子峰院  和珞の鑑定例121

 命式は、化水格の外格・弱従旺格です。

 この人は医療従事者、命に携る仕事に従事しながら悲しくも貴い数人の

命に手をかけてしまいました。

この命式で、学生時代はお喋りを交すような親しい友達は少なく根暗だと

そして仕事場では不器用で要領の悪さは、叱責されるような事も有ったと

テレビでは、ワイドショーでの知人方の評価でした。

 誕生日を調べて命式を出して見ました。

丙(太陽)は2干であっても冬月の丙寅の命は、悪さはしない筈です。

そして命式に柔軟な辰の地支。

又経験上、こうした命は他人からは「まるで太陽の様な人」や

「向日葵の様な・・」の評価ですから

この命での調候・性格は、到底信じられるものではありませんでした。

三柱ですが元となる命式です。命式をキチンと取って行くうちに成る程と

合点がいきました。生日は節日より12日迄、月令は癸の範囲です。

日 月 年

丙 辛 丙

辰 丑 寅

丑月の月令は、節日より12日目迄は癸、それ以降は己となる、その為丙辛の

干合は変化、丙辛は化水、この命での変化は、日干丙は壬 月干辛は癸に変化 

年干丙は変化なしそのまま、変化後の命式は次の通り 時干は推時

( 推時の取り方は下記にて説明 )

 

< 化水後の命式・女性・推時 >  キ=喜  ィ=忌

時 日 月 年      月令-癸  季節-冬     

印   敗 才       壬癸(令・陰)4,5 2支 (6,5)

辛キ  壬キ 癸キ  丙ィ     辛1干1支 (2)     

卯△辰キ 丑キ  寅ィ     丙1干1支 (2)    

乙 己  癸キ           A印比敗8,5 対 B才2  身旺

             格名―外格弱従旺 化水格

            

丙が1強くなれば内格になるため、格名には弱をいれました。

喜の干=壬・癸・庚・辛

忌の干=甲・乙・丙・丁・戊・己

注意:この命式での重複干合はありあません。

 

< 時干推定の道のり >

 犯行は大運の26才からの戌の時期でした。戌は日支の辰を冲で無作用に

する。辰は水支で壬癸を強める地支の為、壬癸辰を喜にしなければならない、

日干・敗は月令もあって強く、辛印の透干あって内格にする為に丙以外の

Bグループのどの干を入れても、壬癸辛に勝てずAグループは忌となる

よって外格従旺にしました。外格従旺にするには時干は壬・癸・庚・辛のいずれ

かとなるが庚癸には寅巳、丙に1支通根内格となる為駄目。壬には辰ですが

そんなに要領は悪くは無く、辛には卯では外格従旺になり、上記のような要領の

悪さが出る為、時干は辛卯にしました。

 

( 変化後の命式は )

 月令丑(冬月)は丙を強める寅が側支、月干癸は丙が側干にあり丑月であっても

癸は雪ではなく雨や厚い(強さ)雲、丙の光や暖は厚い雲によって地上に届かず

丙財(干渉心や社交性)の良さを出せない。又時干の辛は強い壬によって沈金で

喜であっても印綬の良さが出せない。地支の辰は丑に質を弱められて得意とする

柔軟さを発揮できない。この様な命式では丙の明朗さや印星の要領や賢さは

発揮は出来ないと言い切って良いでしょう。

命上その他の判断としては、こうした職業の人に必用な気配りや目敏さ等が弱く、

特に俊敏さに欠けると見ました。

 

   < 大運 >

91 81 71 61 51 41  31 21 11 1

〇 〇 〇 ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ 〇  

辛 壬 癸 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚

印 比 敗 食 傷 才 財 殺 官 倒

卯 辰 巳 午 未 申 酉 戌 亥 子

△ 〇 ✓ ✓ △ 〇 ✓ ✓ 〇 △ 

        丑 寅 辰 辰 寅 丑   ←冲・支合する命式の地支

 

資格免許を取得たのは、戊殺運の最初の歳21才でした。

それ以前の亥運は、忌の寅を支合する喜運ですから当然かと思います。

それ以降は免許を活かして病院勤めをしています。

犯行を実行したのは、喜の辰を冲で無作用にした戌運は忌運でした。

その頃の評価は、臨機応変な対応が難しいと言われていたそうです。

起訴、逮捕されたのは31才大運は丁、丁運は日干壬と絆神強化で相当に

強くなり命式はA8,5 B5と外格から内格に破格で喜忌変遷となった運は、

命式はかなりの変動が起きた時期でした。

34歳同じく大運は丁運に判決が下されました。

 

< 命式・大運と現実 >

命式は年干丙忌財を、月干(社会環境)癸敗財の暑い雲で隠して手に入れる、

丙財は年干では有りますが、この場合自身で働いて手にする財で財欲も

強く、その為に頑張らなければいけないと考える筈です。現に犯行に至る

少し前自身は仕事には向いていないから辞めたいと考えながらも、

次回のボーナス迄は辞められないと・・・

 

又年干忌財(父親)と年支寅(母親・蔵干は丙・甲)は通根で意思の疎通が

取れて価値感は似た者同志と推命できます。情報ではお母様は金銭的に

とても厳しい人であったと。割の良い仕事を辞めたいと言えばスンナリ

と賛成できないのは親心ではないでしょうか。

 

命式癸は雨で有り壬癸は冲天奔地、癸水は壬を強めても、壬は癸を強める

事は無く社会環境の癸は壬(本人)を強め続ける。友達はいないとの情報

ですが、お母様は「友達は少ない」と、全くいない筈はありません。

月干癸の社会環境の人は敗財であり、本人と似た立場の人からの影響は

免れず、この場合同僚が叱責されるのを見て強い不安を感じたと、

自身も叱責される事もあったとかで心境は不安の倍増でした。

本人は自身の気の弱さからと主張、しかし、この命では月令にも旺じられ

日干壬の冲天奔地は、制は効かず歯止めが無い処があります。

 

仮に丙の透干が無ければ丑月の壬は氷、癸は雪で氷の上に積もる雪

夫々は別物、壬は癸からの影響は少なく不安は半減して、壬癸の関係は

冲天奔地にあらず、その行動は冲天奔地より大人しくこの様な行動は

起こさなかった筈です。よってこの命での丙は忌であり「病」の干にあたります。

働き盛りに丙を合去する辛「薬」運が巡れば、例え五年の大運であっても同じ

事が言えますが、残念ながらこの命での辛運では最後100才前と言うのも

残念でなりません。

 例え丙が無くても「長養堪培」の辰があるため 健康には恵まれます。

 

< 干合・冲・支合に思いを >

 干合や冲・支合無しの命式と、それらを取り入れた両方の方法で

推命をしたりしていますが、干合・冲・支合の方法の方が、私の場合は

判断し易く最終的にはこの方法で推命を行っています。

冲や支合にはそれぞれで象意があって、その出方も興味深いものがあり

常に注目しています。丑辰は破ですが、癸丙の作用の方が

強く出ているようです。

 この命での月干癸と日干壬の出方には「成る程」と

とても勉強になりましたし、目の向け方の研究材料となりました。

又今後の推命では、提案・アドバイスの道先案内をしてくれる筈です。

 人は無意味な事で、自身を苦しめ追い詰めている事に

               気付いて頂ければ思います。

 

ブログは短所ばかりの様に見えますが、短所と長所は紙一重です。

この命では癸丙を「頑張り屋」と言って良いでしょが、時に過ぎる事が有ります

忌運が続けば折角の長所も短所と化し、身旺の人は確率的(言い切りは出来ない)

に自身が蒔く種が禍となって帰ってきます。

「短所を制する事が出来る者は、人生を征服できる者である」です。

      

 

      < 子平学の基本書 > 

          ↓

  私たち門下は、最初の教科書として使っています   

      f:id:sihoin:20211201161138j:plain

 


( ブログの参考文献 )

平岡滴宝訳 「新訳 滴天髄」 「神峰通考・干支体象詩」

平岡滴宝著 「改訂版・あなたの運命のすべて」

          「子平学・四柱推命法深書」 「秘本・子平廣論」 

 

( 子峰院 占い人・和珞 2021/12/01 )

 

子峰院へのお問い合わせはこちら

  ↓   

子峰院ホームページ

http://t.co/XRxE0QDoby 

子峰院 【最新改訂版 子平学 四柱推命法 皆伝書】

http://sihoin.web.fc2.com/shihei9.html