子平学･四柱推命は生年月日時の十干十二支を柱にして、推命(占い)を
行います。ご存知の通り日本ではこの占いを新たに「四柱推命」と言い、的を得た
呼称が付けられています。十二支は十干と共に子平学には欠かせないものですが
どうしても十干が重視されがちです。それには四柱の地支は蔵干に置き換えら
れて推命が行われるからです。又、二気･三気を受け持つ地支が多くあり
十二支の扱いは「難しい」と言われています。
私共、平岡滴宝門下は師の訳本である
「新訳･滴天髄」と「神峰通考･干支体象支」を基本的理論として、教材に使い
推命を行っています。そうした理論による 五気からの精神性や体質の他
大運やその他行運から見る運の流れの他、四柱をほぼ二十年に割り振った
見方の元運や、源流論から見る人間関係の流れ、元運による夫々の人間関係
の相性等、多くの事柄を見る事が可能です。それには十二支の特徴や相性や
冲･支合･刑･害･破の運命の見方の他、人間関係の結果等を見ます。
ですから十二支の理論は、滴宝門下に取っては不可欠で真剣に取り組まなければ
ならない学問なのです。
今回ブログは、十二支は十一番目の「戌」について書きます。
神峰通考 干支体象支 戌宮詩 より
九月はかかい、性はもっともつよし。
ひろくこれを言えば、もののしゅうぞう。
こうろのきょ火、よくじょうじゅす。
どんてつ、がんきんは、しゅちょうにたより、
かいくつ、ちゅうりゅうは、雨露を生ず。
さんとうの、ごうこに文書うごき、
てんら、これ、こんじん、まようといえども、
火命、これにあえば、ひとりきずあり。
（平岡滴宝訳 神峰通考干支体象支より）
私は辰･丑に継いで好きなのが戌 言葉は辰の「長養堪培」の次に戌の
「物収蔵」です。「九月河魁性最剛 漫云於此物収蔵」 九月は陰暦で陽暦では
「十月」にになります。「河魁」は戌の居位で星の名です。
なかなか頑固な土の様です。
※通考では従魁になっていますが、ここでは渕海の「河魁」を採用しました(滴宝)
〇戌の月令は十月の節日より12日目迄は「辛」 それ以降は「戊」となり
丁度土用の頃となります。秋と秋から冬への季節変わりを勤る事になります。
〇時間は、午後7時より８時59分迄で夕方から夜になります。
戌は土･金・火を強めますが、特に戊・辛・丁を強めます。
「山頭合虎動文書」(さんとうの、ごうこに文書うごき)
山頭とは年支 合とは火の三合会局で午寅戌の事ですが
意味）年支に午寅戌の何れかがあって 月支が戌ならば文書力に恵まれる
が、日干戊から見ますと戌の丁と午戌の丁は印綬 寅の丙は偏印の関係で、
特に月支戌の印綬と年支寅の偏印の 配置と組み合わせは印星としての
力強さを言って寅を特筆されています。
年支寅の華蓋星は、元運からみますと特に英才教育、もしくは「栴檀（せんだん）
は双葉より芳しい」の如く、幼少期より其の才質が現れるのかもしれません。
こういった命式は、文才に限らず幼少より現れた優れた才質を特に延ばせば
良いと思います。↓
では、本当に日干戊に年支寅、月支戌は文才があるのでしょうか？
そんな事は人に聞かないで下さいね。現在では優れた執筆家方の生年月日
を知る事は容易になりました。三柱だけでもありとあらゆる人で見て
試して頂きたいと思います。勉強になります。
只、思いますのに、そうした事で古人の揚げ足を取る方向性でなく、言わんと
する推命法を探っていけば、其の方法は必ず見えてくると確信しております。
私は戌詩では、「物収蔵」の見方に魅力を感じています。
特に戌の蔵干には、戊丁辛があります。才質は特に天干で見る事が多い
ようですが、滴宝式では地支からも多くの才質を見抜く事が可能です。
「物収蔵」の戌は宝物の宝庫です。
干支体象支、訳本の補注では滴宝先生は
山頭(年支)以外の寅との関係は、あまり良いとは言えません。
（蔵干中の丙丁の隠蔽 丙辛の尅等によるものと思います。）
辰とは、冲でない位置にあればその(喧嘩の意)限りではありません。
の様に、多くの配置とその相性の良し悪しを述べています。
今回は、十二支の戌について、少々書いてみました。その全てを
書けばかなりの内容となりますが、今回はこれまでといたしましす。
又何時の日か「好き放題十二支、戌」を書きたいと思います。
（ブログの参考文献 )
平岡滴宝訳 「改訂版 新訳･滴天髄」 「改訂版 神峰通考干支体象詩」
平岡滴宝著 「改訂版 あなたの運命のすべて」
「改訂版 子平学・四柱推命法深書」
「改訂版 秘本･子平廣論」
（ 子峰院 占い人・和珞 ２０２２/１０/０５ ）
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