子峰院の子平学・四柱推命 ( 鑑定例139 )

 用神と言っても種類は幾種類もありますから、分別するには時間もエネルギー

も要します。この様な作業は、推命を厳密に行う為の作業ですがそればかり

で良いと言うものではありません。

 私は是までの経験から、命式の天干・地支そして月令の役割をできるだけ

綿密な分析に力を注ぐ事こそがベストと考える様になりました。

例え、忌神であっても悪い役目ばかりでなく良い役目をしている場合が多々

有りますし、その反対もあります。又、大運に至っても同じで忌運であっても

悪い事ばかりではありませんし、その反対もありきです。それらの程度を

知るには、命式八字!いいえ、最低でも月令を入れ九字の分析は、

時として用神に神経を注ぐよりも、推命判断を容易に導いてくれます。

 

<命式・女性>

時 日 月 年     

              月支-子 月令-癸 季節-冬

丁キ 庚ィ 壬 丁      壬丁-干合(合去)

丑ィ戌△子ィ巳キ      庚1干3支 (4)

己 戊 癸ィ 丙      丁1干2支  (3)

       A4 対 B3 用神取法‐扶抑法 格名-内格 正官格

             元機-丁・巳  病-丑

<命式は>

庚には3支の通根 丁には2支の通根があり、巳戌は庚と丁に還流して

庚金を尅す(熔)事に加担していますが、丑は反対に冷やし丁からの庚への

尅の抵抗力です。庚が喜なら丁からの鍛錬そして丑で冷やせば錬金に繫が

りますがこの命の場合、庚は忌ですから「錬金」にはなりません

しかし「仮の錬金」とでも申しておきましょう。使い方は無きにしも非ずです。

 

※戌丑は無恩の刑ですが、悪い事ばかりではありません。

錬金は、熱し冷やすを交替に繰り返してこそ、その効果を発揮出来ます。

戌丑はその分業を繰り返しに行い、錬金へと導く良い働きをしています。

 

丁の力量から、賢い人ですし、仮の錬金もずる賢さに繋げられます。

「ずる賢い」等と言いますと悪く聞えますが、現在の様な社会環境で生きて

行くには「ずる賢さ」は決して悪いとは言い切れず、生きる為の知恵

人生途上には自己益は必ず必要になり、使わずは「馬鹿正直」の一途に

なり兼ねないのではないでしょうか。

 

さて、この型の場合折り合いについての才が顕著ですが、3対2位の割合で

やや自分本意です。日支と時支の戌丑は「無礼の刑」元運では人生の後半

になりますし、大運の天干運は「50代の転角」を迎えます事から、慎重を

期すべきでしょう。

時支丑は、丁戌によって溶けている様で未だ硬さをを残し、思い通りに行か

ない時は、硬い丑を使い短気できびすを返す様な仕草となって、大事な対人

関係や交渉の時等のトラブルは反って自身の益を損ない兼ねませんから、

少なく無い火気で丑を暖め柔らかくした上での折り合いのつけ方が

良いでしょう。丑は粘り強さにも特徴がありますから、時間をかけじっくり

と事を構える事が出来ます。( 人には人の兵法が )

 

壬丁の合去で天干は、庚と丁だけの命式内格は身旺、A庚が強く忌 

B丁が弱く喜になります。運では基本火を強める時期は喜運、弱める

時期は忌運。庚を強める時期は忌運、弱める時期は喜運になります。

 

< 大運 >

96 86 76  66 56 46 36 26   16 06

✓ ✓ ✓ ✓ ✓ 〇 〇 △ 〇 ✓

壬 辛 庚 己 戊 丁 丙 乙 甲 癸

食 敗 比 印 倒 官 殺 財 才 傷

戌 酉 申 未 午 巳 辰 卯 寅 丑

〇 ✓ ✓ ◎ 〇 ◎ △ △ 〇 〇

    巳 丑 子   戌 戌   子  ←(冲・支合する命式の地支  

 

<身の上と大運>

母子家庭で育った彼女は、高校を卒業すると同時に働き始め、

〇26才乙運には結婚をして子供が生まれましたが、相手の素行の悪さが

原因で離婚をしました。

同じく乙運の28才には、前夫とは真逆の性格で以前から知り合いだった

男性からの申し入れを受け再婚、その後二人の子供に恵まれて三人の母親

となっています。夫は徐々に重責を担う人となりかなりの方だそうです。

 

〇乙運は絆神三倍、数字的には三倍で喜忌変遷運ですが、乙は無根柴の様な

もので火を生じ喜忌変遷考えなくて良いと考えましたが、本人曰くこの時期

は子供を抱え路頭に迷っている様で、

精神的にかなり大変な時期だったそうです。結果は良好。

 

伴侶は彼女の内助の功に頼っていますが、子供は手が掛からなくなり、

母親の助けもある事から、彼女も社会進出を願っての依頼でした。

〇46才からの十年間は、官星の火を強め日干庚を制し命式のバランス

が取れ、先ず伴侶の地位向上により家庭での内助の功が求められ

彼女自身も、その功を認められ納得が出来て得られる物は多く満足度

も高い筈です。即ち、伴侶の収入アップですね。

〇56・66才の戊己運は、忌の通関用神で印星運になりますから、

この時期は慎重な推命が必要になります。

戊運は、社会進出そして自身への高額投資による被害が考えられますが、

次の61才午運は、月支子と冲閑支ですが命中の温度を上げ間接的に丁を

強めますから、努力は報われるでしょう。

〇66才の己運は、戊運と同様一進三退に支出が有ります。

しかし 71才の未運は忌の病時支の丑を冲で抜きます。

この年齢での時支忌病の丑を抜く運は、非常に良くどんな嬉しい出来事

が起るのでしょうか。地支運に救われています。

〇86才からの、庚運は金の相尅、人間関係や事故病気等色々な事に

気をつけたいものです。

〇96才の壬運は、時干喜の偏官丁を合去、格名は外格従旺となって破格忌運です。

この時期晩年の時干を合去での変化は、決して良いとは言えませんが

年齢相応です。救いが多く徳のある命式です。

と、推命致しました。

 

最後に)

依頼内容が、専業主婦から社会進出・ワーキングウーマンへの移行と言う事でした。

現状で伴侶は主婦としての内助の功を救いにしているとの事、

通常は日支を伴侶として見ますが、官星も女性に取っては伴侶ですから

深読みの為に今回は時干正官をも伴侶として推してみました。

正官は喜、喜の年支と日支に支えられていますし年支(母親)は本人をも

偏官で支えていますから、本人には厳しく伴侶に取っては地支の丙ですから下

支え本人よりも伴侶に都合の良い人です。現実でも母親は家族と同居して

家族を支えています。良い伴侶と母親に支えられていますが、本人(庚)に

取っては一寸煙たい相手ではあります。

 

( 子峰院の出版物 及び ブログの参考文献 )

平岡滴宝訳  「改訂版 新訳・滴天髄」 「改訂版 神峰通考干支体象詩」

平岡滴宝著    「改訂版 あなたの運命のすべて」

          「改訂版 子平学・四柱推命法深書」

       「改訂版 秘本・子平廣論」 

 

( 子峰院 占い人・和珞 2023/05/02 )

 

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