格は軽減され、気持の調節の取れた人となります。
〇壬に癸で、天地を巡るのは何故子申辰の三合なのか(冲天奔地)、
三合なら雨と海の関係。亥子丑の会局は寒く冷たく氷と雪の関係で、
雪と氷は一体化(別々の物)する事がなく、雪は氷を強めず天地を巡る
事はないから。しかし三合でも、子が月支(12月生まれ)の場合は壬癸の
関係は氷と雪の関係になり、命式によって違いがあります。
〇壬癸が強すぎ忌となる時は、複雑な行動性や剛情と言った性格面から、
日干壬の場合、月干か時干が丁で月令が甲乙(木)で化木となった方が性格的に
良い場合が多くありますし、内格で日干比敗が強く忌になるよりも
外格従旺となって日干比敗が喜となる場合も、同じ事が言えます。
< 壬についての余談 >
〇冬以外は壬は海 癸は雨 雨が降って海を強めるが、その反対は
決してない。陽干兄 陰干は弟の様なもので、兄は弟に取って頼りになるのが
普通ですが、壬と癸の関係は頼りになるのは弟である。
(この関係を思う時、関西の人気漫才師にそんなグループが、
いたな等といらぬ事を考えてしまう。)
〇日干が壬で月干に癸の透干あれば、他人の考えを取り込む事が上手な
人となります。
〇日干壬が喜の場合、運で癸が巡る時期は気のあった協力者を得られ
可能性がありますが、忌の場合は調子の乗り過ぎで、
身の破滅となる様な悪い事をしてしまったり、
無理のし過ぎで体調を壊したり 事故を起こす可能性あります。
※日干が強い場合の喜忌の違いは、実行力・統率力・判断力・
表現力に違いがあり、運にもよりますが人気や理解の得られ方等に
違いがでます。又、日干類が強く忌の場合、強まって忌運での調候は
自身の勢いの強さで、自身だけでなく他人にも影響を及ぼし迷惑をかけるなど、
酷い状況となる事が多くても、日干が強く喜の場合は、
弱まって気力の衰えなどでの忌運の状況は、それ程ではない事が多いものです。
参考文献 平岡滴宝著 「新訳・滴天髄」
( 子峰院 占い人・和珞 2019/04/25 )
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