今回は日干を含め比肩が3干の命式です。日干以外の比肩は競争相手を推す
事が出来ますが、比肩が複数の場合干関係ではタックを組める場合とそうでない
場合の精神的苦労ははるかに違いがあるようです。
<命式・男性> ィ=忌 キ=喜
時 日 月 年 干合・冲・支合なし
比 比 比 傷 月支(巳) 月令-丙 季節-夏
丁ィ丁ィ丁ィ戊△ 丁(令)3干3支 7,5
未イ酉キ巳ィ戌ィ 戊1干2支 3
己 辛 丙 戊 A7,5 対 B3
用神取法-扶抑法 格名-内格・傷官格
この命での3干の比肩はタックを組む事は出来ませんが、仲良く見せようと
見せ掛けを取り繕わなくて良い分だけ、精神面での苦労は少なくなります。丁火
の本質は心温かく情熱家ですが、強い丁は護丁作用(炉)が効いていなけれ
ば、気性は激しく向う意気は強くなります。この命での護丁作用は月干(社会生活)
丁だけで日干・時干には効いていませんから「外見は良く内には厳しい」の
両面の性格は、身近な人からは「外面(そとづら)は良い」との
評価がありそうです。
しかし、丁7,5に対して戊の3は、炉から火が噴出している状態です。
又、徐大升氏は言います。火が多ければ(強ければ)土は焦(こ)げる。(もろく
なるの意)。「火多土焦」戊(傷官)はもろく炉から丁が噴出した状態は、
自身のコントロールが効かず内心歯痒い思いがある筈です。
仮に、月支が辰や年支が子であれば、炉自体に火に対しての抵抗力が出ます
から傷官の手先の器用さや俊敏に期待が持て仕事に活かす事ができます。
ですが、燥土の炉では炉が自体が強まる土運(食傷)運は良いと
ばかりは言えません。
<大運の喜忌>
天干での喜運=壬・庚・辛 忌運=甲・乙・丙・丁・癸 現状維持=戊・己
※癸運は、月令は丁、戊と変化の干合、化火になり戊は丙、運の癸は丁に
変わり、格名は外格従旺、喜忌も変遷命式は大きく変動します。
< 大運 >
96 86 76 66 56 46 36 26 16 06
✓ ✓ ✓ ✓ ✓ ◎ 〇 〇 △ △
丁 丙 乙 甲 癸 壬 辛 庚 己 戊
比 劫 倒 印 官 殺 才 財 食 傷
卯 寅 丑 子 亥 戌 酉 申 未 午
〇 ✓ 〇 〇 〇 ✓ 〇 〇 ✓ 〇
戌 未 巳 巳 未
〇庚(26才)辛(36才)の財運は、戌巳酉が通根して4の強さ.。
Aは7,5 Bは7と
バランスは取れますが、丁は7,5に対し庚or辛は4と丁は喜の金を尅しきり
喜金が形を壊す状態はあまり良いとは言えず、自己調節が取り難い時期と
なります。これは、戊が燥土であるからで、大運の金の時期初期は、仕事的に
順調ですが後半は色々な問題が生じる可能性があります。こうした時期は、
地位的に責任重いトップではなく、他人の判断の下で動く様な地位の方が無難
に乗り越えられ健康的にも過ごせるでしょう。
日支(伴侶)酉は良い役目をしますから伴侶の意見を聞いてみるのも宜しいのでは
無いでしょうか。
〇壬運(46才)は、競争相手でもある月干丁を合去で喜運、仮の干であっても
戊は日干の側干なる時期は何時もより精神的にも楽で判断に間違いは
起こり難い時期になります。調節期としては、年代的に有利です。
〇癸運は上記の通りです。化火運の命式の殆んどは火になります。
変動の末の外格従旺は、自分の欲望に任せての行動性で健康面と共に
火の禍に注意の時です。
〇甲乙運は、燃料となって忌丁火を強め元運時干丁の勢いは止まる事を知ら
ず老いても尚元気。周囲の人たちを心配させる時期となりそうです。
〇亥と丑運は、火支を弱めるだけです。ほんの少しだけ大人しい時期となります。
〇子運は、特に水支としての子はたとえ天干に通根しなくても水気として
の働きは強く良い働きをしますが、年齢的には晩きの感です。
子運が働き盛りなら◎をつけても良いでしょう。この方は痴呆の
心配はありません。
※「群劫財奪」の言葉が有り、この命もそのタイプと言えるかもしれませんが、
働き盛りの運は比較的良い方ですからその心配は無いかと思います。
しかし、用心すれば直接お金に携る仕事は避けた方が宜しいでしょう。
子平学の開運法は「自力本願」しか有りませんから、運を知り対策を立てる
事で必ずや開運に繋がるでしょう。
< 婚期について >
男性に取っての婚期の一つに喜の財運があります。この命は26才から
45才までの20年間と長期間そのチャンスがありますが、日干は丁、日支は
酉と嫌がる相手を口説き落すと言った感があります。この時期に結婚出来れば
本人に取っては徳のある人ですが、本人はその値打ちを知らないまま一生を送る
可能性があります(下記説明)。是非口説き落として頂きたいものです。
しかしこの結婚について、母親からの強い干渉の可能性がありますから
結婚の経緯にはエネルギーが要りそうです。(母親と伴侶の相性は下記説明)
< 地支について >
命中の戌と未は、丁と戊に通根しますが還流で関係を繋げる事によって
どちらかと言えば丁に荷担して戊の質を低下させる役割をしますから
忌の地支にしました。冲・支合で抜ける時は悪くはありません。
年支戌(母親)と日支酉(伴侶)は害の関係で、戌は卯や辰の支合や冲で、酉の
冲・支合を身を持って制します。又伴侶酉は戌の火の干渉心を嫌いますが、
酉と戌の相性は良い方ですから嫁姑問題で荒れる事はまず無いでしょう。
命中では、酉の判断力が一番優れていますが、日干や月支との関係は今一
の上尅を受けるていますから、その力を充分に発揮出来ていません。
その力を発揮して頂くには、伴侶に対しては上から目線でなく尊敬と尊重、
常日頃から意見を聞く道がベストですが、この方に取ってそれは非常に
難しい事でしょう。。
( 子峰院の出版物 及び ブログの参考文献 )
平岡滴宝訳 「改訂版 新訳・滴天髄」 「改訂版 神峰通考干支体象詩」
平岡滴宝著 「改訂版 あなたの運命のすべて」
「改訂版 子平学・四柱推命法深書」
「改訂版 秘本・子平廣論」
( 子峰院 占い人・和珞 2023/02/24 )
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