今回は滴天髄「母子論」に託けて、「子供に対する親の期待と
子供の苦労」について書いてみました。
滴天髄の「母子論」後半には
「孝子が親をたてまつるのを知りて、始めて克諧大舜の風をよくす」と
あります。
意味)
子供達は、どうすれば親がほんとうに喜ぶのかをよく考えて大人に
なっていけば、親を超える事もできるし、母子がほんとうに喜びあえる
ものです。
※これは道理の話ではありません。五気は主体とする気から一つ前の気を
母、一つ後の気を子供と言い東洋医学でも同様に使っております。
例えば 木に対して、水気は親(母)、火気は子供(児)と呼ぶ事が多くあります。
この論では日干を主体にしていますから、印綬と偏印が親で食神と傷官は子供
に例えた論になります。
「孝子が親をたてまつりを知りて・・・」は日干とその子である食傷の関係です。
日干と食傷の場合、日干が強ければ干関係は順生を求めます。例えば、強い
日干甲は丁(傷官)への洩気です。しかし日干が弱い時は丁への洩気によって
更に弱くなりますから良くありません。
強い日干であっても、強い食傷(児)の洩気は現実象意でも良く無い場合が
あります。
例えば春生まれ卯寅の根を持つ日干甲や乙を、丁での洩気は過ぎて、日干
は強そうに見えて覇気の無さや実行力や判断力の低下が見られます。
又丙との関係も水気の少ない命式では、甲乙木は枯れ元気を失います。
現実に数例の経験がありますが、見極める必要がありそうです。
他の日干と食傷の関係も、通根の地支や干関係、そして強さの関係でも
なかなか上手くいかないものですが、日干と食傷の関係は他の通変星との
関係に比べれば日干(本人)と食傷(児)の関係ですから、比較的相性が良く本人
に取っては扱い易い関係になります。そう言ってもやはりどこの親子関係も、
そう簡単に治まりそうにないのは、人間社会も命式も同様かも知れません。
( 現実社会で観る、親から子供への期待 )
東洋占術の理論は、人間社会の道理に例えて説明する事が多い様ですが、
個人的には、こうした道理は目上の方の有利に語られている様に感じています。
子供達は、どうすれば親がほんとうに喜ぶのかをよく考えて大人に
なっていけば・・・現在では、この文面に意を唱える方は少なくないと思います。
全ての子供がどんなに頑張ったとしても、親の期待に添える充分な力が
備わっている訳ではありません。現実には、幼少の頃より親の期待に答えようと
努力をしても追いつかず、押しつぶされそうな気持ちで過ごしている
子供がいます。親思いの優しい子供さん程その傾向は免れないようです。
特に優秀な親御さんだったり、世襲制の家系等、色々な思いの中「親への憧れ」
もあります。
期待に答えようと苦労の果て挫折等々、道すがら青年期から壮年期に及んでも
尚、屈折した思いが出現する現実を、私への依頼内容にはかなり多く
見てきました。
親の中には「人生は当の本人の責任で有り、親に責任を押し付けるな」と
言われる方も少なくないのが現状で、
結果、親子に人生上の大きな影を残す事例は後を絶たない傾向です。
「親に孝!」を子供に強いるのは、今一度考え直すべきでは無いかと?
思います。
←(中国推命、喜忌説への宝典)
( 本当に子供は苦労知らず? )
さて、話は変わりますが、大人の中には「子供は苦労知らず」と仰る人が
おられますが、生れ落ちた時から片親、死産に限らず母親を失って父親に
育てられた子供さん等々、様々な事情で片親に育てられた子供さんは、
親子共々で「苦労」を口にします。又は社会には見え難い虐待、その他諸々
の事情で赤ちゃんの頃より、大人よりも苦労を強いられ苦労を重ねている
子供さんがおられる事は、占術を道とする方なら誰でもがご存知の筈では
無いかと、「子供は苦労知らず」等とその心理を無視するのではなく
そうした子供達への苦労を思いやる大人の寛大さこそが、大人が
大人として優しくなれる道では無いかとと思います。
「子供は可弱き天使!」
子供を守れるのは、大人(貴方)しかいない事を忘れないで下さい。
( ブログの参考文献 )
平岡滴宝訳 「改訂版 新訳・滴天髄」 「改訂版 神峰通考干支体象詩」
平岡滴宝著 「改訂版 あなたの運命のすべて」
「改訂版 子平学・四柱推命法深書」
「改訂版 秘本・子平廣論」
( 子峰院 占い人・和珞 2022/11/05 )
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