子峰院の子平学・四柱推命 (始末書 官財の関係)

 自身の経験は占術師には必ず役に立つらしいのですが、私の場合は、依頼内容

に必ずしも経験が役立つことばかりではありません。むしろ未経験の事ばかりで

す。依頼者には若い男性も少なくありませんが、鑑定には若い男性ならの相談内容

があります。例えば結婚が決ったのですがどんな服装でどんな挨拶を?手土産は?

等々 参考程度にはお話しますが、「先ず、結婚相手に聞く方が良い事もあります」

と言葉を添えます。若い男性には思いも寄らない心配事があるものです。

 ある男性!「始末書を書かなくてはいけなくなったのですが、三度書いて提出

しても受け入れて貰えず、書き直しを言い渡されます。」と、これは推命とは関係

無さそうですが、彼が子供の頃行き掛かりで勉強を見てきた人でした。

彼の話によれば、始末書を書く原因となったのは仕事での失敗からですが

その原因は自身の至らなさばかりでは無く、現場環境設備のお粗末さや人材

配置によるまずさによるものが大きかったと、以前より仲間達と上司に改善の

申し立てをしてきたが受け入れて貰えず起るべくして起った事だと。それ迄の

始末書の下書きを読ませて頂けば、そうした不備を訴える内容ばかりでした。

本人にしてみれば尤もな事でも、上司方のプライドからは「反省が足りない」

と腹立たしく思われた事でしょう。彼に、「私が今回提案する始末書は、貴方の

自尊心を傷つける事になりますけど・・・」

彼「始末書を受け入れて貰えるなら僕は大丈夫です。」

「受け入れて貰えるかどうかは解らないけど、今までとは違う書き方をしてみま

しょう」

 

( 始末書 )

失敗した時と解決した時の正直な気持ちを書く、それには失敗の経緯と解決

に至った内容は部署から報告済みの筈だが、その気持ちを段階を追って書く為

には失敗と解決の内容に少し触れながら書く必要がありました。最後に解決したと

言っても解決までには心配等少なからず損害を負わせた人へのお詫びの気持ちを

始末書からは、相手方へ気持ちを伝える事は不可能でも書いた方が良いでしょう。

と提案をさせて頂きました。数時間かけて私の側で始末書の下書きを終えた

彼は「これが済んだら今の仕事を辞めても良いですかね?」と聞かれて、悪くは

無い時期でしたので「出会いの時期ですから、辞めても良いでしょう。でも同居の

両親には出来るだけ納得して貰う方がベストです。」

その夜は徹夜して始末書を書き上げてその日の内に提出すると、上司方からは

「了解」の返事を頂き、次の日には退職届けを出したそうです。

始末書を仕上げてみれば、全く嘘偽りは無く彼の正直な気持ちが現れたものとなっ

ていました。職場の改善努力を怠った上司に対しては、罪悪感が無いようでした

から、上司への言葉は少しも無い内容となり、もう一度書かされる事になるだろう

と思っていましたから、胸を撫で下ろしました。

上司方も根気負けしたのかも知れません。

 

父親からは、伝える前に「身体を壊す前に仕事を辞めたらどうか?」と言われた

そうで、両親は傍らでとても心配されていたのでしょう。

勤務先は、当然のことですが退社の手続は滞りなく、各種社会保険の書類等は、

その後は不備が無い様に丁寧な説明があって渡され、退職金は貰えないと覚悟し

ていたものの、思いの外沢山頂いた。と喜んでいました。

 彼は相談に来た日と退職の挨拶に来た日の顔色は随分違い、挨拶時の顔は

生き生きしていました。何度もの始末書を書かされた折には、普通でしたら自暴

自棄になって途中で投げ出し中途半端なまま勤め先を辞める事も有り得る

話ですが、彼は投げ出さずにトコトンやりきりました。

その後、「失業保険を貰えばその間就職活動しなければいけないし、職安の

勧める勤め先を選ぶのは嫌だから、保険を貰わず半年は失業者のままで

それから自分を必要としてくれる勤め先を探します。」と言い、家事手伝いそして

アルバイトを少々半年の休業期間を終えて、彼は三種類の国家資格を持っ技術者

ですから強気でした。思い通りに「助けて欲しい」と言う勤め先に対し

「此処でならやって行ける」と確信した彼は、新しい職場で働き始め、

あの頃三十代始めだった彼は、四十代の中年男性となった現在も尚その職場で

働いています。

 

 

< 和珞の才徳論 >

 才とは正偏の財 徳とは正偏の官になります。今回滴天髄の才徳論を準えて

書いて見ました。通常、生の関係では日干・劫敗→食傷(児)→財→官→印→

日干・劫敗となるのが子平・四柱推命では当然の考え方ですが、児(行動・技術)→

財(稼ぎ・お金)の関係は現実的ですが、稼ぎが良くても必ずしも地位が就いて来

る訳ではありません。児→財の関係が広き門なら、財→官は狭き門と言えます。

又地位(官)が向上すれば自然と報酬(財)の値上がりが有ります。

即ち官は財を生じ(官→財)反生の関係は常で現実的共言えます。

この考え方は実践推命ではとても重要になります。

和珞の>等と大口で書きましたが、この考え方は両師からの受け売りです。

 

次は、実践推命の経験からです。

年財→月官の見方には 年(父親)が月官(社会環境の地位)への投資と見る事が

有ります。この場合は遊興への投資では無く飛躍への投資ですから学費等を惜し

まず積極的な投資と見る事が出来ますが、忌の場合官財共に忌になり、それを青年

期に強めれば父親(母親の場合有り)は困った行動を起こす可能性も有りです。

どちらにしても地位を買う(官←財)などとは良い印象はありません。

現在ではそうした事への目は厳しくなりました。留意すべきでしょう。

 

通変星は、色々様々な意味が有り見る事が出来ますが、その一つには欲望

有りますが、特徴的なのは扶抑・専旺用神で見る事が出来ます。

しかし、これらの用神は大運では変わる事が多々あり

「欲望」はその人の年代毎で変わり行く人生そのものと言えるでしょう。

 

( 子峰院の出版物 及び ブログの参考文献 )

平岡滴宝訳  「改訂版 新訳・滴天髄」 「改訂版 神峰通考干支体象詩」

平岡滴宝著     「改訂版 あなたの運命のすべて」

          「改訂版 子平学・四柱推命法深書」

          「改訂版 秘本・子平廣論」 

 

( 子峰院 占い人・和珞 2023/06/30 )

 

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