強きをおさえ、弱きを助ける者は常理、
強きを用いて弱きをすてるものは元機なり
滴天髄は衆寡論です。
「強きをおさえ」は、用神法では扶抑で格名は内格にあたります。
「強きを用いて」は、用神法は専旺で格名は外格に当たります。
順逆論では、外格は「特に強い力を持った干には、その気勢に順応
する方法を取った方が良い」と言い
衆寡論では、
外格は一方だけの強さを追い求めるやり方で、未知数への仕掛けと言え
一種の挑戦的な考え方とも言っています。
外格の場合、通変星の強さは内格に比べて偏りがあります。
例え頭脳的に優れていても、性格には内格よりは偏りがあると
言う事ですが、喜運では、その個性的な性格は却って魅力的に映りますし
健康にも恵まれます。しかし忌運には、個性的な性格は対人関係では支障を
きたす事が多々あり、自身のストレスへとつながる事は少なくありません。
滴宝先生はそう言った意味でも、偏りの命式の人は適職に就く事は重要だと
いつも仰っていました。
< 彼女の身の上話№3 彼女の場合 >
貧しい農家に生まれ成人前に両親を亡くし、兄弟姉妹も無い天涯孤独
の身でした。そんな彼女は公共機関に勤める男性と知り合い25才過ぎに
結婚、二人の子供に恵まれて子供達が小学校にあがった頃、彼女の書いた
個人書類が伴侶の上司の目に止まり、福利厚生で計画中のペン習字講座の
指導を請け負ってくれないかとの打診がありましたが、資格を持っていない
から
引き受けたそうです。教えながら通信講座の添削を受けたり
月干紙で競書の提出等で、力をつけていったそうです。
数年後、ご近所の数人の人達からも、教えて欲しいと言われ自宅や
近所の文化教室でも教える様になりましたが、毛筆も教えて欲しいと頼まれる
様になったそうです。字を書くことは好きで一応勉強はしていた事から
毛筆も教える事になりましたが、自身の力に満足がいかなくなりました。
その頃私は、彼女から良い先生をご存知であれば紹介して頂けないかと
頼まれました。私も、この様な仕事をしている関係上、顔だけは少しずつ
広くなっていましたから、知り合いには数人の先生がいました。
彼女の意気込みから、知り合いの中から、日展にも何度も応募経験のある
最高の先生を紹介させて頂きました。
何ヶ月か教室に通い師からも気に入られたそうですが、紙代が高く
とても続けられそうにないと師に相談すれば、彼女の自宅から遠くない所に
同じ
そんなに簡単に師範の免許を取得できない厳しい流派ではありましたが、
その師の親切な教えと努力で順調に資格を取って行ったそうです。
数年後、師からは「貴方には、私が教える事はもう何一つ有りませんよ」
と
その頃は、伴侶の強め先の教室を辞め、自宅と文化教室を数件受け持ち
生徒は百人をかなり超えていました。体調を壊し数ヶ月教室を休んだ時も
先生の字が好きだからといわれ、教え子は誰一人辞める
人はいなかったそうです。
それでも寄る年波にも勝てずに、体調を壊しそれまでに何度と入院生活を
送った彼女は70才を僅かに超えた頃、全ての教室を占める事にしました。
私も、その挨拶を頂ました。
(彼女の話から)
高校も出ていなかった彼女はこんな仕事に携る事が出来るとは夢にも考えた
事はなかったそうです。字を書く作業はなにより好きでしたが、その為の資格を
何一つもっておらず、何時もこれは「夢ではないか」と現実を疑ったそうです。
その上経済的な余力は、家のローンの支払いや夫婦の病気療養費や生活費の
足しになり、家計は逼迫する事がなく大いに助かったと、
一番大変だったのは、お手本はコピーなどに頼らず、全てを手書きに拘った
そうですが、生徒の人数からして一日も休む暇がなく「好きでなければ
心のゆとり
「好きでなければ出来る仕事ではないな」としみじみお話を伺わせて頂きました。
詳しくは知りませんが、お習字は、書くだけの勉強ではなく
漢字の成り立ちや
理解できるようになるそうです。
平岡滴宝著 子平廣論では
天干や地支から 通変星の組み合わせや並び方で、本質(性格、持味)
才質(特技)など 多くのページを割いて説明されています。
お手持ちの方は、適職などの推命に便利に使って頂ければと思います。
( 無断転載禁ず )
平岡滴宝訳 「新訳・滴天髄」 「神峰通考・干支体象詩」
平岡滴宝著 「秘本・子平廣論」
( 子峰院 占い人・和珞 2021/11/13)
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